5月11日が期限となっている緊急事態宣言の延長が現実味を帯びる中、今後も深刻な状況が続くと見られるのが飲食店に関係する事業者です。
しかし、そうした中でも休業中の店舗を活用して独自の取り組みを始めた大手外食チェーンやあるサービスを使い売上げの大幅な減少を食い止めた事業者など反転攻勢に向けた動きが続々と出てきています。
株式会社エー・ピーカンパニー
[blogcard url="https://ap-holdings.jp/"]
東京・新橋。
吉脇丈志記者、
新橋駅近くの路地裏です。たくさんの飲食店が並んでいますが軒並み終了しています。
2年続けて緊急事態宣言下のゴールデンウィークとなり休業する店舗が目立ちます。
塚田農場などを展開するエー・ピーホールディングスも現在、都内にあるおよそ90店のうち9割近くを休業しています。
新宿にある「立ち寿司横丁 新宿西口」もエー・ピーホールディングスの店舗。
休業中の店舗に入ってみるとスタッフの姿が…
行われていたのはすし職人を育成するための研修です。
1貫握り終わり2貫目にいく時の書道の早さがポイント。
実はすしの握り方を教わっていたのは普段、別の居酒屋で働いている自社のスタッフです。
普段は塚田農場で料理長。
自分のスキルアップにもなる。
基本的にはホールで働いている。ドリンクは作るが調理はしない。
この期間で少しでも技術を得られれば再開したときに店舗で武器になる。
普段、居酒屋で働いているスタッフが握ったすしは…
70点ぐらい。
高さは合ってきたが形がもう少し統一感を出せればいい。
休業の期間を活用し、ほかにもすし職人などが焼き鳥の技術を学ぶ研修も実施。
今後は寿司店のメニューに焼き鳥を加えたり、塚田農場で寿司を提供したりできるようスタッフの技術を向上させていくといいます。
エー・ピーホールディングスの越川康成執行役員、
定番のメニューを出していたが、新しくすしや焼き鳥も出せるようになると既存の業態が進化する。
来年以降。それほど気にしなくても外食できる時期が必ず来ると思う。
そこに向けて我慢のときだと思う。
飲食店の多くが休業を余儀なくされた影響はこんなところにも広がっています。
川崎市にあるこちらのお宅、、ベランダに行ってみると…
前田龍珠園の原田旬オーナー、
いらっしゃいませ、日本一小さなワインショップだと思います。
実はここ、山梨県甲州市でワインを製造するワイナリーの直営店。
樹齢60年を超える古木の甲州ワイン。
普通の甲州ワインでは味わえない染みわたるミネラルを楽しめる。
ぶどう畑の土の管理から醸造までこだわり抜き、手間を惜しまずに作り上げたワインを飲食店にも販売しています。
しかし取引先の飲食店が休業した影響などで売上げが一時半減しました。
レストランからのオーダーは去年と比べれば減ってきている。
私たちがどういう思いで作っているか伝える機会が減ってきているので心配。
そんな危機を救ったのがある人気の通販サイト。
消費者が生産者から直接商品を取り寄せることができる「食べチョク」です。
自社サイトだけで販売していた時よりも売り上げが4倍も増えたといいます。
ワインを渾身の思いで作っているので「食べチョク」のお客様とマッチする。
3~4倍に通販の売上げが伸びた。助けてもらっている。
17年にサービスを開始した食べチョク。
秋元里奈社長が26歳の時に立ち上げました。
巣ごもり需要の追い風もあり、取引額はコロナ前と比べ42倍、生産者の登録も6倍に増えています。
秋元社長はコロナ禍で飲食店との取り引きが減った飲食店をサポートしていきたいと話します。
生産者は作っているものは一緒でも消費者向けに売り方を変えなくてはいけない。
農業経営における問題はまだまだたくさんある。
販売以外の課題にもアプローチできる事業をしていきたい。