バイエル
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ドイツ西部、100ヘクタールを超える広大な畑でジャガイモやテンサイなどを育てる農家のベルント・オリーグさん。
運転席のモニターを見ながら農薬を撒きます。
この画面で農薬をまく場所が分かる。オレンジ色が濃い所には農薬の量を増やし、薄い所にはまく量を減らす。
作物の育ち具合などをコンピューターが解析、その情報を元に農薬を無駄なく散布します。
今後、農薬代を10~15%節約できると思う。
デジタル農業
農業にITを活用するデジタル農業。
今、世界中の農家が注目しています。
デジタル農業の開発を進めているのが農薬で世界2位のシェアを誇るドイツのバイエルです。
デジタル農業責任者のトビアス・メンネさんは
デジタル農業によって将来的に農家は全ての害虫の動きや雑草の状態、作物の病気についてリアルタイムで把握し効果的に対応できる。
バイエル
バイエルは日本の農薬市場でもシェア2位。
世界全体では、薬を含めた売上は約6兆2,200億円の巨大企業です。
解熱鎮痛薬のアスピリンを開発したことで知られる正製会社ですが、今後は農業分野に経営の軸足を移す方針です。
バイエル・クロップサイエンスのリアム・コンドン社長は
世界中で食料の需要は増えているが、農地は限られた広さしかない。だから、われわれは農業に技術革新を起こす。
バイエル
バイエルの研究施設では農薬や除草剤などの研究・開発が進められているほか、トマトなど野菜の交配に使われるハチを保護する研究なども行われていました。
農業に関わるあらゆる分野でビジネスチャンスを掴もうとしています。
その心臓部が農薬などの元になる化合物を保管する倉庫です。
バイエルは約350万種類の化合物や遺伝子の膨大なデータを日々の研究に活用しています。
担当者は
どの物質がどこにあるか、場所は全てロボットが管理している。
この日、研究所の見学に訪れていたのが日本の農業大学の学生や農家の後継者の若者たち。
初めて見た、こういう施設は日本にはない。
将来の日本の農業についても深く考えかれると思う。
モンサルト
バイエルの次の一手。
それが世界の農業関係者や株式市場の大きな注目を集めた、この出来事です。
バイエル・クロップサイエンスのリアム・コンドン社長が
モンサルトとの買収交渉については皆さんも、よく知っていると思うが…。
アメリカのバイオ化学メーカー、モンサントの買収です。
モンサントは遺伝子組み換え作物の種子で世界最大手の企業です。
バイエルはモンサントを買収することで、弱点である遺伝子組み換え分野を強化し、世界最大の農薬・農業関連メーカーになろうとしているのです。
バイエルの課題
一方でバイエルが直面するある課題も買収の背景にあったようです。
バイエルの幹部がWBSの単独取材に応じました。
今回の買収戦略の意味は?
われわれ、農薬やバイオ産業は今、研究開発費用の問題を抱えている。製品をつくるのにより巨額な費用と長い時間がかかるようになっている。企業規模が小さければ研究開発のための十分な投資ができない。しかし企業規模が大きければ、それが可能になる。