ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]アマゾン成長鈍化!新たに"労働問題"浮上

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アメリカでは28日に巨大IT企業の今年1-3月までの決算発表がありました。アップルの売上高はおよそ12兆6,500億円で1年前と比べ8.6%増え、1-3月の3ヵ月として過去最高となりました。主力製品iPhoneの売り上げが5%以上増えています。またアマゾンはおよそ15兆1,400億円でこちらも1-3月までの3ヶ月として過去最高です。

ただ先行きについては懸念も出ています。

アップルは半導体不足と中国のゼロコロナ政策をめぐる混乱で次の4-6月までは業績が下押しされる見込みと発表しました。またコロナ禍のネット通販需要で大きく伸びてきたアマゾンも経済活動の再開で環境は変化しつつあります。アマゾンの売上高の伸びは大きく鈍化しています。成長に陰りが見える中、アメリカではアマゾンに新たな課題も浮上しています。

アメリカ アマゾンで労働組合結成!「時給30ドル」求める

4月1日、ニューヨーク市。

アマゾン労働組合
クリスチャン・スモールズ代表

われわれは労働組合を結成すつ。もう仕事を辞める必要はない。
人々が団結した時に出せる力の典型例だ。

物流倉庫の従業員による投票でアメリカのアマゾンで初めてとなる労働組合の結成が決まりました。

そしてこの動きがさらに広がりを見せているのです。

ニューヨーク支局
村井勇太記者

私の後ろにあるのが先日労働組合の結成が決まったアマゾンの物流倉庫です。
その決定を受けて目の前にあるこちらの物流倉庫でも労働組合結成の動きが活発になっています。

組合結成を目指す理由の一つがアメリカで急速に進む物価の上昇です。

3月の消費者物価指数は1年前と比べ8.5%上昇し、およそ40年ぶりの高い水準となっています。

この物流センターでは従業員の多くが時給18ドル台で働いているといいますが…

記者

時給18ドルで現在のインフレ下で十分か?

従業員

いいえ。インフレが進む中で十分ではない。

さらに従業員たちが感じているのは広がり続ける経営層との格差です。

アンディー・ジャシーCEOの去年の報酬総額はおよそ276億円。なんと従業員の6,474人分に相当します。

従業員

アマゾンが稼げるのはわれわれの労働があってこそ。
公平な関係で経営者は労働者を大切にするべきだ。

組合側は時給を30ドルに引き上げることなど待遇の改善を求めています。

一方で会社側は…

組合がわれわれの従業員にとって最善の策ではないと考えている。

機関投資家もこうした労働問題に関心を寄せています。

アマゾン株を運用するニューヨークの公的年金は従業員の保護が不十分として一部取締役の再任に反対すると表明したのです。

さらに現場にはアメリカ民主党の重鎮、サンダース上院議員も、訪れ組合結成を後押ししています。

アマゾン労働組合の代表がテレビ東京の取材に応じました。

アマゾン労働組合
クリスチャン・スモールズ代表

アメリカ全土から連絡を受けていて、その数は日々多くなっている。
エッセンシャルワーカーとして扱われていないことに黙っていない。
労働者に力を取り戻すための戦いだ。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-