新型コロナによって冷え込んだ消費者心理ですが、回復の兆しが見えてきました。
東京都の飲食店に出されていた時短要請が解除されてから初めての週末を迎えます。
ハロウィーン目前のこの時期、本来ならたくさんの人達が繰り出します。
こちらは2年前の映像です。今では考えられないくらい街中に人が溢れていました。
そして、こちらは去年の様子です。コロナへの警戒モードが高まっていたこのともあって人出は少なく、ハロウィーンの混乱もほとんどありませんでした。
それでは現在の様子はどうなんでしょうか、渋谷には山本康平さんがいます。
こちらは渋谷センター街です。飲食店の時短営業が解除されたこともあって、コロナ前とはいきませんが人通りはかなり増えているように感じます。ハロウィーン前ではありますが仮装した人はそれほど多くありません。大きな混乱があったりは見られていません。
お酒ですが、「NO迷惑行為」と書かれていて、渋谷区では10月29日から週末にかけて路上での飲酒を禁止しています。完全に浸透しきっていない状態なので缶チューハイ片手という方もいますが、かなり路上の飲酒は減っているように感じます。
今年ならではの変化は何かありますか?
お昼にハロウィーンを扱う店に行ったところ、少し消費に変化が現れていました。
ドン・キホーテでは例年仮装用のアイテムを数多く販売していますが、今年はコロナの影響もあり家族と家で楽しむ人が増えているということで、自宅での装飾品に力を入れて商品数を去年の2倍にしています。
ドン・キホーテの広報を担当する橋本京子さん。
室内装飾品は10月の早い時期から売れ行きが好調で人気のあるものはもう品切れになっている物もある。
一方、子どもたちが家で楽しむ衣装などは売り場を2倍にして対応していました。
例年、ハロウィーングッズは前日や当日に売り上げのピークが来るということですが、お客様が混雑を避けるためか今年は10月に入ってすぐに売上が伸び始めたといいます。
子どもにとって大事な時間だと思うのでちょっと気分を味あわせてあげたい。
警察官(衣装)買った。
コロナもあるので公園で写真を撮るだけ。
もうちょっとしたらはっちゃけようかなと。
先程よりセンター街の奥に来ていますが、かなり賑わいが見えます。渋谷を見ても消費者の意識の変化が見られます。
10月29日にこうしたデータが発表されています。消費者の買い物などの意欲を示す消費者態度指数、10月は39.2となっています。この水準は去年の2月、新型コロナの感染が本格的に拡大する前の38.3という数字を上回っています。数字で見ても消費者に意識はコロナ前の数字に戻ってきているといえそうです。
全日本空輸株式会社
[blogcard url="https://www.ana.co.jp/"]
今までため込んできたものを一気に使うときが来た。
箱根などに2~3日行きたい。
北海道の洞爺湖でのんびりしたい。いいホテルに泊まって。
多くの声が聞かれたのが旅行消費。
午前8時過ぎの羽田空港。すでに多くの人で賑わっています。
コロナ禍の去年、ANAに入社した日高花恋さん。ここにきて初めて慌ただしい空港業務と向き合っています。
何かお手伝いできることはありますか。
チケットの発券がまだ…
10時25分です…
それではカウンターでお伺いしますのでご案内します。
間に合います?
緊急事態宣言も解除され、1日当たりの国内線の利用者数は大きく増加。
そのため…
時間が過ぎちゃってるので…
バーコードはお持ちですか?
それでは一度こちらでご案内させて…
搭乗時間ぎりぎりに空港に来るお客様の対応に追われることも増えたといいます。
閑散とした空港を経験したスタッフとしては嬉しい悲鳴です。
11月の勤労感謝の日や年末年始はすごくお客様が増えると思う。
お客様に混乱を招かないようにしっかりと案内していければ。
しかし、10月29日に発表した決算では…
ANAホールディングスの片野坂真哉社長。
上期はほぼすべて移動宣言が続いた。
旅客需要の回復が遅れている。
通気の業績予想を修正することにした。
4-9月までの大半が緊急事態宣言の発令期間となり旅客数が低迷。ANAホールディングスは今年4月からの1年間の業績予想について当初の黒字予想から一転、1,000億円の最終赤字になる見通しは発表しました。
また2025年度末まで自主退職や採用抑制などでおよそ9,000人の従業員を減らす方針です。
一方で明るき兆しも見え始めています。
全日本空輸のレベニューシェア部、宮川弘之部長。
左側が10月で右側が11月。
うなぎ登りに増えている。
行きたいところに行ける流れを大切にしていきたい。
緊急事態宣言の解除が決まった9月末を境に1日当たりの新規予約数は10倍に増加。
旅客需要を取り込むべく、急きょ臨時便をおよそ250便設定しました。
片野坂社長も10月以降の巻き返しに自信を見せます。
需要予測は進化していて、重症患者数やベッド数を見ながら予想している。
単なる希望的観測などではなくて、データに基づいた予測をするようになった。だいぶ進歩した。
特に第3四半期(10-12月)は確度が高いと思う。
11月に政府が移動を全面解禁というメッセージを出すと弾みがつく。
神奈川県の温泉地、箱根では10月29日は多くの観光客で賑わっていました。駅前の通りも車が長い列を作っています。
旅館にはお客様が戻って来ているのでしょうか。
箱根藍瑠の特長は15ある客室すべてに備わっている露天風呂。
箱根藍瑠の渡辺健支配人。
他のお客様と接することなく温泉を満喫できる点は最大の強みになっている。
緊急事態宣言が解除されたことを受けて10月はすべての日が全室予約で埋まりました。
さらに年末年始も…
今のところ12月30日に2部屋空いているがそれ以外は満室。
昨年はGoToトラベルの割引などがあり、昨年のペースト比較すると少し遅いと感じる。
それでも例年と比較して同等くらいまで戻ってきている印象。
2021年度下半期の景気回復について専門家は…
第一生命経済研究所の経済調査部、永濱利廣主席エコノミスト。
仮に行動制限が完全に解除されれば210億円程度1日当たり消費される。
ひと月で計算すると6,300億円くらい。
不安要素も残っています。製造業の活動状況などを表す鉱工業生産指数が10月29日に発表され、9月は89.5と前の月と比べて5.45下がりました。
新型コロナの感染拡大で東南アジアを中心に経済活動が制限され、素材や部品の供給が滞ったことが主な要因です。
住宅設備大手のLIXILではトイレ商品の納期が遅れているといいます。
LIXILの瀬戸欣哉社長。
特定の商品に関して納期が戻るのが1月というものがある。
これまで製造業などの回復が進む一方、サービス関連業の戻りが遅れる「K字回復」が指摘されてきましたが、今後の見通しは…
輸出関連産業は中国経済の原則などで少し回復の力が弱まる一方で、内需については行動制限の緩和によってサービス関連産業が回復してくるから今後はK字回復の格差縮小という方向に向かうと思う。