岸田総理大臣は7月14日に記者会見し、電気代や食料品価格に焦点を当てた物価高対策を早急に実行に移すと強調しました。7月中に5兆5,000億円の予備費からの支出を決定する方針です。暮らしに直結する物価高ですが私たちが感じる負担はより重くなっています。
安部元総理の国葬今秋実施へ!物価高対策へ月内予備費
岸田総理

この秋に「国葬儀」の形式で安部元総理の葬儀を行うことと致します。
会見の冒頭、岸田総理は選挙中に銃撃で死去した安部元総理の国葬を秋に行うことを表明。暴力に屈せず民主主義を断固として守り抜くとの決意を示しました。総理経験者の国葬は1967年の吉田茂元総理以来で極めて異例です。
会見では国民生活に大きな影響を与えている物価高を取り上げ、対策を強化する姿勢を強調しました。
岸田総理

エネルギー・食料品に関して具体化を指示した対策を早急に実行に移す。
迅速に支援をお届けする。
物価高対策として政府は食料品価格の上昇につながる肥料コストを抑える仕組みを整えます。
さらに電力需給ひっ迫の緩和と電気代の負担軽減の両方に対応する枠組みを新たに設置。財源については7月中に5兆5,000億円の予備費からの支出を決定しました。同時に安定的な電力供給をめぐり需要が高まる冬に備えて原発を最大で9基稼働させるよう指示しました。
物価高でもイオンは夏セール!夏用寝具 肉など割り引き
小売りの現場では物価高にどう対応しようとしているのでしょうか。

「イオン 超!ナツ夏祭り」スタート。
イオンは7月15日から4日間、夏のセールを実施。
角谷暁子キャスター

こちらにセールになる商品が並んでいますが、水着や浴衣、そして接触冷感の寝具など夏に向けた商品が揃っています。
こちらの寝具は通常価格の2割以上値下げ。エアコンも1割引きで販売します。
角谷暁子キャスター

食品もセールになります。夏にピッタリのすいかやスタミナがつくお肉も安くなるということです。
最大で4割引の商品もある今回のセールはイオンおよそ350店舗で開催。この時期にセールを行うのは初めてということで物価高で財布の紐が固くなりがちな今だからこそセールの意味があるといいます。
イオンリテール
伊藤竜也営業企画本部長

物価高や電気代の高騰で家計の負担は非常に増えている。
安い商品が欲しいという声も当然ある。
夏に活躍する商品をお値打ち価格で購入いただくのはお客様にとっても、われわれにとってもメリットがある。
お客さんからも…
角谷暁子キャスター
セールがあるのはどう?

お客さん

うれしい。
少しずつ値段が上がっている気がするが必要なものはどうしてもあるので。
お客さん

セールはありがたい。値上げで買うのを控えるものもあるので。
欲しいものが安かったらいいかな。
物価高 サーモンは18%上昇!消費者の"体感物価"重く…
こちらは都内に住む主婦の平塚千晶さん。物価高にどう対応しているのでしょうか。
平塚千晶さん

買い物をしていても値上がりを実感することが多くなってきた。
平塚さんは長年家計簿をつけていて価格の動向には敏感です。きょうスーパーで買ってきた商品を見せてもらうと…
平塚千晶さん

特に肉とかは上がっている感覚はある。
例えば国産鶏もも肉、きょうの価格は850円ですが3週間ほど前だと790円。8%ほど値上がりしています。
平塚千晶さん

しばらく鶏もも肉だけはそんなに高くなっていないという安心感があった。
肉に関しては聖域なくいろいろなものが値上がりしている。
さらにサーモンは100gあたり398円ですが、5月末と比較して60円、およそ18%値上がりしています。
ほかにも玉子は4月に比べ7%値上がりするなどさまざまな食品が値上がりしています。
平塚千晶さん

眼の前のきょう・あした、何買おうかなというものが割と値上がりしている。
10~20%、今週も値上がりしているという感覚で見ている。
いまは割高なものを買わないようにしてなんとか予算内でやりくりしているといいますが、今後も値上がりが続けばそれも限界だといいます。
平塚千晶さん

今のところ価格がここで落ち着くというところがまだ見えない。
どこまで耐え切れるかなと少し不安に思うときがある。
"月1回購入"価格は5%上昇!"体感物価"今後も上昇!?
消費者が体感する物価高は加速しています。消費者物価指数は1年前と比べて2.5%の上昇ですが、食パンは9.4%、輸入牛肉は11.3%、キャベツに至っては40.6%それぞれ上昇するなど購入する頻度の高い食品やエネルギー価格が上昇しているのです。
この1ヵ月に1回以上購入するものに限ると上昇率は5%に達しています。
専門家はその要因について…
ニッセイ基礎研究所
斎藤太郎経済調査部長

頻繁に購入する食料品は日本は自給率が低い。
世界的に資源・穀物価格が高騰していて、その影響を大きく受けた。
さらに円安も進行しているため今後も物価の高騰は続くと指摘しています。
ニッセイ基礎研究所
斎藤太郎経済調査部長

日本は値上げのタイミングが遅く後ろにずれる。
これからも値上げの動きは続く。