コロナ禍では意外なものが売れて、資産価値にも変化が起きていますが、おもちゃにも影響が及んでいます。
そのターゲットは大人です。
懐かしのおもちゃ市場を取材しました。
株式会社エーツー
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埼玉県にある町工場「イワコー」。
ここで作られていたのは、今から40年ほど前に大流行したスーパーカー消しゴムです。
出来栄えはばっちり。
ある人から注文を受けてすでに5万個製造したといいます。
イワコー創業者の岩沢善和さん、
よく売れていると聞いている。
誰が買っているのだろう。
スーパーカー消しゴムを発注した人を訪ねてみると、そこには本物のスーパーカーがずらり。
ソフトウェア開発の会社を経営する赤間保さん。
車を買い始めたきっかけがこの消しゴムを思い出したこと。
当時こういうので遊んでいた。
そんな懐かしいスーパーカー消しゴムを試しに作って売り出したところ、全国から注文が殺到したのです。
値段は4個で3,520円。
ブームが来ているくらい売れている。
一体なぜ懐かしいおもちゃが売れているのでしょうか?
先月開かれた鉄道模型や精巧なプラモデルが揃う静岡ホビーショーを覗いてみると…
プラモデル大手、タミヤのブースでは意外な商品に注目が集まっていました。
30年以上前のモデルをデフォルメしたラジオコントロールカーです。
1980年代、一大ブームを巻き起こしたラジオコントロールカー。少年たちの憧れの的でした。
友だちが持っていて格好よくて欲しかったが2万円を超えていたから諦めた。
過去のものが復刻して出てくると心躍る。
30年以上前に流行ったラジオコントロールカーがいま想定以上に売れているというのです。
タミヤの広報、山本曉さん、
テレワークの普及で自宅で過ごす時間が増えた。
昔作ったことがあるけれどしばらくやっていなかった人が「久しぶりに作ってみよう」とか「初めてだけどやってみよう」という人が増えている。
8,000億円台を続ける国内の玩具市場ですが、コロナ禍の巣篭もり需要で20年度はさらなる伸びを予測。
一方、世界トップ、中国の玩具の輸出額は前年比で7.5%増加。世界中でおもちゃが売れているのです。
今、おもちゃメーカーが狙うのはテレワークで時間に余裕ができた大人たち。
出版社のデアゴスティーニ・ジャパンが今月、満を持して発売をしたのがこの黒い車です。
80年代に大ヒットした海外ドラマ「ナイトライダー」。
主人公の相棒として登場する電子頭脳を搭載した車「ナイト2000」を1/8スケールで忠実に再現しました。
付属の腕時計のボタンを押すと、
気を付けてください、マイケル。
完成まではおよそ2年、総額20万円ほどかかりますが、創刊号の売れ行きは好調だといいます。
デアゴスティーニ・ジャパンのプロダクトマネージャー、鎌田奈那美さん、
当時、小・中学生の40代の人から「ついにこれが出たか」という熱い声をいただいている。
人気が爆発するのではないか。
一方、中古のおもちゃ市場にも異変が起きていました。
全国に62店舗を展開する駿河屋。
店長の渡邉裕介さんが見せてくれたのは、
マジンガーZ。
1970年代にヒットしたロボットのおもちゃです。価格はなんと25万円。
いま高額な中古のおもちゃが売れに売れているといいます。
フィギュアを含めて中古おもちゃは非常に需要が高まっている。
実際に売り上げは上がっている。前年比で20%。
中古のおもちゃ市場で一体何が?
駿河屋を運営するエーツーの本社では段ボールが山積みに。
これらは買取査定待ちの中古のおもちゃです。いま鑑定の依頼が急増していました。
これは景品として限定で99個作られたビックリマンのフィギュア。
24万~25万円の販売価格。
エーツーの商品部、宿島拓弥部長、
お金の流れとして株とか、こういう商品にも需要が流れて来て、資産価値として見直され、販売が伸びている。
コロナ禍で美術品のように中古玩具の資産価値も上がっているというのです。
こちらのポケモンカードは誤植が原因でプレミア価格が付いたといいますが…
買取価格はなんと110万円。
さらにこちらは5年前に20万円で発売された純金製のポケモンカード。
今、販売価格が500万円。
1,000万円を超える日が来るかもしれない。
コロナによる世界的な金余りで中古玩具の資産価値も高まっていくかもしれません。