普段は見られない食品や飲料の製造現場を間近で見ることができる企業の工場見学。コロナ前の2019年に行われた調査では70%以上に人が工場見学に行ったことがあると答えるなど人気が定着していましたが、コロナ後は多くの工場が見学中止となっていました。その工場見学がいま感染状況の落ち着きを受けて相次いで再開されています。キーワードは五感体験とデジタル化。生まれ変わった工場見学を取材しました。
コロナ中断から工場見学再開!
"五感体験"新規ファン開拓
大阪・吹田市にあるアサヒビールミュージアム。年間15万人が見学に訪れる人気施設です。2年以上コロナで閉鎖となっていましたが4月25日にようやくリニューアルオープンを迎えました。
スタッフ

皆さんの真下にある丸い機械が缶詰機です。
見学は1日50人限定。今月の予約はすべて埋まっているといいます。
見学ツアーのスタートとなるトンネルのような入り口。デジタルサイネージが目に飛び込んできます。
アサヒビールミュージアム
佐藤みゆき館長

通常の工場見学ではなくミュージアムに来たという最初のタッチポイント。
廊下やエスカレーターの壁を刷新し、お客様にこの先に何があるのだろうと思わせるワクワク感を演出しました。
そして最大の売りがこちら。大きなスクリーンに投影された映像を通して、まるでビールの缶の上に乗ったようなバーチャル体験ができる、その名も「スーパードライ ゴーライド」。ジェットコースターさながらの迫力です。
見学が終わると出来立てのビールが味わえるほか、桃やゆずなど自分好みのオリジナルドリンクを作れる国内初のサーバーも設置されています。
来場者

体験型とか映像とかすごい。感動した。
来場者

変わった。昔からするとかなり視覚的になっている。見やすい。
単なる見学から進化し、デジタル技術を駆使した五感に訴えかけるミュージアムを目指したといいます。
アサヒビールミュージアム
佐藤みゆき館長

お客様から工場見学はどこも似ていると意見があった。
お客様が主役でいろいろな体験をしてもらうことが狙いで、デジタル技術を駆使した。
デジタル技術で差別化狙う
一方、さいたま市にある大手菓子メーカー、ロッテの浦和工場。
5月16日に2年ぶりに工場見学を再開させました。見学料は無料。
まず座学で工場の概要を学んだ後、人気商品の「パイの実」もしくは「ガーナチョコレート」の製造工程を見学します。
アテンダー

機械で「パイの実」に針でチョコレートを注入しています。
来場者

へー流れている。
生地を焼き、チョコレートを注入し、パッケージグされるまでの製造ラインを見ることができます。
そして至ることで活用されているのがデジタル技術を使ったアトラクションです。
パイの実の立体映像が宙に浮かび上がると、チョコレートの原料カカオに関する説明が始まりました。
来場者

楽しかった。すごい。
こうやって作ってるんだなと思った。
来場者
売り場で見たらあの時のだねと買いたくなる。

ロッテ
池田なつきさん

実際の製造工程を見ることプラス、きちんとした説明がデジタルコンテンツでされている。
より学びを深め、理解してもらえる。
菓子は何気なく食べている。商品名が分かってもロッテのメーカー名まで分からない人が多い。
工場見学を通してより身近に感じてもらえれば。