緊急事態宣言下での異例の開催となる東京オリンピックですが、スポンサー企業はどう受け止めているのでしょうか。
オフィシャルスポーツウェアなども提供するアシックスにその率直な思いを聞きました。
株式会社アシックス
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7月8日、新たに公開された施設「ASICS EXPERIENCE TOKYO」。
田口智也記者、
アシックスが期間限定でオープンするこちらの施設ですが、オリンピックの公式応援グッズなどが展示されています。
アシックスが東京オリンピック・パラリンピック期間に合わせて応援グッズや最新技術を紹介するほか、出場する選手たちを身近に感じるための体験ブースなどを設置しています。
卓球の石川佳純選手と一緒にバーチャル上でラリーができるコーナーです。
本来であれば大会の前にオリンピックを盛り上げる施設となるはずでしたが…
しかし、コロナ禍での開催をめぐって賛否両論、さまざまな意見がある中、大々的なPRは難しい状況。
入場者数も制限します。
アシックスは大会の上位スポンサーであるゴールドパートナーの1社。
こうした状況をどう受け止めているのか、オリンピック・パラリンピックの担当者、松下直樹常務執行役員がテレビ東京のインタビューに応じました。
「本来であればたくさんの人に来てほしかった?」
もちろんたくさんの人に見てもらう機会があることは非常にありがたいことだが、環境が環境なので、それを言っても仕方ない。
もちろんいろいろな意見を持つ人がいるのは十二分に理解している。
大会組織委員会やサポーターが安全安心な大会を開催すると言う以上、何があろうがどのような決定がされようが東京オリンピック・パラリンピックを支えたい。
さらに大会スポンサーであると同時にスポーツ用品メーカーとして選手たちを支える立場でもあるアシックス。
選手たちの大会に掛ける思いに寄り添うことも重要な使命だといいます。
アスリートをしっかりと支えていきたい。
われわれの熱意というかスポーツに向き合う真摯な姿勢を理解してもらい、気持ちをくんでもらい、できる仕事もある。
こういうチャンスを最大限、自分の糧にしようと思っている社員が集まり、仕事をしている。
特にその思いを強く思っているのが選手とともにオリンピックを目指して戦ってきた現場の社員です。
アシックスのスポーツ工学研究所、小塚祐也さん、
どういう形でも納得のいく走りをして欲しい。
陸上用スパイクの開発に携わる小塚さん、この4年、東京オリンピックに向けてある選手のサポートにすべてを捧げてきました。
それが桐生祥秀選手です。
2016年、リオデジャネイロオリンピックで史上初となるリレーでの銀メダル獲得に貢献し、日本人初の100m9秒台を叩き出しました。
アシックスは桐生選手が高校生の頃からスパイクを提供しています。
ずっとアシックスを履いているので一緒にいいものができればいい。
小塚さんは4年前から桐生選手の担当となり、二人三脚でスパイクの改良を重ねてきました。
小塚さんたちが開発したのが金属素材をカーボンにし、極限まで軽さを追求した一足。
6月、東京オリンピック代表選考会も兼ねた大会「第105回日本陸上競技選手権大会」に桐生選手はこのスパイクで臨みました。
自己ベスト9秒台が4人出場するハイレベルの戦いとなった男子100m。小塚さんも祈るように見守る中、いよいよ決勝のレースが始まります。
結果は5位。
今何も出てこない。
担当するとき桐生選手の人生を背負うというか絶対よくなるようにと思ってずっとやってきた。
もっと頑張らないといけないと感じる。
100mでの代表入りを逃した桐生選手ですが、後日メダルの期待がかかるリレーメンバーに選出されました。
観客が入る入らないはもちろんあるが、その中で選手たちにできることはやはりベストを尽くすこと。
われわれにできることは選手のパフォーマンスを最大限に引き出すものづくり。
こういう環境だからこそわれわれの仕事は意味があるのではないか。