皆さんお馴染みのアパホテルの元谷芙美子社長。経営の実権は夫でグループの会長を務める元谷外志雄氏が握っていましたが、長男の元谷一志氏が社長兼CEOに就任し、新たな経営体制に移行しています。
目指すはワンマン経営からの脱却ですが、どう実現していくのでしょうか。
アパグループ経営体制変更!ワンマン脱却へ 海外展開も
6月2日に都内で行われた発表会。
アパホテルの元谷芙美子社長も出席する中、現れたのはアパグループの元谷外志雄会長です。
アパグループ
元谷外志雄会長
コロナの収束がようやく見えてきたことから、このタイミングで新体制への移行とした。
4月にこれまで代表だった外志雄氏が会長に、息子の一志社長は社長兼CEOに就任しました。
肩書が少し変わっただけに見えますが今までと何が違うのでしょうか。
角谷暁子キャスター
経営がどう変わる?
アパグループ
元谷外志雄会長
当初はトップダウン型でやってきたことがうまくいった。
ここまでの規模になるとすべての意見をくみ取らないと。
組織型経営のウエイトを増やしていく必要がある。そのためには若い彼がいい。
これまでアパを成長させてきたのは創業者である外志雄氏のトップダウン型の経営でした。
1971年にアパホテルの前身となる注文住宅の会社を創業させた外志雄氏。
1980年代には地価高騰の波に乗って事業を拡大させましたが、バブルが弾けると察知するなり保有する不動産を売却。
バブル崩壊後にはその資金を使って下落した土地を安値で購入するなど、独自の嗅覚で会社を成功に導いてきました。
さらにホテル業界全体が沈んだコロナ禍でも…
社員
これはきのう視察した神田の土地。
アパグループ
元谷外志雄会長
若干高値だが折り合いがつくようであればこれも買いたい。
廃業に追い込まれたホテルなどを次々と買収。
2020年3月からこれまでに62のホテルを新たにオープンしました。
業績面でも51年連続で黒字を達成しているといいます。
ただ事業が拡大を続ける中、外志雄会長はトップダウン型の経営には限界がきていると判断。
息子の一志CEOへの引き継ぎを始めたのです。
アパグループ
元谷外志雄会長
全てを見て判断するのは難しい規模になった。
10億円くらいの規模については一志CEOの決裁で新しいホテルの買収もする。
今は移行期間中なので2~3年もすれば私はおまかせすることになるのかなと。
その一志CEOが目指すのは組織型経営への転換です。
アパグループ
元谷一志社長兼CEO
社長から副支配人以上のスタッフに直接メッセージを送れるような組織。
その中では高卒もいれば大学院卒もいるし、その中で素晴らしいアイデアを採択し、会社を限りなくよりよい方に前進していく。
海外からの観光客受け入れも徐々に再開する中、組織内でアイデアを練り業績を伸ばしていきたいといいます。
また、いま力を入れているのが海外事業です。
買収などを進めアメリカやカナダに41のホテルを展開。今後さらに拡大していく予定です。
アパグループ
元谷一志社長兼CEO
日本を代表するホテル事業をやり、今回受け継ぐことで世界企業として一歩を踏み始めた。