[WBS] JR西日本が陸上養殖!?「寄生虫知らず」のサバ誕生!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

全国的に水産物の不漁が続いていますが、そうした中で注目されているのが陸上養殖です。

魚介類を海の中ではなく、陸上の水槽の中で育てるというもので台風などの自然災害や水質汚染の影響を受けにくいという特徴があります。

そんな陸上養殖に乗り出したのがJR西日本です。

一見、水産業とは縁がなさそうな鉄道会社が参入する狙いはどこにあるのか取材しました。

西日本旅客鉄道株式会社

鳥取県・網代港、そのすぐ所に高い壁に覆われた場所があります。

中に入ってみるといくつもの大きな水槽。泳いでいたのはサバです。

実はこの場所、JR西日本が2017年6月、約6,000万円をかけて単独で作った陸上養殖センターです。

JR西日本で陸上養殖を手がける創造本部の石川裕章さん、3年前から鳥取県と陸上養殖の共同研究に取り組み、そのノウハウを培ってきました。

海上養殖の場合は生活排水から出るウイルスなどを魚が取り込んでしまします。

一方、陸上養殖は海底の砂などで自然濾過された地下海水を汲み上げるため、ウイルスなどに汚染されにくいのです。

さらに不純物が少ない餌を使うことでアニサキスなどの寄生虫がつきにくく、刺し身はもちろん、白子なども味わうことができます。

外海に出さず、大切に育ててきたということから付いた名前が「お嬢サバ」。

魚の輸送を手掛ける業者もお嬢様のいきの良さには期待を寄せます。

番長グループの光久忠伺社長は、

不漁の時でもお客様に安心して食べてもらえるのが一番の魅力。

初出荷まであと1ヶ月。

JRの駅長から、ここの責任者となった吉村さんも考え深けです。

そばに置いておきたい気持ちもあるが、キチッと準備して、いい形で出荷したい。

それにしても、なぜ鉄道会社が陸上養殖を手掛けたのか?

まだ生まれたての陸上養殖を一緒に汗をかきながら作っていくのは、産業の振興・雇用の創出の観点から地域活性化につながる意義深い取り組み。

牡蠣養殖

広島の離島、大崎上島。

JR西日本の石川さんはここでも陸上養殖を始めていました。

養殖しているのは牡蠣。その名も「オイスターボンボン」!

最大の売りはあたりにくいこと。お嬢サバと同じく、地下海水を汲み上げているため、水質がよく、ウイスルや不純物が入りにくいです。

この強みが受け入れられ、地元広島でも取り扱う店舗が今シーズンから増え始めました。

石川さんが次に向かったのは京都駅。

販路の全国拡大を進めるためです。

これからオイスターボンボンの新しい販売先に、現在の売れ行き状況を聞きに行きます。

先月から販売を始めたJR系のホテル。

JR西日本ホテルズの佐藤伸二総料理長は、

始めた10日から26日までで105食くらい出ているから、2週間でこれだからかなり良い。

楽しみというかびっくりしている。

実は日本の多くのホテルではあたる可能性のある生牡蠣は扱っていません。

ホテルの従業員は牡蠣料理は食べるのも作るのも禁止。家族も風呂や手洗いなどで感染するので。一応食べないでとお願いしている。

そこで石川さんが養殖場の水質検査表。ノロウイルスなどが混入していないことをアピールしてホテルでの販売にこぎつけました。

堀岡養殖漁業協同組合

陸上養殖で沿線の活性化を目指すJR西日本。

富山では新たな雇用を生まれ始めました。

現在、高校の大洋科に通う酒井克典さん(18歳)。3月の卒業後、JR西日本と提携して陸上養殖を手がけるこちらの会社に就職が決まっています。

会社初の新卒採用です。

富山県の特産品に「ますのすし」があって、その原料となるサクラマスの完全養殖に成功した堀岡養殖で養殖の事業に携わりたいと思って。

堀岡養殖漁業協同組合の林宏育さんは、

今まで募集をしても応募がなかった。人が欲しいときは中途採用だった。でも、なかなか若い人は来ないので私も大変驚いている。

天然のサクラマスは幻の魚と呼ばれるほど貴重。

ここを拠点に国産のサクラマスを流通させたいと意気込みます。

沿線地域の活性化として始まったJR西日本の陸上養殖ビジネス。その成果は確実に出始めている。