客足が完全には戻らず苦境に立たされている外食産業で新たな挑戦を始めたレストランの店を救うアイデアを取材しました。
50パーセント以上客足が減った。
外出自粛で会食の需要が激減した人気のレストラン。
新たに打ち出した巻き返しの一手とは?
Albero Nero(アルベロネロ)
[blogcard url="https://www.alberonero.jp/"]
東京・白金台。通りに面したビルの地下1階。
イタリアンレストランのアルベロネロ。料理とワインが売りの高級店です。
店の看板メニューはTボーンステーキ。
1kg以上の肉の塊を骨付きのまま豪快に焼き上げる。
ワインとピッタリで最高です。
会食で利用されることが多いというこちらも店。がっつりとお肉が楽しめると人気です。
しかし…
アルベロネロの黒木論一オーナー、
3月に入ってから法人の会食需要がものすごく減った。
50パーセント以上客足が減った。
外出自粛で需要が大きく落ち込んだレストラン。
店を救ったアイデアとは?
本格的なイタリア料理が楽しめるアルベロネロ。
看板メニューのTボーンステーキを頼んだお客様は、
いつもTボーンのコース。間違いない。
気持ちはフィレンツェ。
今ではお客様の入りも7割程度に回復したものの3月には5割以下と落ち込みました。
そこでTボーンステーキをネット通販で販売。珍しい食材だと人気に。
さらに、
8月からオンライン会食用のワインと料理のセットを販売する取り組みを開始。
目をつけたのはオンラインでの会食需要。
お客様がいない営業時間外、厨房を尋ねると忙しく調理を始めていました。
馬場浩二シェフ、
こちらはトリッパとギアラのトマト煮込み。
もつ煮のトマト煮込みバージョン。
お客様が戻ってきた今は店の休憩時間を利用して通販用の会食セットを作っています。
山形豚の肩ロースを使ったテリーヌ。
レストランの味をそのまま家庭で楽しめる。
出来たての料理はすぐに真空パックに。
そして料理に合うワインと一緒に箱詰めして翌日に配送です。
自宅で開けて皿に盛ればすぐにレストランの味が楽しめます。
オンライン会食狙いは見事に的中。実は10月末の時点で1ヵ月待ちという見えない行列を作っています。
1ヵ月待ちのもう一つの理由、それは大量生産をしないから。
そこにはレストランならではのこだわりがありました。
北原薫店長、
たくさん作って保存したらレストランの味にはならない。
工場のようにたくさん作ることはやっていない。
こちらではある会社の社員が同僚とオンライン会食を開いていました。
全員の手元には幹事が発注したあの会食セットが。
トレンダーズの橋本菜々子さん、
リアルにお会いする会食にお誘いするのが難しくなっている。
オンラインで飲みませんかとお誘いする方が誘いやすい。
トレンダーズの安田祐也さん、
オンラインで距離感とかつかめない中、食事でつながれることはいいこと。
オーナーの黒木さんもオンライン会食に手応えを感じています。
オンライン飲み会を利用したお客様から非常に嬉しいコメント、お便りをメールでいただいた。
すごい豪華なおつまみが届いて嬉しいです。
購入者からの評判も上々のようです。
ネット通販のサイトでもリモート飲み会やオンライン会食といったコーナーが続々と誕生。
市場も広がりを見せています。
飛沫が飛ぶ、何か心配をしながらご飯を食べる、ワインを楽しむということがまったく気にせず一つの空間の中でできるのがオンライン。
人とつながれる。そういう意味では非常にいいやり方。
コロナ禍で変わる飲み会や会食のかたちにどう対応するか、苦境の外食産業で生き残りをかけた挑戦が始まっています。