消費者の健康志向の高まりを受け、その健康を軸に据えた商品が次々に発売されていますが、ここにきてどう差別化していくかが課題になっています。
飲料メーカー各社は特定保健食品や機能性表示食品を次々に販売しています。
制度導入から25年が経つ特定保健食品の商品数は1,159品、一方、2015年に制度が開始となった機能性表示食品は730品まで急増。競争が激しくなっています。
消費者の心を掴むため商品の特色をどうアピールするのか、飲料メーカーの戦略を取材しました。
アサヒ飲料株式会社
[blogcard url="http://www.asahiinryo.co.jp/"]
都内で行われたアサヒ飲料株式会社の新商品発表会。
岸上克彦社長は、
「カラダカルピス」。乳酸菌で体脂肪を減らす。機能性表示食品として4月から発売する予定。
乳酸菌で体脂肪を減らすという「カラダカルピス」です。
アサヒ飲料株式会社の看板商品「カルピス」の98年の歴史の中でも初めてとなる機能性表示食品です。カルピスで培った乳酸菌科学により選び抜かれた独自の「乳酸菌」が配合されています。
試飲をした相内優香キャスターは、
甘さ控えめでスッキリしています。ゴクゴク飲める感じです。ちょっと酸味があるかな。
相内優香キャスター、体脂肪が減ると聞いて夢中です。
メインターゲットは健康に対して意識が高い40代の男性。お客様のニーズでも高かった体脂肪低減につながるものを普段の買い物で気軽に手にとってもらえる商品として開発しました。
アサヒグループ研究開発センター
健康を支える乳酸菌の正体とは?
神奈川県相模原市にあるアサヒグループの研究開発センター。
「カラダカルピス」に使われている乳酸菌の研究はここで行われました。
アサヒ飲料株式会社の研究開発本部、松浦啓一課長は、
「乳酸菌CP1563株」の粉末。
この粉末が体脂肪を減らすという乳酸菌CP1563株です。この乳酸菌は体内にある脂肪の燃焼を促す物質を活性化させる物質を持っているといいます。
今回の新商品を作るうえで初めて使いました。
脂質代謝に関わる因子に着目して活性化を最大限引き出せる乳酸菌を膨大な乳酸菌のライブラリーから選抜してくる。
やや肥満から肥満の人、200人に乳酸菌CP1563株を含む飲料を1日1本、12週間飲んでもらったところ体脂肪面積全体が減少することが明らかになったのです。
さらに乳酸菌を配合する方法にも初となる試みが、
今回使った乳酸菌は効果を最大限に引き出すために破砕している。
乳酸菌を丸ごと砕くという独自の製法によって菌の中にある成分をより効率的に吸収できるといいます。
飲料メーカーとしても売り上げを伸ばすために健康というイメージは重要だといいます。
岸上克彦社長は、
飲料業界ではシェア3位。さらに上のトップグループを目指すためには既存のブランドが一つ一つ強くなり健康価値をもってお客さまのニーズに合ったものをつくる中で成長していく。絶対に必要不可欠なこと。
キリンビバレッジ株式会社
[blogcard url="http://www.kirin.co.jp/products/softdrink/"]
一方、ライバル企業も動いていました。
キリンビバレッジ株式会社の商品担当、橘美佳主任は、
体験に来ました。よろしくお願いします。
フィットネスクラブのRIZAP(ライザップ)を訪れたのはキリンビバレッジ株式会社で飲料の開発を担当する橘美佳主任。
ライザップでどんなトレーニングをしているのか体験をしに来ました。
というのもキリンビバレッジ株式会社が3月下旬にRIZAP株式会社と共同開発した清涼飲料水を発売する予定。
今まさに開発中なのです。
これからキリンが健康に力を入れていく時、ライザップはすごくわかりやすい活動をしている。お客様にとってもわかりやすい商品がつくれるのではないかと思っている。
健康をイメージさせるRIZAP株式会社を組むことでキリンビバレッジ株式会社の健康への取り組みをアピールするといいます。
試作品
この日は試作品が出来上がりRIZAP株式会社の本社を訪ねるリンビバレッジ株式会社の橘美佳主任。
開発した清涼飲料水はRIZAP株式会社側から健康につながるある素材を入れて欲しいと依頼されました。
コンセプトは「飲むライザップ」。
30~40代の男性がメインターゲットで運動の前後の飲用を想定しています。
試飲をしたRIZAP株式会社の迎綱治取締役は、
意外とさっぱりした感じ。運動前だったらゴクゴクいける。運動後でも。
上々の評価。
さらにプロモーション映像もお披露目。まだ商品パッケージは公開できませんがBGMにいつもの曲を使うことでさらに健康へのイメージを植え付ける狙いです。
いろいろな会社が健康に取り込んでいるが、健康というものが大事な付加価値になる。