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[WBS]2四半期連続でマイナス!アメリカ 4-6月GDP 0.9%マイナス

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アメリカの実質GDP(国内総生産)の速報値が発表されました。4-6月期のGDPは前の期と比べて年率換算で0.9%のマイナスとなりました。マイナス1.6%となった1-3月期に続いて2四半期連続のマイナス、一般的に景気後退局面といわれる状態となりました。アメリカの景気の実態はどうなっているのか取材しました。

アメリカ急速な利上げ 企業に打撃!先行き不安…従業員解雇

アメリカ東部、マサチューセッツ州にある小さな町ストートン。町外れの倉庫街を訪ねました。

この地域で塗装店「レベル ファイブ ペインティング」を営んでいるジョージ・オリーキさんです。

塗装店を営む
ジョージ・オリーキさん

ちょうど住宅向けのシャッターを塗装していたところだ。

オリーキさんはブラジルからの移民。塗装店を2014年に創業しました。一代で会社を成長させ現在従業員は18人。家の内装や家具などの塗装を専門としています。

低金利による住宅需要の拡大を背景に順調に売上を伸ばしてきたオリーキさん。しかし今、ローン金利の上昇などから住宅の購入者が減り、仕事量が減っているといいます。

塗装店を営む
ジョージ・オリーキさん

夏は塗装需要がピークのはずなのに仕事の相談件数が減っている。

番組スタッフ

どの程度減ったか?

塗装店を営む
ジョージ・オリーキさん

前年比15~20%ほどだ。

その背景にあるのが…

FRB
パウエル議長

労働市場のひっ迫とインフレの高止まりは明白だ。
われわれは政策金利を0.75%引き上げた。

アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)による急速な利上げです。27日も通常の3倍にあたる0.75%の利上げに2会合連続で踏み切りました。

アメリカでは金利が急上昇しているため住宅などの需要が落ち込み始めています。

オリーキさんは今年創業して初めて売り上げが横ばいになると見込んでいます。コストの増加も業績に追い打ちをかけます。

ニューヨーク支局
森礎人記者

こちらの塗料、ドアや家具などに使われますが35~60%ほど値上がりしているそうです。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり、石油を原材料とする塗料の価格は高騰しているのです。

また6台ある業務用トラックのガソリン代が増加していることも業績を下押ししています。

塗装店を営む
ジョージ・オリーキさん

毎月のガソリン代が1,200ドル(約16万円)から2,100ドル(約28万円)近くまで上昇した。
これを「景気が悪い」と呼べないなら何と呼んでいいのか分からない。

先行きへの不安を抱えるオリーキさん。新型コロナの感染拡大で仕事が全てなくなったときも従業員を誰一人も解雇しませんでしたが、今月2人の従業員を解雇さざるを得ませんでした。

塗装店を営む
ジョージ・オリーキさん

中小企業はこの景気後退のあおりを最も受けるだろう。
大企業も従業員はいるが中小企業よりも打撃を吸収できる。

アメリカの中小企業の先行き景況感は6月におよそ9年半ぶりの低水準となりました。専門家は経営者の多くが今後の売上の鈍化や原材料コストのさらなる増加に不安を感じているといいます。

インディアナ大学
デービット・オードリッチ教授

足元では一部の中小企業が経営が危機的、または破綻している。
中小企業はすでに景気後退入りの警鐘を鳴らしている。

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