Marketリアル ビジネス関連 モーニングサテライト

[モーニングサテライト]【Marketリアル】ANAホールディングス株式会社

モーニングサテライト

マーケットで起こっているリアルな事柄を伝える「Marketリアル」。今回はANAホールディングスです。

まずは株価から確認します。コロナの前はインバウンドに支えられ好調でしたが、その頃に比べると現在は当時の半値ぐらいで厳しい状態が依然として続いています。

そうした中、好材料もでてきました。2023年3月期の第1四半期はよやく黒字化を実現。通期でも黒字の見通しです。さらに来週からは政府の旅行支援策も実施されます。

アフターコロナが見えてきた今、どのような戦略で業績の回復を図るのかトップに聞きました。

アフターコロナの航空経営

相内優香キャスター

3連休初日の羽田空港国際線ターミナルの出発ロビーです。
いま朝の8時ですが搭乗手続き、結構混み合っています。

相内優香キャスター

行き先は?

海外への旅行者

マニラ(フィリピン)。
久しぶりに海外の空気を味わうという感じ。

相内優香キャスター

行き先は?

海外への旅行者

ジャカルタ(インドネシア)。

相内優香キャスター

コロナは気にならない?

海外への旅行者

気にしていたら損をする。感染対策をしっかりやっているので。

この日、混み合うターミナルの一角で会見を開いたのはANAの井上慎一社長です。

訪米中に岸田総理が水際対策の大幅な規制緩和などを発表したことにを受け、今後の需要見通しを説明しました。

今回の規制緩和についての事前報道の後、年末年始の海外からの予約が急増していることを明かしました。

相内優香キャスター

岸田総理のコメントをどんな気持ちで?

ANA
井上慎一社長

率直にやったと、やっときたなと。
大変うれしく思った。
これでコロナ前のビジネス環境に戻るのではないかと強く期待している。

一方の国内線は9月のシルバーウィーク最終日にコロナ下で最多の13万7,000人がANAを利用。需要の回復はコロナ前のおよそ8割に達しています。

アフターコロナが見えてきた今、航空会社はどうやって挽回を図るのか。ANAホールディングスの芝田浩二社長に聞きました。

相内優香キャスター

通期黒字の見通しも変わらないか?

ANAホールディングス
芝田浩二社長

足元の業績は順調に推移ししているので現時点で通期目標を変える予定はない。

足元の業績は順調とはいえ、国際線の運行率はまだコロナ前の3割程度。その回復策については…

相内優香キャスター

コロナ前ほどにインバウンド需要が戻ることはないのでは?

ANAホールディングス
芝田浩二社長

一時期の3,000万人にいつ戻るかというのは大いに注視をしていく必要がある。
特に中国はもう少し時間がかかる。

相内優香キャスター

具体的に強化したい国際路線は?

ANAホールディングス
芝田浩二社長

現在、国際線で旺盛な需要というのは東南アジアとアメリカをつなぐマーケット。
東南アジアからのインバウンドの方が先にくるのではないかと仮説を立てて、マーケットに適したブランドをあてていく。

国際線復活は東南アジアから

中国からのインバウンドに期待できない中、東南アジア路線に力を入れ国際線事業の再浮上を図ります。

苦戦が続いてきた旅客事業に対し、業績の黒字化に貢献したのが貨物事業です。

ANAは大型2機と中型9機の貨物機を保有し、2021年度の国際貨物の収入はコロナ前の3倍以上に伸びました。

その背景にあるのがコロナ禍での航空貨物特需。

輸出倉庫を案内してもらうと…

相内優香キャスター

かなり大きい箱がならんでいるが?

ANAカーゴ
南埜直樹さん

ボーイング777の大型貨物機を導入したからこそ運べる大きさの貨物。
半導体製造装置になる。

相内優香キャスター

半導体製造装置の需要は強い?

ANAカーゴ
南埜直樹さん

コロナ下で物流が乱れ、世界的に半導体不足が叫ばれ、われわれの貨物機で半導体製造装置を運ぶことが増えた。

半導体不足による航空貨物特需はまだ続いているといいますが…

相内優香キャスター

半導体は在庫があるという話も?

ANAホールディングス
芝田浩二社長

今のように絶好調の荷状が続くかというとそうは安易に考えてはいけない。
コロナ禍で学んだのはしっかりしたマーケティングと事業構造改革を進めれば貨物事業は一定以上の利益が出る。

利益を生む航空貨物のマーケティングとはどんなものなのか、その実例を見せてもらいました。

ANAカーゴ
南埜直樹さん

特殊な貨物、例えば競走馬などを運ぶ際に馬主や獣医が一緒に移動できるよう貨物室にも座席がある。

相内優香キャスター

通常の貨物機にはない?

ANAカーゴ
南埜直樹さん

B767型(中型)機にはなくて、B777型(大型)機に初めて付けた。

付加価値の高い貨物サービス

付加価値の高い貨物サービスで荷主に対しての知名度も上げていく戦略です。

アフターコロナを見据え回復基調にある業績に対してコロナ前の水準には程遠い株価については…

相内優香キャスター

いまの株価への受け止めは?

ANAホールディングス
芝田浩二社長

トップライン(売上高)が向上基調にあるので業績回復してEPS(1株当たり利益)を高める。
マーケットの流れで株価がフラクチュエイト(変動)するのではなく本当に筋肉質な企業だということを評価される、回復を示すことが先決。

-Marketリアル, ビジネス関連, モーニングサテライト
-