儲かる豆ビジネス その②…大豆編
スイーツ業界支える…業務用あんこ
やって来たのは北海道千歳市にある田中製餡、何ていうのこれ?
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

こんにちは。
田中製餡工場長の齋藤です。
なるほど、あの漢字「あん」って読むんですよ。はい!
ってことはこちらの田中製餡で作っているのが…
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

あんこです。
となると儲かっている豆はやはりアレですよね?
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

こちらです。小豆です。
工場長によるとこちらの田中製餡は昭和25年に創業したあんこ業界超大手企業の一つ。
その昔、あんこは和菓子屋さんが自分のお店のお菓子作りのため細々と作るのが一般的でしたが、田中製餡はあんこ業界で初めて甘いあんこを大量生産するあんこ専用工場を作り、他のお店や会社に卸したメーカーなんだとか。
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

多くは業者用として和菓子屋さん、パン屋さん向け。
番組スタッフ
いわゆる業務用のあんこ?

田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

そうです。
某大手総合スーパーの和菓子や某有名カフェチェーンの小倉トーストに、そして全国展開する某たい焼き屋さんで使われているそうで…
番組スタッフ
どれくらい儲かってるんですか?

田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

あんこ以外もあるんですがおよそ38億円。
おかげさまで。
まさに日本中の色々な所にあんこを売って儲かっている!
そんな田中製餡さん、どんな感じであんこを売っているのか見せてもらうと…
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

こちらが当社で作ってるあんこです。
お〜お〜やたらといっぱいある!これは一体?
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

平パック団子小倉というのは団子用。
平パック丸特小倉ドラ焼き。こちらはどら焼き用。
小倉最中っていうのは最中用。
あんこといえばつぶあんとこしあんの2種類と思ったら大間違い!
餡を入れる物によって全部細かく違うんです。
その数、実に20種類以上。何が違うのかというますと…
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

甘さが控えだったり、甘いものだったり、用途に応じて作っている。
例えばこちら最中用の餡「平パック小倉最中」は糖度66.5度と甘くすることでその分、水分が少なくなり最中の皮のパリパリを保てる!
一方こちらたい焼き用「AP北海小倉AS-45」は糖度が45度と低い分、水分が多く柔らかくなるので頭から尻尾まで隅々まであんこが行き渡る!
などなど創業72年の田中製餡ならではの細かいこだわりが!
では、このこだわりのあんこ、どう作っているのか?
こちらあんこ作りの総責任者、この道27年の菅野仁さん。
田中製餡
菅野仁さん

たい焼き用のつぶあんを作りたいと思います。
菅野さん曰くあんこは小豆の洗浄、小豆を煮る、小豆を炊く、砂糖を加えて練るという大きく分けてこの4つの工程で作るのですが、1番重要なのは…
田中製餡
菅野仁さん

水を張って生の豆を煮てゆっくり膨らませる。
この作業は本当に神経を使う。
あんこを作る際、小豆を煮て渋みや苦味を小豆から取り除くんですが、放っておくと小豆のうま味まで出ちゃう…
なので一番難しのがうま味が出過ぎないギリギリ手前で火を止める、このベストタイミングを見極めること。
豆が煮える釜の前で何かを見ている菅野さん、あの〜何やってるんですか?
田中製餡
菅野仁さん

どの段階で沸騰しだすのか見逃さないように見てる。
沸騰を見逃すと煮る時間がずれる。
ファースト沸騰は見逃し厳禁。
そういって数分後、釜の中は沸騰しているように見えますが、菅野さん火を止めず…あら、これ見逃しちゃったのかな?
田中製餡
菅野仁さん

普通に考えたら沸騰に見えるけどこれは沸騰ではない!
端が激しく動いているでしょ?
だけど真ん中は弱い。
すべてが同じ状態で対流しないと煮えムラになる。
それを防ぐために完全沸騰を待ってる。
そこから3分間、まだまだじ〜っと釜を見ている菅野さん。
すると…
田中製餡
菅野仁さん

これで完全沸騰。
端から真ん中に向けて全方向から同じ勢いで流れている。
これが完全沸騰。
確かに先ほどよりも小豆が対流しているようないないような…
豆を煮始めてからおよそ40分、菅野さんついに火を止めた!
さらにこの後、小豆をふっくら炊き、砂糖を加えて練りあげます。
こうして作りはじめて3時間。
田中製餡
菅野仁さん

いいね!
たい焼きにベストの糖度45度の美味しいあんこが完成。
田中製餡 取締役工場長
齋藤俊さん

田中製餡は小豆を使ったあんこを作ってがっちり!