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[WBS] 世界が熱狂「eスポーツ」!FIFA世界王者の「神業」!?

2017年5月30日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

1月にアメリカ・ラスベガスで開かれた家電見本市の様子ですが、なぜか家電見本市なのにレーシングスーツを着た男性たちがいます。

彼らが何をしているかというとテレビゲーム。

実はいまゲームの大会は通称「eスポーツ」といわれて多額の賞金がかけられるスポーツ競技として広がりを見せています。

この「eスポーツ」の視聴者の数は世界で4,000万人を超えています。これはアメリカのメジャーリーグのMLBワールドシリーズ、バスケットボールのNBAファイナルよりも遥かに多くに人が見ていることになります。

もはやゲームの域を超えて世界中で盛り上がりを見せている「eスポーツ」が日本でも徐々に広がりを見せてきています。

アドバタイジングウィーク

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マーケティングとコミュニケーションの祭典が都内で始まりました。

オープニングイベントに登場したのは丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣。一体なぜスポーツの祭典を取り仕切る大臣が?

スポーツには世界と未来を変える力がある。

開会式で披露されたのは「eスポーツ」のエキシビジョンマッチ。

デンマークのeスポーツプロチームに所属するモハマド・バーシャ・アルバーシャ選手(18歳)。FIFA公認のサッカーゲームで現在、世界チャンピオンです。

対戦相手は日本のトッププレイヤーで東京ヴェルディeスポーツチーム所属のマイキー選手(29歳)。

今日はホームなので勝ちに行きたい。

しかし試合開始後、約1分。

ゴール!決めたのはチャンピオン!

実況も本物の試合さながら。

こうしたeスポーツは2022年に中国で予定されているアジア競技大会の公式プログラムに採用されています。

広告費や放映権などを含む市場規模は2020年には14億ドル、1,500億円を超える見通しです。

アドバタイジング・ウィーク・アジアの笠松良彦事務局長は、

欧米では優勝賞金1億円という大会はざらにあるし、世界の市場規模も1,000億円程度。アメリカや韓国ではプロリーグがありプロ選手がいるという状態。

USG Iridata

eスポーツ専門のプロチームとはどういうものなのでしょうか?

さまざまなキャラクターを使って敵を倒していくアクションシューティングゲーム「オーバーウォッチ」。

2016年7月に結成されたこのゲーム専門のプロチーム「USG Iridata」。

大会の時に着るユニフォームを見せてもらうと結成1年にもかかわらず約10社の企業とスポンサーやパートナー契約を結んでいます。

松島裕樹さん(26歳)は、

光熱費や家賃・食費などはチームから支払ってもらっている。少額ながら給料が出る。あとは海外や国内の大会での賞金。

ゲーミングハウスと呼ばれる部屋で2016年12月からメンバーの高校生1人を除き、一緒に生活をしながら毎日腕を磨いています。

佐久間隆さんは、

右手のマウスを使って的に照準を合わせるテクニックが必要。サッカーのシュート練習と同じで日々やることで精度を高めていく。

ゲームだけでなくランニング練習も。大会では1試合4時間以上に及ぶこともあり毎日3キロのランニングを実施しています。

彼らには専属マネージャーも存在しています。毎日の食事作りや海外チームとの練習試合の調整などを行っています。

チームリーダーの松島裕樹さんは過去7年ほどで500万円以上の賞金を獲得。2016年に勤めていた企業を辞めてプロチームに参加しました。

ただ賞金総額が2,000万円になることもある海外の大会で勝つことは難しく、このプロチームの活動に期待をかけています。

ゲーム大国といわれる日本だがプロシーンで見ると弱い国。その状況を打破したい。

ポルシェジャパン株式会社

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eスポーツをマーケティングに活用する動きも。

7月17日から2日間に渡りフランスで開かれる世界三大レースのひとつ「ル・マン24時間耐久レース」。

前回大会の覇者ポルシェはこの裏でゲームによる24時間耐久レースを開催します。その名も「フォルツァレーシングチャンピオンシップ」。

ゲーム大会の様子は銀座で中継されるほか、優勝者には賞金が与えられ、レース後には公式の授賞式で表彰されます。

毎年、ル・マンのレース後には来店客が増えるというポルシェ。今年はeスポーツの大会をル・マンと同時に開くことで、これまでアプローチしきれなかったファンの来客も増やしたい考えです。

ポルシェジャパンの七五三木敏幸社長は、

eスポーツそのものが仮想と現実をつなぐ橋だと思う。われわれが若年層の皆さんにコンタクトしていきたいという現れ。

さらにポルシェはeスポーツにこんな活用法も。

ゲームを行っているのはなんとポルシェの若手ドライバーです。ゲームを使って実際のレースコースの下見や車の操作の確認をしているのです。

若年のプロドライバーの育成や安全にそういうことができるのは非常に重要。

株式会社バンダイナムコエンターテインメント

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一方、eスポーツ人気をビジネスチャンスと捉える動きは日本の企業にも。

バンダイナムコエンターテインメントが5月29日オープンしたのはeスポーツを楽しむバー「eスポーツ TEKKEN BAR」。

シリーズ累計4,400万本の売上を誇る人気格闘ゲーム「鉄拳」の新作発売に合わせ鉄拳をプレイしたり、観戦したりすることができます。

会場では鉄拳のトッププレイヤー「pekos」さんとの対戦も、

瞬殺されてしまいました。

やられるだけでなく、トッププレイヤーからアドバイスを受けることもできます。

バンダイナムコはこうしたイベントを通し鉄拳をeスポーツとして広めたい考えです。

さらに視線は海外でも、バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘チーフプロデューサーは、

4,400万本のうち、95%近くが海外。

eスポーツの人気の高まりを受けて新作の鉄拳ではある仕掛けを作りました。

ディレクターが操作をしていたキャラクター、実は、

「豪鬼」という、もともとは「ストリートファイター」にいたキャラクター。

鉄拳と競合関係にあるカプコンのストリートファイターのキャラクターを特別出演させていたのです。国内ゲーム業界の日の丸連合で世界へ打って出る考えです。

このジャンルをもっと盛り上げたい気持ちが両方のメーカーにあるので、全員巻き込んで「競うって楽しい」ことを知らせて広めていこうと。

世界が熱狂するeスポーツ。日本でも旋風を巻き起こすことはできるでしょうか?

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