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[WBS]アメリカ中間選挙まで4ヵ月!急増する不法移民で深まる分断

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アメリカではバイデン大統領の信任を問う11月の中間選挙までおよそ4ヵ月となりました。その大きな争点の一つが急増する中南米などからの不法移民の問題です。反移民を掲げる共和党のトランプ前大統領を支持する勢力が勢いを拡大する中で分断が一層深まる現場を取材しました。

アメリカ 急増する不法移民・・・・

中間選挙でトランプ旋風も!?

アメリカ南西部アリゾナ州。メキシコとの境界にはトランプ前大統領によって築かれた巨大な国境の壁が。高さはおよそ9メートル、不法移民の侵入を拒む強靭な作りです。壁のアメリカ側では不法移民を探す国境警備隊の隊員がパトロールにあたっています。

しかし、その場を立ち去ると…

村井勇太記者

いた。国境の壁を超えていま移民と思われる人が入ってきました。

近づいてみると…

村井勇太記者

こちらは通常、水が通る水路ですがその奥を覗いてみると壁に隙間があります。

水の流れを確保するために空けている扉のわずかな隙間を通り入ってきたのです。

不法移民が後を絶たないことに恐怖を感じているのはこの周辺で牧場を経営するジョン・ラッドさんです。

牧場経営者
ジョン・ラッドさん

以前、不法移民に撃たれたことがある。あれは怖かった。
不法移民に殺された友人もいる。

不法移民との遭遇によるストレスで牛の体重が減り、売り上げが2割減少しました。

トランプ前大統領が推進した壁の建設などで一時は減っていた不法移民。しかし、移民に寛容な姿勢を示すバイデン大統領の就任以降、その数が急増。ラッドさんは憤りを覚えています。

牧場経営者
ジョン・ラッドさん

トランプ前大統領は多くの問題があったが移民問題を最重要とし、成果も出した。

反移民の政策を掲げ躍進する勢力があります。トランプ氏の支持を取り付け、秋の中間選挙でアリゾナ州知事を目指す共和党のカリ・レイク氏です。

アリゾナ州知事選
共和党
カリ・レイク候補

州知事になったら移民をすぐさま送り返す。
アリゾナ州を通れないことを分からせるのだ。

支援するのはトランプ前大統領の支持者たちです。

共和党支持者

もし移民の1パーセントが犯罪者やテロリストならこの国で何をするか分からない。

レイク氏は共和党予備選の世論調査で現在1位に。州知事の座を狙う位置にいます。

アリゾナ州知事選
共和党
カリ・レイク候補

移民への怒りで有権者たちは大挙して投票にやって来るだろう。
共和党は中間選挙で津波のごとく勝利し、アメリカとアリゾナ州を取り戻す。

バイデン大統領に"救い"求め殺到!?

一方、アリゾナ州西部の国境周辺では、明け方に大量に人たちが壁の向こう側を走ります。そして壁の建設が止まっている場所からアメリカへと流れ込んできました。

中米のニカラグアから2ヵ月かけてやって来たという家族。父親はアメリカに到着するやいなや子どもを抱き抱え泣き出してしまいました。

ニカラグアから来た人

政治のことで国から弾圧を受けた。
バイデン大統領がいるから来た。
彼は移民にチャンスを与え、困っている人を助けてくれる。

経済や政治に不安のある国からバイデン大統領に助けを求めてやって来たのです。この日、この場所だけで300人近くがアメリカ側に入りました。移民たちはまず施設へと運ばれ犯罪歴や亡命と判断できるのかなどの確認が行われます。今年、この地域に入った移民の数だけでおよそ13万7,000人とトランプ前政権下の2018年と比べ12倍に急増。

しかし、周辺の住民からは移民を受け入れるべきとの声も上がっています。

住民

この街に住む多くのヒスパニックの人は同じように亡命してきた、そして友人だ。

住民

より良い生活を求めることを責められるか。
亡命をしてきたほとんどの人が許せないような厳しい状況下で暮らしている。
アメリカンドリームを求めてやって来るのだ。

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