アメリカの中間選挙でひとつの争点となっているのが人工妊娠中絶をめぐる問題えす。女性の中絶の権利を守るべきとの立場を取る与党・民主党は女性からの支持を集めています。劣勢とされてきたバイデン政権に追い風が吹くのでしょうか。
「女性有権者」が民主党を救う?
アメリカ東部バージニア州のジョージ・メイソン大学。この日、開かれていたのは…

皆さん、登録は済ませましたか?
中間選挙の投票に必要な有権者登録のイベントです。
今回の選挙が初めての投票という学生など多くの人が集まっていました。なかでも目立つのが女性です。
なぜ今回の選挙に積極的なのか、投票の動機について聞くと…

特に関心があるのは中絶の問題だ。女性として自分の体に関する権利を守りたい。

中絶の判決にあまり満足していない。元の通りに戻したい。
人工中絶の是非をめぐる意識の高まり。
今年6月、アメリカの最高裁は人工中絶の権利を認めた判決を覆す判断をしました。これを受け、各地で女性の登録者の数が急増。
中間選挙まで3週間を切りましたが、イベントの主催者はある変化を感じるといいます。
有権者登録イベントの主催者
アリーナ・ブレダさん

女性の選択権に影響を与えた判決でボランティアにも若いメンバーが増えた。
特に女性はこの問題が自分たちの人生だけでなく、将来の家族や友人の人生に影響を与えることを理解している。
女性によるうねりともいえる動きは首都ワシントンでも。
ワシントン支局
中村寛人記者

女性の権利を守ろうと中間選挙での投票を呼びかける大規模なデモが行われています。
集まったのは女性の有権者を中心におよそ1万人。人工中絶の権利を守るべきとの立場を取る民主党への投票を促すプラカードが目立ちました。
女性の投票次第で民主党が劣勢とされてきた選挙情勢に影響をもたらすとの見方もでる中、実はいま人工中絶をめぐる論争以外でも民主党への追い風が吹き始めています。
もともと共和党のトランプ前大統領の支持者だったという女性。
元共和党支持者
ブリタニー・コースターさん

2017年後半が大きな変化となった。トランプ氏の「暴言」が過激化した。
多くの女性はトランプ氏から離れていった。
過激な発言を続け、社会の分断を深めたとの見方もあるトランプ氏。
コースターさんは中間選挙では民主党の候補に投票するといいます。
歴代大統領の支持率を女性の有権者に限って比べた場合、民主党のオバマ氏やバイデン氏に比べ、トランプ氏の支持率の低さが際立ちます。
トランプ氏が推薦する候補は女性有権者だけでなく、共和党穏健派も離れているとの指摘も出ています。
コースターさんは投票行動を通じて女性が自らの意思を示すことが大切だと強調します。
元共和党支持者
ブリタニー・コースターさん

平等な権利のために投票するのか、社会保障を守りたいのか。
もし答えが「イエス」なら民主党に投票することを検討すべきだ。