2月5日に開幕を迎える北京オリンピック。2月3日は万里の長城で聖火リレーが行われました。
オリンピックムードを盛り上げましたが、一方で現地では選手を含む大会関係者から個人情報の漏えいを懸念する声が上がっています。一体なぜなのでしょうか。
アプリに"情報漏えい"の懸念?
2月3日に行なわれた聖火リレー。香港出身のアクションスター、ジャッキー・チェンさんが登場しました。
2度の五輪で聖火ランナーになれ、とても誇らしく幸運だ。
コロナ禍の厳戒態勢で開幕を迎える北京オリンピックですが、今ある懸念が強まっています。
田口智也記者。
こちらが大会関係者にダウンロードを求められているアプリ「My 2022」。中を開いてみると体温などを毎日入力する必要があります。この入力したデータを元に大会組織委員会はわれわれの体調を管理することができます。
現地に集まる大会関係者、最大6万人の健康状態を把握するというこのアプリ。各国の代表団や報道関係者などは入国前にダウンロードすることが義務付けられています。
ワクチン接種証明やPCR検査、陰性証明など法的機関が発効した証明書をアップロードしなければなりません。
しかし今、こうしたアプリや通信回線を通じ、中国当局が個人情報を抜き取ったり、行動を監視したりするのではないかと懸念する声が上がっています。
サイバーセキュリティに詳しいインディアナ大学のスコット・シャッケルフォード教授。
デバイスが詮索されたり悪用されたりして、将来的にデータ侵害につながる可能性がある。
イギリスメディアによるとアメリカやイギリス、カナダなどの7ヵ国が選手に対し、個人のスマホを持ち込まないよう呼びかけています。
取材にあたる記者からも…
アメリカのメディア関係者。
個人用ではなく会社のスマホを使っているんだ。
「個人用は使わないようにしている?」
そういうこと。
ウクライナの記者。
スマホを2つ持っているうちアプリは古い方に入れているんだ。
もし何か起これば壊してしまえばいい。
日本の大会関係者はどのような対応を取っているのでしょうか。
「JOCでは選手に携帯電話やアプリの使用でガイダンスをしているか?」
日本オリンピック委員会の伊藤秀仁団長。
個人のスマホを使っている選手もいる。
このアプリが本当にいろいろな悪いことに使われるのか、それも分からない。
しかし、その2時間後、日本政府は…
松野官房長官。
アプリは最小限の使用に留めるとともに帰国後は速やかに削除すること。
可能な限りアプリをインストールする端末を別途用意することが望ましいこと。
注意喚起を実施するとともに選手への周知を要請した。
アプリなどを通じた情報漏えいについて中国側は一貫して否定しています。
2月4日、IOC総会で大会の成功を誓った習近平国家主席は…
あす夜、北京冬季オリンピックが開幕する。
世界が中国に注目し、われわれは準備ができている。
安全で素晴らしい大会を世界に提供するため中国は最善を尽くす。