[ガイアの夜明け] その「便利」、必要ですか?〜追跡! 「サービス激化」の裏側〜(4)

その「便利」、必要ですか?〜追跡! 「サービス激化」の裏側〜

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ウエルシアホールディングス株式会社

千葉県君津市にあるウエルシア薬局。関東を中心に全国に1,500店舗を展開しています。

店内はまるでスーパーマーケットのような品揃え。トイレットペーパーのような日用品に、たまごや野菜など生鮮食品なども取り揃えています。

さらに薬コーナーの奥には「処方箋受付」の文字が。薬剤師が対応してくれる調剤併設型になっています。

業界大手の売り上げは横並び。こうした品揃えやサービスは当たり前で競争が激化しています。

そこでウエルシアホールディングス株式会社では大胆な策に打って出ていました。

24時間営業

ウエルシアホールディングス株式会社の池野隆光会長(73歳)。

夜中に病気をした時に役に立たないのが薬局と言えるのか。今までやってきた延長線上に大きなマーケットはない。

その戦略は2年前から始めていた24時間営業への転換でした。

病院の処方箋や薬剤師しか売れない「第一類医薬品」を24時間取り扱うのです。未開拓だった夜間のニーズを狙ってのことです。

24時間営業で何より重要なのは薬剤師の確保です。1日あたり3人から6人の薬剤師を配置。完全シフト制で夜は1人で対応します。

薬剤師

東京・練馬区。幹線道路沿いにあるウエルシア豊玉目白通り店。

夜8時を過ぎた頃、事後と帰りのお客様が次々と吸い込まれていきます。中でも調剤エリアは処方箋を持ち込むお客様で昼間以上に混雑しています。

薬剤師がいないと売れない薬もある。緊急時に助かる。

盛況のワケは近くの薬局が軒並み閉まってしまうからです。

終電も終わった午前1時過ぎ、女性が飛び込んで来ました。

炎症を抑える成分が含まれている貼り薬。

怪我をした子供を寝かしつけてやっと来ることができたといいます。

本当に間に合って良かった。明日の朝、湿布を替えられる。

午前2時前、今度は喉が痛いという男性。車で30分かけて来たといいます。

すごく便利だと思った。インターネットで検索してきた。助かりました。

しかし終電以降、調剤のお客様は先程の2人だけでした。

法木豊店長は、

申也の調剤の売り上げが足りない。処方箋がゼロ枚の時もある。10枚は取らないと人件費はペイできない。ずっと赤字になってしまう。

夜間は調剤のお客様は少なく薬剤師を置いている分、完全な赤字です。

在宅

2月初旬、店に一人の男性がやって来ました。増田勲さん(39歳)。ウエルシア薬局株式会社の薬剤師で肩書は在宅リーダー。

在宅とは病院に通えない患者さんの自宅や施設などを医師が訪ねて診療する在宅医療のこと。

増田勲さんは東京都内で新規の在宅患者を開拓する営業の責任者です。

夜の処方箋を待っているより、今までできなかったことを進めていければ売り上げも上がる。

夜間の売上を伸ばすため地域の在宅現場を探し営業をかけようというのです。

まず向かったのは在宅医療を支援する施設。飛び込み営業です。

今、薬局はどのような感じで選んでいますか?

逆に営業に来てもらうことが多い。

こちらもその営業ですが24時間、常に対応できるので利用者も安心だと思います。

しかし、すでに他の業者と取引がありうまくいきません。結局、この日は3時間歩いて20軒ほど当たりましたが成果はゼロ。

しかし増田勲さん、次なる一手を考えていたのです。

あった!

狙ったのは在宅患者の訪問診療に力を入れる病院。医師に直接アプローチしようというのです。

赤羽在宅クリニックの小畑正孝医師は、

医療はどんどん24時間化されているので、内科医だと薬がないと無力なところもある。24時間やっている薬局があると助かる。夜いけます?

薬を届けるということですか? 薬剤師が抜けると薬局なので閉めなくてはいけない。

医師の要望は薬の配達。夜間に急患が出た場合、薬を届けてもらいたいというものです。

しかし配達は薬の説明ができる薬剤師が届ける決まりがあります。夜は薬剤師が1人しかいないため薬を届けるには店を一度閉めなくてはならないのです。

我々の患者はそもそも店舗に行けない。そんなに使えないですね。

医師が求める夜間の配達に応えたくても薬剤師が足りません。

医師も言っていたので、そこが必要なんだと。店が開いているだけじゃダメ。その先があることが分かった。

夜間の配達

3日後、ウエルシアホールディングス株式会社の本社。

そこに緊張した様子の増田勲さんの姿がありました。

入ってきたのは24時間営業を統括する営業統括本部の田中純一営業本部長。

医師の多くは24時間365日、いつでも薬剤師が薬を届けてほしい。という要望がかなり多い。

夜間の配達にどう対処するのか判断を仰ぎにやって来ました。

薬剤師が2人いてもいい。ただ採算合うか合わないか。

目白通り店で薬剤師が2人態勢になった場合、他で20時に閉めている薬局があっても臨時(急患)があったら目白通り店から出勤できる。そこの薬局も24時間対応できる。

増田勲さんの提案は地域の中の1店舗に薬剤師を2人置くということ。その内の一人が動くことで他のエリアの急患にも薬を届けられ全ての店舗で夜間に薬を配達できるというものです。

医師とか利用者の最終的な満足はそこだと思う。

深夜どうやったら薬剤師2人態勢でうまくできるか、もうちょっと詰めて考えて。

早急に夜間の配達を具体化することになりました。

配達

2月上旬、店にいた増田勲さんに急遽電話が入りました。

「緊急で薬を届けて欲しい」と依頼があった。

昼間はほかに薬剤師がいるので店を任せ急いで薬を持っていきます。着いたのはマンションの一室。70代の夫婦が住んでいました。

ウエルシア薬局の増田と申します。薬をお持ちしたのでセットさせていただきます。

血圧の薬がなかった。

家にいてもらえれば先生も来るし薬局も来るので安心して飲んでください。

いいよな、持ってきてくれるんだもん。

配達は無事完了。今回は昼間でしたがこれが夜間にできるようになれば地域のためにもなります。

在宅医療が進んで24時間受けてくれる薬局はどこかと考えた時にウエルシアしかないと思う。長く続けて地域の皆さんに喜んでもらえるシステムができると思う。

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