アサヒビール株式会社
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任天堂のファミコンが大ブームとなり1,000万台を突破した1987年、のちのロングセラー商品が誕生しました。それが辛口でお馴染みの「アサヒスーパードライ」です。
ずっと続けて飲めるのがいい。
スッキリ、ガンガン飲める感じが好き。
19年連続で首位のビールブランド「スーパードライ」。辛口に秘められたロングセラーを解き明かします。
アサヒグループ研究開発センター
辛口のヒミツはアサヒグループ研究開発センターにあります。
研究員の後をついて行くと鍵の掛かった冷凍庫。中にはマイナス80度で保存されているスーパードライの酵母。318号酵母と呼ばれるスーパードライの命です。
この酵母が発酵段階で麦汁の糖分をよく食べることでスッキリとした辛口にできるといいます。
ただ発売当時は社内にも戸惑いがあったといいます。
スーパードライ
アサヒビール株式会社の平野伸一社長は、
当時は辛口の概念がなかった。日本酒しか辛口という概念がない。ビールで辛口はちょっとあり得ないという気がした。
しかも当時のアサヒは業界3位。「夕日ビール」と陰口を叩かれていました。
新商品「スーパードライ」も首都圏限定のささやかな船出でした。ところが意外な転機が訪れます。
実は東京周辺に住む人が「非常にスーパードライがうまい」と宅急便で田舎の親戚に贈った。
クロネコヤマトの宅急便が始まって10年。スーパードライは物流網に乗って瞬く間に全国に広がりました。
さらに広告では「この味がビールの流れを変えた」と強調。辛口が一大ブームとなりました。
ピークの2,000年には約2億箱を生産しました。(1箱大びん20本)
しかし、その後は発泡酒や第3のビールが登場。値段の高いビールが落ち込むのとともにスーパードライも減少傾向。
30年経つとメインユーザーは50~60代になっている。また新たに20~30代の男女を掘り起こさないといけない。それが数年前から始めているマイナス2度のエクストラコールド。
エクストラコールドはビールを凍る寸前まで冷やすことで新たな刺激を楽しめます。
またスーパードライの黒ビール「ドライブラック」や度数の高いビール「ドライプレミアム芳醇」を若者に提案。
そして30周年を迎えた今年は4種類の派生商品を発売しました。5月に発売する最新作「瞬冷辛口」は冷たさを感じられるビール。さらに女性をターゲットにしたデザイン「スペシャルパッケージ」や超刺激「エクストラハード」、国産原料100%のビール「ジャパンスペシャル」。
派生商品を毎年のように展開し本来のキレと辛口のスーパードライに導くのが狙いです。
1月~3月までの販売数量は業界全体が落ち込む中、スーパードライは1.5%増とわずかながら伸びを示しました。
30年を迎えたトップブランド、その極意とは?
ロングセラーの極意
酒は文化、風土などがありDNAは変えないことも大事。変えるときは違う形で変えるべき、スーパードライは変えてはいけない。