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[モーニングサテライト]【ふちこの突撃マーケット】賃金上昇のカギを握る?"転職"最新事情[atama plus株式会社]

モーニングサテライト

「ふちこの突撃マーケット」、今回のテーマは「賃金上昇のカギを握る?"転職"最新事情」。

欧米などに比べると日本は賃金がなかなか上がっていません。実質賃金の増減率は7ヵ月連続のマイナスとなっています。賃金自体は上がっていますが、物価高に賃上げが追いついていない状況です。

さらに日本の年収水準は先進国平均のおよそ8割弱です。

そんな中で賃金上昇のきっかけになるかもしれないのが転職です。前職よりも賃金が1割以上増加したという転職者の割合は過去最高の33.4%となっています。

転職は賃金上昇のきっかけになるのでしょうか?

転職の最新事情を取材しました。

大手企業からスタートアップへ

今年1月に転職した竹之下遼さん(29)。転職したアタマプラスは2017年創業、社員およそ200名のスタートアップ企業です。

全国3,200室以上の塾や予備校に導入されているAI搭載学習アプリ「アタマ+」で生徒に事前に診断テストを行い、それぞれの理解度にあわせた学習カリキュラムを作成しています。

竹之下さんが担当しているのはAIのアルゴリズム開発です。

もともとは日立製作所で4年間、顧客のデータ分析のエンジニアをしていました。

大手企業からスタートアップへ転職した理由は…

今年1月に転職した
竹之下遼さん(29)

結婚や子どもができる生活の変化で今後、仕事で「誰にどういう価値を届けたいか」「子どもがよりよい社会に住めるといいな」と思い、教育に興味を持った。

片渕茜キャスター

転職には勇気がいる、決断はすぐにできた?

今年1月に転職した
竹之下遼さん(29)

スタートアップは安定しない。そういう不安はあったが、「やって失敗したい」と思い決断した。

アタマプラスは社員200人のうちおよそ7割が竹之下さんのような大手企業勤務の経験者です。

大手企業出身の人材を次々と採用する狙いは…

アタマプラス 人事担当
杉本悠さん

大手企業経験者はサービス・事業・組織、規模が大きいものを扱った人が多い。
その経験が企業の急拡大に生かされている。

人材サービス大手「エン・ジャパン」によると、ここ3年で大手企業からスタートアップへの転職は7倍以上に増えています。

転職全体の比率を見ても大手企業からスタートアップへの転職は3年前に比べ13%多い21.4%、上場企業とスタートアップの平均年収の差も縮まってきています。

片渕茜キャスター

年収は上がりましたか?

今年1月に転職した
竹之下遼さん(29)

ほぼ同じか、少し上がったぐらい。

片渕茜キャスター

大手とスタートアップ、一番違いを感じるところは?

今年1月に転職した
竹之下遼さん(29)

組織として小さい方がスピーディーに動きやすく、コミュニケーションがとりやすい。

矢内雄一郎キャスター

竹之下さんのケースを見てみると20代~30代前半くらいは転職に踏み切りやすい感じはしますが、40代~50代といったミドル世代になると転職はなかなか厳しいと感じます。

片渕茜キャスター

40代~50代のミドル世代の方々の転職も3年前の39%から48%に増えています。

矢内雄一郎キャスター

転職する人の半分近くが40代以上ということなんですね。

片渕茜キャスター

40代で大手企業からスタートアップへ転職して、年収が2倍になったという人の話を聞きました。

45歳で年収2倍

5年前、パナソニックから転職した土田安絋さん(45)。転職したAWLは2016年創業、社員およそ60名のスタートアップ企業でAIを活用したカメラのソフトウェアを開発しています。

店舗に設置したAIカメラで消費者の属性や目線の動き、商品を手に取る動きなどを記録。お客さんの動きをデータ化、分析し、店内オペレーションをより良いものにする狙いです。

このプロジェクトを牽引しているのが土田さんです。AIカメラにはこのような機能も…

5年前 パナソニックから転職した
土田安絋さん(45)

今こちらの画面に映っているのが、実際にはこの画面ではなく、デジタル広告が流れている。
その裏側でAIカメラの機能が動いている。
このシステムを使ってお客様が広告を見たのか、見ていなければ新しいコンテンツを作り直して、真に受け入れられる広告を追求する。そういったところに活用できる。

土田さんはパナソニックの技術開発部門で40歳まで17年間働き、5年前にAWLに転職。

5年前 パナソニックから転職した
土田安絋さん(45)

もともとのきっかけが転職する直前、4年間アメリカのシリコンバレーに行って、新規事業開発の仕事をしていた。
大企業の中で技術をやっているのは「会社の歯車」というイメージだったのが、シリコンバレーはエンジニアが新しいビジネスと世界をつくっている。
「こういう風に新しいビジネスができるのか」「自分も転職してみよう」と決断した。

片渕茜キャスター

年収に変化はありましたか?

5年前 パナソニックから転職した
土田安絋さん(45)

前職を辞めて2倍ぐらいになっている。

土田さんの現在の役職は取締役CTO。年収が2倍に増えたのは能力と実績が評価され、転職後に昇進したことも関係しています。

大手企業のミドル世代の人材はスタートアップにとって必要だと北出社長は話します。

5年前 パナソニックから転職した
土田安絋さん(45)

まだない市場に参入して、一気に立ち上げるのがスタートアップの宿命・命題。
その中でやらなければいけないことが増える中、大手企業のミドル世代はいろいろなことに対応できて高い専門性も持っているのが強み。
"人が全て"、一番投資すべきポイントは"人材"。

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