イオンリテール株式会社
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2016年6月にオープンしたばかりのスーパー、イオンタウン ユーカリが丘。
1階の食品売り場にはスーパーのイメージを覆す惣菜コーナーがあります。
「炭火焼チキン」に目の前で調理してくれる「焼きたてピザ」、そして串刺しの焼き魚「にしんの塩焼き」まで。
エビとブロッコリーのサラダを100g。
お客様は次々にお買い上げ。
デパ地下を目指したという惣菜コーナー。
種類は約700種類、メニューの開発はプロのシェフに依頼しました。
惣菜コーナーは食品売り場の約1割を占めます。
しかし、このお店の最大の特徴はほかにあります。
最大の特徴
イオンリテール株式会社のデリカ開発部長の西野克さんによると
出来立ての美味しい料理をあちらで食べていただく。
食品売り場の真ん中に広いイートインスペースを設置。
専用レジで惣菜だけを会計して、すぐに食べることができます。
利用客は
安くて済むし便利。
買い物の途中で食事を楽しむ人の姿もあります。
その場で温かいうちにパッと食べたりできる。結構利用している。
「イートインスペースがあるからイオンの食品売り場に行こう」、そのくらい価値があるスペースにしていきたい。今までは家で「作って食べる」「買って食べる」。今後は「食べて帰る」というニーズを取り込みたい。
外食需要
元々、内食、つまり家で調理するための食材を販売していたスーパー。
その後、単身世帯の増加や高齢化などで、惣菜や弁当などの中食が増加。
そして今、イートインスペースを拡充して、新たに外食需要も狙おうとしています。
その背景にあるのは、
単にモノを売っているというだけでは選ばれるスーパーにはならない。外食店でも惣菜でもなく、新しい環境をつくらなければならないので、このイートインを拡大している。
株式会社ファミリーマート
[blogcard url="http://www.family.co.jp/"]
実は一足先にイートインスペースを設置して外食需要も取り込もうとしたのがコンビニです。
埼玉県郊外、ちょっとしたカフェのようなイートインスペースのあるのはファミリーマート飯能日高団地店。
大人から子供まで地域の「憩いの場」になっています。
株式会社ファミリーマートの総合企画部、津瀬暁子さんは
従来、男性が弁当を買うというイメージが強かったコンビニに、女性が来てくれるきっかけになっている。家族や友達と集まってコミュニティースペースとして使ってもらっている。
株式会社ファミリーマートでは2017年度までにイートイン併設店を2,000店舗増やす予定です。
さらに生鮮食品や惣菜の種類も充実させスーパーマーケットに真っ向勝負をかけます。
「野菜はスーパーでしか買えない」「惣菜といえばスーパー」というところは、今後コンビニとして取り込んでいきたい。スーパーを意識してやっている。
株式会社いなげや
[blogcard url="http://www.inageya.co.jp/"]
一方、中堅スーパーの株式会社いなげや。
木更津市にあるいなげや木更津請西店の一角で打ち合わせをする人たちの姿があります。
全部で何席? 16? 12席くらい増える? ゆったりとコーヒーを飲むにはちょうどいいが、テーブルは食事をするには、もうちょっと高いほうがいい。
実は株式会社いなげやは138ある全店舗でのイートインスペース導入を目指しています。
その計画の旗振り役が成瀬直人社長です。
株式会社いなげやは4年連続で売り上げが拡大しているものの、スーパーマーケット業界全体では厳しい状況が続いています。
株式会社いなげやも攻めの戦略が必要だったといいます。
あらゆるものが競争に入っている。「胃袋争奪戦」と言っているが、1つの胃袋しか人間にはない。そこにめがけて各社いろいろ仕掛けをしているので、その中でわれわれも早め早めに仕掛けていかないと。
blooming bloomy
株式会社いなげやが次の一手としてイートインスペースに的を絞った背景には「blooming bloomy ららぽーと立川立飛店」の成功があります。
2015年、約60席のイートインスペースを設置。
この日は、子供連れの主婦やシニア層で席がほぼ埋まっていました。
利用客は
楽しみ、主人と来るのが。
他のお店はいっぱいあるが、いちいち並ばないで済む。食べ終わったら余分なもの(容器など)は、ここで処理できるから、うちに持ち帰らないで済む。年寄りにはそれが一番楽。
一番人気は常時約40種類ある「量り売り」の温かい惣菜です。
店内で焼き上げるベーカリー、スープコーナーまであります。
レストランのようなメニューがリーズナブルな値段で楽しめます。
店の裏では新商品の開発が行われていました。
10月4日から出す予定のサンドイッチです。
均等にコンビーフが並ぶように。お年寄りのお客様に受けがいいのでは。
リピート客を飽きさせないため、サンドイッチだけでも月に5回、商品を入れ替えます。
この店舗の惣菜の売り上げは他店舗に比べ約3割高くなったといいます。
成瀬直人社長は常に新たな価値を提供し続けない限りスーパーは生き残れないと語ります。
食事やメニューそのものを提案・提供するスーパーに変わっていく時代。変わらなければスーパーも生き残っていけない。食品スーパーのレストラン化も大いにあり得る。