東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職事件で東京地検特捜部は10月19日に組織委員会の元理事を再逮捕するとともに新たに広告大手ADKホールディングスの社長らを逮捕しました。
東京五輪 汚職事件
広告3位の現役社長逮捕
贈賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたのはADKホールディングス社長の植野伸一容疑者と元事業本部長の多田俊明容疑者ら合わせて3人です。
植野容疑者らは大会のスポンサー募集を一手に担っていた電通の協力代理店に選ばれるよう働きかけてもらう見返りに組織委員会元理事の高橋治之容疑者に賄賂を渡した疑いが持たれています。
ADKは電通、博報堂に次ぐ広告業界第3位。一連の事件をめぐって広告会社の現役幹部が逮捕されるのは大広に続き2社目です。
トップが逮捕される事態にADKは…
ADKホールディングス

このような事態に至り、深くお詫び申し上げます。捜査に全面的に協力してまいります。
さらに大会をめぐる汚職事件はマスコットにも波及しました。
特捜部はマスコットのぬいぐるみの製造・販売を手掛けたサン・アロー本社などにも家宅捜索に入りました。
特捜部は組織委員会元理事の高橋治之容疑者を受託収賄の疑いで4度目の逮捕。
髙橋容疑者はADK側から自身が経営するコンサルタント会社におよそ2,700万円、知人が経営するコンサルタント会社におよそ2,000万円、サン・アロー側におよそ700万円を振り込ませた疑いが持たれています。
髙橋容疑者は知人のコンサルタント会社を賄賂の受け皿に利用し、現金を受け取ったとみられています。
髙橋容疑者をめぐる受託収賄のルートはこれで5つ目で、受け取ったとされる賄賂の総額は起訴された分と今回逮捕された分を合わせておよそ1億9,600万円に上ります。
特捜部は事件の全容解明に向け、捜査を進めています。