ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS] 三菱自動車工業「存続の危機」どう乗り切る?

2016年4月28日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

三菱自動車工業株式会社

[blogcard url="http://www.mitsubishi-motors.co.jp/"]

EKワゴンなど4車種の軽自動車、62万5,000台の燃費データ改ざん問題で三菱自動車工業株式会社が今後、どのくらいの金銭的負担を強いられる事になるのか?

ガソリン代の補償
実際の燃費はカタログ数値より悪く購入者はガソリン代を余分に負担したことになります。
1台当たり4.8~9.6万円
ユーザーへのお詫び代
1台当たり1~5万円
エコカー減税分の返還
エコカー減税の対象基準に満たさないことが確定した場合、減税した分の返還
1台当たり1~2万円
日産自動車株式会社への補償
対象車種の売上減少の補償
400~500億円

これらの数字を合わせると最大で1,500億円にもなります。

この金額は三菱自動車工業株式会社が明らかにした62万5,000台だけを対象に試算された金額です。

その他にも不正な手法の走行試験で燃費データを取得した自動車が200万台以上ある可能性も浮上しています。

この200万台以上にも補償が発生する可能性もあり、補償金額はさらに膨らむ可能性が残っています。

記者会見

4月27日、東京都内の三菱自動車工業株式会社の本社で開かれた記者会見。

会場では燃費不正の問題で今後支払うことになる補償金に関する質問が相次ぎました。

田畑豊常務は

期末(3月末)時点で4,600億円の現預金がある。財務体質としては強い。

前年度までに回復した業績で補償金の支払いは可能だといいます。

しかし現預金の中から補償金や違約金に回せる上限は?という質問に対して相川哲郎社長は

これからどのくらいかかるのか残念ながら全体感をつかめていない。

支払い能力があるという一方、補償金の総額は見通せていない状況です。

さらに田畑豊常務は

金融機関とはメーンバンクに限らず現状を説明して場合によっては必要な調達をお願いする予定だと伝えている。

追加の融資を受ける可能性も言及しています。

自己資金だけで足りるのか、融資が必要なのかは三菱自動車工業株式会社にも分かっていない状況です。

成長投資や会社の維持費を差し引くと4,600億円のうち、いくら使える余地があるかの質問に田畑豊常務は

一般的に必要な運転資金は売り上げの1ヶ月分くらいが目安。金額についてはこの場では答えを差し控える。いま言ったベースで考えてもらえれば。

中西考樹代表

[blogcard url="http://www.mitsubishi-motors.co.jp/"]

三菱自動車工業株式会社がこの難局を乗り切れるのかは、問題が軽自動車だけに留まるのか不明な現状では楽観できないと言います。

株式会社ナカニシ自動車産業リサーチの中西考樹代表は

この問題が他の車種の不正に発展する、あるいは1991年からの違法な検査方法、これがきわどい結果につながった場合は三菱自動車工業株式会社の状況はきわどい。

リコール隠しによる経営危機の時は三菱重工業株式会社や三菱商事株式会社などグループ会社から巨額の金融支援を行いました。

今回もグループ会社からの支援が行われる可能性について

三菱グループとしては三菱ブランドを考えると再生の道を模索する可能性はあるが、全面的にどんなことがあっても支援するということにはならない。

今後、三菱自動車工業株式会社の経営が立ち行かなくなった場合、中国や台湾などの外資が資本参加する可能性もあるといいます。

生きるか死ぬかの状況に追い込まれている。その中で生きる道を外資に求めるのは不思議ではない。一番可能性が高いのは台湾とか中国の企業。外国企業に買われるのは問題だというマインドは捨てるべき。ただ今の問題を抱えた三菱自動車工業株式会社を買いたいという企業が現れるかは別。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-