今週ピークを迎えているのが企業の株主総会です。
経営方針や人事を決定する重要な場ですが、今年は新型コロナの影響でかつてない異変が起きています。

Zホールディングス株式会社
[blogcard url="https://www.z-holdings.co.jp/"]
例年、多くの株主が会場に詰めかける株主総会。
ところが今年は風景が一変。

石川瑠美記者、
こちらの建物ではヤフーを傘下に持つZホールディングスが株主総会を開いていますがご覧の通り人の姿はまばらです。

Zホールディングスは入場を20人前後に制限するという異例の呼びかけをしました。
その結果、会場に集った株主はわずか18人。

1800人ほどが詰めかけた去年と比べると一目瞭然です。

実は多くの企業が来場を制限しているのです。

つんつんさん
80社近くの株式を持つこちらの女性「つんつんさん」。

総会に出席し、経営者の話を直接聞いたり、お土産を貰ったりすることが楽しみだといいます。

見せてくれたのはNTTドコモからの通知。

「株主総会当日は来場をご遠慮いただきますよう強くお願い申し上げます」と書いてある。

2~3月に開催された株主総会ではこういう言い方はされてなくて。

来場を自粛してほしいとかお土産は廃止しているから来ないでほしいとは初めて。

株式会社アドウェイズ
[blogcard url="https://www.adways.net/"]
そんなコロナ禍で新たな株主総会に臨む企業がありました。

インターネット広告を手掛けるアドウェイズ。

本番を備える社内にWBSのカメラが入りました。
アドウェイズの岡村陽久社長、
普段は500人ぐらいこのフロアには出社している。

社員の9割以上が在宅勤務を続けるという異例の状況の中、株主総会をどう変えようというのでしょうか?


「バーチャル株主総会」を検討している。

実際に来た株主とネット参加の株主、全く同じ環境を用意したい。

その形がバーチャル株主総会。自宅など会場の外にいる株主もインターネットを通じて直接社長に質問できたり、当日の採決に参加できる仕組みです。

6月に株主総会を開催する上場企業はおよそ2,300社。そのうちアドウェイズのように総会当日に会場の外からでも採決に参加できるバーチャルで株主総会を開く企業はわずか9社にとどまるといいます。

株主総会を支援する三井住友信託銀行の斎藤誠さん、
参加する株主の裾野を広げる意味で非常にメリットがある・

しかし前例がないため全てが手探り。
原案に賛成の場合は拍手または賛成の投票を。

会場以外から採決に参加した株主の票を瞬時に集計できる体制を整えます。

議案の賛否が拮抗しているときは1票が結果を左右するためです。
新たな総会の運営を取り仕切る三上望さん。

大変だ。予想以上に。

段取りがなかなか組めない。

手元のシナリオには「5秒待って画面を閉じる」といった細かい段取りも書かれています。

総会をサポートするのは信託銀行の担当者。
三井住友信託銀行の久保雄太さん、
バーチャル出席者向けと会場の人向けの注意がわかりにくい。

バーチャル総会はノウハウも溜まっていない。

株主総会はやり直しがきかないから怖い。

そして6月23日正午過ぎ、本番を迎えました。


アドウェイズの株主、
いやー少ないですね。

こんなに人数を絞っているとは驚いた。

去年は200人以上が入れる会議室を借りていましたが、今年は普段社員が仕事をするオフィスフロアが会場。

同じ頃、アドウェイズの株主総会に自宅から参加する個人株主の久保圭太さんです。アドウェイズの元社員で現在は別の会社に勤めています。


事前に送付されたURLから名前と株主番号を入力してオンライン会議システム「zoom」にログイン。アドウェイズでは2段階認証で不正なログインを防いでいるといいます。
新株予約権の内容は…

初のバーチャル株主総会がスタート。
粛々と進む中、自宅にいる久保さんも…
政府からネット広告の規制案が発表されたが業績に与える影響は?

ありがとうございます。

そして株主総会の山場、議案の採決へ。
原案に賛成しただける場合は拍手を。

4つの議案全て順調に採決されました。

一方、本番で実感したことが…
今後これが一般的になったり参加者が増えた場合、課題になってくる。

来場した株主は9人、バーチャルで参加した株主は33人でした。

総会を終え、社長も手応えを感じています。
想定以上にうまくいってよかった。

来年はたくさんの株主が気軽に参加できるような株主総会にしたい。
