進化し続けるエコカー。その普及が新たな段階に入りつつあります。
ひとくちにエコカーといっても色々とタイプがあります。ある程度普及が進んだものを整理してみます。
まずはトヨタ自動車株式会社のプリウスを筆頭に最も普及したエコカーがハイブリッド車です。ガソリンエンジンと電気で回るモーターを組み合わせて走らせて燃費効率を高めようという車です。
一方で日産自動車株式会社のリーフなどの電気自動車は外部の電源から充電して電気だけでモーターを回して走らせようという車です。このタイプの車は1回の充電で走れる距離が比較的短いことがネックとなっていて普及はハイブリッド車ほどには進んでいません。
今回注目するのはガソリンエンジンを積んでいるものの、あくまでも主役はモーター、電気だという車です。例えば日産自動車株式会社が2016年11月に発売した「ノート e-POWER」。ガソリンエンジンは積んでいますがあくまで電気を起こすだけです。走る動力は100%電気です。
2月15日、トヨタ自動車株式会社もモーターが主役の新しい車を発表しました。
こうしたハイブリッド車でも電気自動車とも少し違う電気自動車的な車がエコカー市場を活性化させることになるのでしょうか?
トヨタ自動車株式会社
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トヨタ自動車株式会社の内山田竹志会長は、
ハイブリッドカーの次を担うエコカーの本命は何かと問われたらこう答える。「PHV」です。
トヨタ自動車株式会社が2月15日に発売した新型の「プリウスPHV」。
PHV(プラグインハイブリッド車)とは外部の電源から充電ができるハイブリッド車のことで「プリウスPHV」は5年ぶりのリニューアルです。
新型プリウスPHVは別次元の進化を果たした。
プリウスPHV
2012年に発売した初代プリウスPHVは累計の販売台数が約2万2,000台と目標に達しませんでした。
今度こそ普及させるため2代目に加えた改良とは?
まずバッテリーが貯められる電気の量を増やしモーターだけで従来の2倍以上になる約68キロの走行を可能にしました。
さらにより力強くモーターだけで走れるようにエアコンなどに向けて電気を作っている発電機が車を動かすモーターの役割も果たせるようにしたのです。
トヨタ自動車株式会社の金子將一主査は、
初代のプリウスPHVはエンジンがかかるとガッカリするという話があって、今回はよりEVに近い走行ができるようにエンジンをかけないことにこだわった。
そしてもうひとつ大きな改良があります。従来は家庭で充電するには電気工事が必要でしたが普通のコンセントを使って14時間でフル充電できるようにしました。
さらに車の屋根に太陽光発電のパネルを追加して走るための電力を貯めることもできます。
内山田竹志会長は、
エコカーは普及してこそ環境への貢献。PHVこそがトヨタにとって本流となる普及の要だと思っている。
エコカー
2017年1月末でハイブリッド車の累計販売台数が1,000万台を達成したトヨタ自動車株式会社。
これまでにFCV(燃料電池自動車)やEV(電気自動車)などあらゆるエコカーの開発を進めてきました。
FCVが水素ステーションなどの新たなインフラを必要とするのに比べ家庭用の電源で動くPHVは普及のために必要な条件を揃えているといいます。
価格は約326万~422万円。月間販売目標は2,500台です。
「エコカーの本命はPHVとのことだがハイブリッド車と同じ「1,000万台」は何年で達成したいのか?」
個人的にはハイブリッド車の1,000万台販売より早いと思う。
新たな「電気の走り」が人気!
日産自動車株式会社
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こうした電気の走りに魅力を感じる消費者は増えています。
日産自動車株式会社が2016年11月に発売した電気で走る車「ノート e-POWER」。
1月の軽自動車を除く新車販売台数は「e-POWER」人気が牽引しノート全体がプリウスなどを抑えて1位に浮上しました。
「ノート e-POWER」はガソリンでエンジンを回して発電。その電気を使ってモーターを回して走ります。つまり走りは完全に電気自動車です。
試乗
試乗に訪れたお客様に同乗してみると、
うわ~こんなに!
滑らかですから。
電気自動車の特徴はその滑らかな走り。また「ノート e-POWER」はブレーキを踏まなくてもアクセルから足を離すだけで減速・停止します。
本当だ、ブレーキ今、踏んでいない。
このように乗ってみて電気で走る楽しさを実感するお客様は多いといいます。
加速がスッと出る感じがガソリン車とは違う。おとなし過ぎなくて運転していて楽しい。
日産自動車株式会社の南智佳雄さんは、
電気の走りを楽しむというのは当面主流となり、最終的に100%電気自動車の姿に近付いていく。
電気の走りを積極的に選ぶ消費者。エコカーの普及は新たな段階に入ろうとしています。