
夏の猛暑に向けて心配な節電要請。政府はこの夏の電力需給ひっ迫に備えるため、7年ぶりに全国規模での節電を要請しました。
電気を安定的に供給するためにはどの程度の余裕があるかを示す「予備率」が最低3%必要とされていますが、この夏は東北・東京・中部の電力管内では3.1%、さらに冬は東京で予備率がマイナスに陥る可能性があります。
なぜこれほど厳しい状況になっているのでしょうか。
いくつか要因がありました。まず脱炭素の流れを受けて火力発電の休止や廃止が相次いでいること。さらに今年3月の福島県沖地震による被害で発電所の停止が長期化、またコロナからの経済活動再開で電力需要が増加していることも影響しています。
なんとか打つ手を考えなければいけませんが、そうした中、政府はどんな節電を想定しているのでしょうか。
家庭で節電を促すため具体的なメニューを準備しています。
例えばエアコンは室内温度を26度から28度にすることで節電効果は6%、またフィルターを2週間に1度掃除すると2.1%の効果があるといいます。
そのほか洗濯機や冷蔵庫など消費電力の大きい家電を中心に地道な節電を推奨されることになりそうです。
一方、大口利用者の企業では電力不足の回避に向けて早速節電の取り組みが始まっていました。
今後、私たちの生活にはどんな影響が出るのでしょうか。
節電要請で生活どうなる?
店舗は消灯キャンペーン開始
中垣正太郎キャスター

午後7時を過ぎました。イオンモールのロゴやガラスの部分は通常ですとライトアップされますが節電のため、いまはライトが消えたままになっています。
イオングループが6月8日から始めた屋外照明の一部を消すキャンペーン。全国およそ150ヵ所のイオンモールで8月まで実施します。
番組スタッフ
見て、気づいたことは?

お客さん

暗い。
やっている(営業している)のかな、そろそろ閉まるのかなと。
お客さん

さみしいが仕方ない。
一方、施設内では…
フードコートにはコロナ対策で設置した空気を循環させるサーキュレーターが。
中垣正太郎キャスター
政府の節電要請でこれも止まるのか?

イオンモールむさし村山
寺川守さん

節電要請があっても換気対策だけは100%しっかりやる。
およそ20台設置しているサーキュレーターなど換気のための設備は止めることができません。
政府は小売店などに対し照明を半分程度間引きすることを呼びかける見通しですが…
イオンモールむさし村山
寺川守さん

共有部の照明は25~75%と段階的に明るさを調整できるので対応する。
中垣正太郎キャスター
照明が暗いと売り上げへの影響は?

イオンモールむさし村山
寺川守さん

若干影響があるかもしれないが、明るさに負けない楽しいイベントや集客の取り組みを計画している。
省エネポンプで45%電力削減
こちらは6月10日に解禁される外国人客の訪日観光などに期待を寄せる都内のホテル「京王プラザホテル」。
京王プラザホテル 広報
杉浦陽子さん

さまざまな要因が電力不足につながっていると思うので致し方ない。
ロビーや客室などお客さんが利用するスペースでは節電が難しく、従業員の休憩スペースなどで照明をこまめに消すなど地道な努力を積み重ねています。
じつはこのホテルでは以前から抜本的な節電のためある設備の更新を行っていました。それがポンプです。
施設全体に冷たい水や温かい水を流して空調を管理するポンプを新しいものに変えたところ…
京王プラザホテル 広報
杉浦陽子さん

ホテル全体で最大60%、平均45%程度の消費電力量の削減につながっている。
このポンプを製造したのが創業100年を超えるポンプメーカー酉島製作所。
節電のカギはオーダーメイドにあるといいます。
酉島製作所
ファシリティ・ソリューション部
東功二部長

ポンプを新規で導入するケースでは非常に安全を重ねて作るケースがほとんど。
オーバースペックに作られている。導入後、運転を確認して施設に合ったものを提供するので、その場合かなり節電効果が出る。
新しい施設では問題が起こらないよう性能が高いポンプを導入することが多いため、その施設に見合ったポンプを導入することで高い節電効果が見込めるといいます。
ポンプは浄水施設や高層ビルなどさまざまな場所で24時間動き続けていて、日本の電力消費のおよそ3割を占めるといいます。
酉島製作所では大きな節電需要が見込めることから4月からポンプの切り替えを提案する専門の部署を設置して営業に力を入れています。
酉島製作所
ファシリティ・ソリューション部
東功二部長

ポンプの運転時間が長いところはたくさんある。そこを軸に取り組んでいければ。
火力発電所再稼働へ「準備」
家庭や企業の節電努力に加え、政府が対応策として想定しているのが休止している発電所の再稼働です。
老朽化により停止していた姉崎火力発電所は冬の電力不足に備え、今年1月に再稼働した実績がありますが、古い施設のためメンテナンスや交換部品の調達は簡単ではないといいます。
政府が求める再稼働への対応についてテレビ東京の取材にこう回答しました。
JERA 姉崎火力発電所
亀井宏映所長

再稼働は決まっていませんが稼働が決まった後、起動が間に合わないということがないように自主的にできる準備を進めています。
皆さまに電力を安定的に届けるためにも設備の不具合を確認するための試験や、すでに確認された不具合箇所を補修するなどの作業を進めています。