東南アジアなどに生息するコツメカワウソ。

見た目の可愛らしさからここ数年、水族館などではお客様が集まる人気者となり、ペットとしても家で飼う人が急増するなど日本で一大ブームとなっています。このコツメカワウソ、11月26日から商業目的での国際取引が原則禁止になりました。日本のカワウソブームがその一因となっているようです。

コツメカワウソ
サンシャイン水族館
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東京・池袋にあるサンシャイン水族館。

ペンギンがまるで空を飛んでいるかのように見える展示が人気ですが…

中でも特に多くの人が集まるエリアがあります。
かわいい。

その視線の先にいたのはコツメカワウソ。

館内を散歩すればすぐに撮影会が始まる人気者です。

かわいい。

とってもキュートだね。

いま日本では触れ合うことができる専門のカフェの登場や個人で飼育する人が増えるなどカワウソ人気は広がり続けています。

ワシントン条約
そんなコツメカワウソですが実は野生としては絶滅危惧種です。

そのためワシントン条約によって11月26日から商業目的での国際取引が原則禁止となりました。

対象となるのはペットショップや動物カフェで販売などのための輸入ができなくなります。

学術研究が目的の水族館や動物園は対象外です。

既に個人で飼育している場合、そのまま飼い続けることは問題ありませんが、他人に譲渡する場合は有償・無償を問わず国に個体の登録をする必要があります。


なぜ国際取引が禁止になったのでしょうか?

トラフィック(TRAFFIC)
[blogcard url="https://www.trafficj.org/"]
自然保護団体のトラフィックによると…

トラフィック・ジャパンオフィスの北出智美代表、
近年、日本へ向けた生きたカワウソの密輸が増加している。

2年間で39頭が日本向けの密輸として押収された。

背景にあるのはコツメカワウソの日本への密輸の急増。

東南アジアで摘発・押収されたカワウソのうち7割が日本向けだったといいます。

今年1月にもタイからコツメカワウソを密輸しようとした容疑で日本人の男らが逮捕されました。

タイ・バンコク
そのタイの首都バンコク。

ここは世界最大級の動物市場。

非合法の取引も少なくありません。
タイでもカワウソの取引は違法のためより目につきにくいネットでの取引も多いといいます。

その価格は1頭数千円から1万円台です。

しかし、それが日本に来ると100万円前後の値段が付いていました。

タイの情報提供者は、
バンコクに日本人バイヤーがいてタイ人に調達させて密輸している。

さらに野生のカワウソが生息するエリアには密猟する若者の姿が…


少しかわいそうだと思うが組織からオーダーが入れば捕まえて売る。

日本のブームがこうした密輸を助長しているとして国際社会からは厳しく指摘されています。
コツメイト
[blogcard url="https://ktm-kawaii.com/"]
日本のカワウソカフェはどう受け止めているのでしょうか?

池袋にあるカフェでは15匹のコツメカワウソに直接触れられます。

全て必要な手続きを踏み、インドネシアから輸入したものだといいます。

「これは?」
コツメイトの長安良明代表、
準備書類。輸入許可をもらうためにそろえなければいけない。

輸入許可などに450万円ほどかかった。

多い日には1日200人ほどの人が訪れるこのカフェ。

ただ、こうした施設などによってブームとなり密輸が増えたという指摘もありますが…
「ブームを作っている側だが?」
それによって密輸が増えたなら反省しないといけない。

今後、新たな輸入ができなくなったこちらのカフェ。
まずは今いるコツメカワウソが生き続ける限り営業を続けたいといいます。
条約改正はコツメカワウソにとっては良かった。自分たちは苦しくなるが。

かわいいと思う人は多いが絶滅危惧種と知らない人も多い。

みんなに少しでも知ってもらえ、よかったと思う。

ただ今回の条約改正だけではまだ課題が残ると自然保護団体のトラフィックは指摘します。
これまでに密輸されて国内に存在する個体が登録されて合法的に取引される可能性が出てくる。

合法であると偽って登録されないように厳しく見ていくことが必要。
