621万トン、これは日本で1年間に発生する食品ロス、食べられるのに捨てられる食品の量です。
このところ食品ロスを減らす取り組みは広がりを見せていますが、まだ十分な効果が出ていないのが現状です。
こうした中、1月19日に新たな取り組みが始まりました。
キーワードは「お得」です。
株式会社99イチバ
[blogcard url="http://www.99-ichiba.jp/"]
1月19日、都内のスーパー「ミニピアゴ」で始まった食品ロスを減らすための実証実験。
賞味期限が近づいた商品を購入するとお得なサービスが。
金子律人記者、
実証実験ではスマートフォンの専用アプリを使います。購入した商品のレシートと賞味期限の部分を撮影して申請をします。
撮影した写真を専用のアプリで送信するとNTTドコモが展開するdポイントが受け取れます。
貰えるポイントは定価の20%相当で1ポイント1円として利用できます。
こうしたお得感をきっかけに賞味期限の近付いた商品を積極的に購入してもらう狙いです。
ミニピアゴを運営する99イチバの伊藤輝志社長は、
この店で1日に約1万円分の廃棄が出ている。それを半減したい。
グループ79店舗を合わせた食品ロスの総額は年間で約4億円に上り、ロスの解消は大きな課題です。
アプリを運営するドコモは店側とお客様の双方にメリットがあることが問題の解決に必要だといいます。
NTTドコモの第二法人営業部長、櫻井俊明さんは、
食品ロスを減らすと同時に「dポイント」も活用してもらう。ドコモ全体のビジネスも大きくなる可能性がある。
グラウクス株式会社
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食品ロスを活用したお得なサービスも広がりを見せています。
ネット通販サイト「クラダシ・ドット・ジェーピー」では約150種類の食品を最大96%引きで購入できます。
[blogcard url="https://www.kuradashi.jp/"]
定価1,550円のコーヒー豆は550円。冷やし中華は1袋145円が37円。
格安の理由をサイトを運営するグラウクスの関藤竜也社長は、
賞味期限が短くなるなど、まだ未開封で食べられるのに大人の事情で店頭に並ばなかったものを取り扱っている。
実は食品の流通業界では、賞味期限が3分の1過ぎると新品であっても納品ができないという商習慣があります。
そこでサイトで売り上げた一部をNPO法人などに寄付。はっきりと社会貢献を打ち出すことで業界に縛られるメーカーの出品を促しました。
豊富な品ぞろえで会員数は4万人を突破。現在も増え続けています。
自分のために買ったものが人のためになる。より多くの方に知って使ってもらうこと自体が食品ロスの削減につながると思う。
ビストロレンチン
食品ロスゼロ、お客様のお得を両立させるため思い切った店もあります。
人気メニューは「沖縄豚の塊燻製ローストポーク(1,500円)」。手が込んだメニューに見えますが、キッチンにはどこにもコンロが見当たりません。
一体どうやって調理をしているのでしょうか?
加藤玲那店長は、
うちの店は電子レンジで調理しています。
約30種類のメニューに使われる食材はすべて冷凍かチルドのもの。
1食ごとに解凍をするため食材を腐らせて廃棄することはゼロだといいます。
お味はどうでしょうか?
お客様は、
美味しいです。面白い。
普通の料理だったからびっくり。
このレンチンメニュー、お客様にもメリットがあります。
山本周平オーナーは、
飲食店は食品ロスを考えた上で食材を発注しないといけない。この店は食品ロスを踏まえた上で価格設定しない。その分、安く提供できる。
お得を実感しながら食品ロスを減らす取り組み。これから増々進化していきそうです。