[WBS] 「全電動化」宣言のボルボ。研究施設を世界初取材。

ワールドビジネスサテライト(WBS)

自動車業界でエンジンから電動モーターへの転換が加速する中、2019年以降に発売する全ての車種を電動車両にするといち早く宣言したのがスウェーデンのボルボです。

WBSは今回、メディアとしてその最新研究施設に入ることが認められました。

そこから見えてきたボルボの電動化宣言の狙いを取材しました。

ボルボ・カー・ジャパン株式会社

スウェーデン第二の都市、イエーテボリ。

人口は約50万人。

バイキングの港町として栄えた歴史を持ちます。

この街を走る車はボルボ、ボルボ、ボルボだらけです。

トラックやバス、タクシーも。

実はここにはスウェーデンの自動車メーカー、ボルボの本社があります。

ボルボのこだわり

ボルボの創業は1927年。

創業以来、そのこだわりは・・・

事故から命を守る安全性能です。

世界中の自動車に使われているシートベルトも実はボルボの発明です。

1972年の試作車。

前方には安全性を高める大きなバンパーが付けられています。

さらに・・・

後ろに回り込んでみるとカメラが付いています。

この大きなカメラ、後ろの安全を確認するバックモニターです。

50年近く前に開発に乗り出していました。

ボルボは今でも年間100回を超える衝突実験を行い安全性能の向上を図っているといいます。

ボルボの安全対策担当者は、

われわれは交通事故の現場にも行き安全性能が機能したか調べる。

電動化

そんなボルボがいま急速に推し進めているのが・・・

ボルボ・カーのホーカン・サミュエルソンCEOは、

高級車を作る自動車メーカーとして世界で初めてすべての車種を電動化する。二酸化炭素の排出量を減らす、ボルボの未来は電動化にかかっている。

ボルボはハイブリッドやEV(電気自動車)など電動車専用のブランド「ポールスター」を立ち上げました。

その上で2019年以降に発売する全ての車種を電動車にすると宣言。

注目を集めました。

この全電動化宣言の狙いは何なのか?

トップがWBSの取材に応じました。

今後、自動車メーカーは大量のバッテリーが必要になる。そのためにバッテリーメーカーへ明確なメッセージを出す必要があった。「ボルボを助けてくれれば、あなたのビジネスになる」と。LG、パナソニック、サムスンなどに対して私たちは先手を打ったのだ。

「他の自動車メーカーに先んじる戦略的な宣言だったのか?」

それが最大の狙いだ。バッテリーの獲得競争になっても早く動いていれば有利だ。

すでに生産現場でも変化は起きていました。

ボルボ本社工場

ここは年間57万台を生産するボルボの本社工場。

そこで行われていたのは・・・

バッテリーがちょうど車のプラットフォームに組み込まれるところです。

電動車両でモーターの動力源となるバッテリー。

エンジンだけの車からバッテリーを搭載する電動車両への転換が進んでいました。

バッテリー取り付け担当者は、

数週間以内にこのレーンで製造する4台に1台は電動車両になる。

バッテリー研究施設

電動車両の性能を大きく左右するのがバッテリーです。

そこでボルボは2017年、バッテリーを研究する施設を本社に設立。

今回、WBSは報道機関として初めて、その内部の取材が許されました。

ここがバッテリー研究所です。

バッテリー部門を統括する責任者がまず見せてくれたのがリチウムイオンバッテリーの元となるセル(単電池)です。

工場で見た黒いバッテリーにはこのセルが96枚積み込まれています。

「これを見せてほしい。」

ダメです。これは未発表の製品だから。

「今後発表するEVのバッテリーか?」

その通り。

なかには公開できない最新バッテリーも。

奥に進むとなにやら冷蔵庫のような機械が・・・

バッテリーの性能テストとしてマイナス30度から50度まで温度を試す。

過酷な環境でもバッテリーが性能を維持できるかなどのテストを繰り返しています。

大きなコンテナのような設備。

開けてみると・・・

これは数年間、公道を走った車から取り出したバッテリー。

ここでも温度に変化を加え性能の劣化を調べています。

ボルボがテストを重ねる理由。

それはバッテリーのセルを自社開発していないからです。

使っているのは実は韓国のLGのもの。

バッテリーメーカーは自動車の知識が十分ではない。われわれがバッテリーを理解し最適な利用法を研究している。

どこよりも先に全車種の電動化宣言をしたボルボ。

電動車両でも安全性能を研ぎ澄ますことができるかが今後のカギを握ります。