マッチングアプリにインターネット交流サイトのSNS、女子会などの食事会、そして社会人サークル。交流関係を広げるために活用している人も多いのではないでしょうか。ところがこうしたものが連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法の勧誘手段に使われ、トラブルになることが増えていることから消費者庁はパンフレットを作り、注意を呼びかけています。
その消費者庁は10月14日にこうした手段を使い、社名を明かさずにお客さんを勧誘したなどとして健康食品や化粧品、家庭用品などを販売する日本アムウェイに対し、6ヵ月の取引停止命令を出したと発表しました。
日本アムウェイ 一部業務停止
社名隠し勧誘など違反行為
消費者庁
取引対策課
千島晴雄さん

日本アムウェイ合同会社に対し、連鎖販売取引の一部等を6ヶ月間停止するよう命じた。
消費者庁から取引等停止命令を受けた日本アムウェイ。健康食品や化粧品などの日用品の販売をしています。
日本アムウェイのビジネスモデルは会員となった人が新たな会員を勧誘して商品を販売することで報酬を得る仕組み。連鎖販売取引と呼ばれるマルチ商法です。
それ自体は合法ですが、いくつかの禁止事項があります。
今回、日本アムウェイが処分されるに至った禁止事項とは…
日本アムウェイの会員Zはマッチングアプリで知り合ったAさんを食事に誘い出します。
そこで知り合いが近くでサークルをやっていてAさんにも参加して欲しいと告げ、一般人が出入りすることがない建物に連れていき、その場にいたYからフェイスマッサージを受けました。
ZとYはマッサージで使用した化粧品の購入を執拗に勧誘。
恐怖を感じたAさんは最終的に会員登録した上で購入してしまいました。
こうした行為が特定商取引法違反にあたると消費者庁は判断しました。
組織的な関与は…会員が激白
「セミナー会場に職員もいた」
こうした違反行為は組織ぐるみで行われていたのでしょうか。
最近、会員になったという20代の男性は…
20代の男性会員

最初、勧誘とは伝えられず食事会に招待された。
後日、人生相談のセミナーにも招待されて、そこで初めてアムウェイのイベントだと伝えられました。
その後に行われた販売に関する説明会では…
20代の男性会員

アムウェイの会社のビルで行われていたり、その場にアムウェイの職員がいたり、黙認という形をとっていたという表現が適切なのでは。
今回の処分を受けて日本アムウェイは…
日本アムウェイ

勧誘に関する新しい要件の明文化を進めるとともに、全国の会員を対象に講習会を行い、コンプライアンスの強化を進めていく。
こうしたトラブルを避けるために気をつけなければいけない点は…
若者の詐欺被害に詳しい
神野直弘弁護士

自分が信頼している人や仲良くしている人からの勧誘でも自分がお金を出すことへの勧誘には冷静に一歩引いて話を聞く。
その場で即決しない。お金を出さない。