[WBS] 人気殺到男性パンツ!秘密はニッポンの縫製技術!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

いま私達が着ている洋服は海外で作ったものが多いとされています。

日本のアパレル市場の国内生産比率はわずか3%ほどしかないといわれています。

こうした危機的状況にある日本でのモノづくりをもう一度再興させようとする日本の高級下着メーカーがありました。

伊勢丹新宿本店メンズ館

新宿の伊勢丹新宿本店メンズ館。

平均価格3,500円以上のパンツコーナーでは海外の有名ブランドが並んでいますが、一番の注目を集めていたのは日本メーカー「TOOT」のコーナー。

その特徴をTOOT愛好者は、

「よく買う?」

買います。5枚くらい持っている。ここに収まるからあれの重力を感じない。

履くとピシッとタイトな感じがするけど素材が柔らかいから履いている感がない。

フロントカップが特徴のTOOT。フィット感を出すためにはカップの形状を安定させる高い縫製技術が必要になります。

その技術により耐久性も高まっているといいます。

さらにTOOTは海外のファッションショーにも積極的に参加。デザイン性でも高い評価を得ています。

三越伊勢丹のバイヤー、國友崇裕さんは、

ここまで細部にこだわっているブランドは世界を見てもなかなかない。彼らが僕らの顔的な存在になっている。

株式会社TOOT

TOOTの東京本社。

ユニークさを求める画家のダリを尊敬している枡野恵也社長。

街で履いてもいけるんじゃないか。

デニムのようなコットン。ナイロンやポリエステルなどありとあらゆる素材を使い毎週デザインを変えて商品作りを行っています。

これが職人の技術力向上にもつながっていると枡野社長は話します。

毎週、全然違う素材でチャレンジさせられるのがうちの工場の大変さ、面白さ。その習熟度が他の工場にはない強さ。

TOOT宮崎工場

宮崎県日向市にあるTOOTの縫製工場。

ここ2年で人員は20人から40人に倍増しています。

TOOTの特徴であるフロントカップを縫う作業には熟練の業が必要になります。

針が4本付いている。

4本以上の針を使う特殊なミシン。1本針のミシンと比べて手間がかかり、技術的に難易度が高くなるといいます。

TOOT宮崎工場の上原譲二代表は、

生地の見えないところでそろえられている作業。裏が見えないが縫う人の感覚でしかない。

表も裏もキレイに縫う技術。さらにつなぎ合わせる時はバランス良く縫わないとフロントカップの立体感は保てないといいます。

検品もブランドの生命線になります。隅々までチェックし、ダメなものは赤いシールを貼っていきます。

「どの辺がダメ?」

ここが外れている。

別の商品はタックになった状態。大量生産の商品であれば合格になりそうですが、わずかなずれがあれば全てやり直し。

日本のアパレル市場では賃金の安い海外工場を使うメーカーが多いため国内生産比率は3%。

そんな中、TOOTは日本アパレルの再興にかけています。

プライドをもって、きちっとしたものを作れば縫製業もやっていける。

新たな目標

毎週デザインを刷新し800種類も作ってきたTOOT。

枡野社長は新たな目標に向かって動き始めていました。

新作は次のステージへの入り口、そういう製品になる。TOOTの一番大事なことは「履いたらすごくいい」。

株式会社山嘉精練

さらなる履き心地を求めて探し当てたものとは、京都府亀岡市にある山嘉精練。

老舗のシルク生地メーカーです。

ストレッチ性を持たせた高級女性用ストールや何百万円もする着物などに使われています。

そんな企業が8年かけて開発したのが普通の洗濯機で洗っても光沢が落ちないという頑丈なシルク「シドリ」です。

山内伸介社長、

日常的に使いやすいシルクを作ろうと思い「シドリ」という技術を開発した。

縮小する日本のシルク産業に危機感を持ち、シルクを日常使いしてもらおうと開発した「シドリ」。

これをパンツに使おうというのです。

シドリ

その特徴をコインランドリーで試してみました。

シドリは家庭用の洗濯機でも洗うことができる。シルク100%なのに一般的な衣料品と一緒に洗える。

普通のシルクとシドリのシルクを縫い合わせたモノ。違いが分かるようにあえてシドリの黒みを薄くしました。

これをタオルと一緒にして洗濯乾燥機に投入。

もちろん、この洗濯機はシルクはNG。

繰り返し3回洗ってみました。

どうなったか?

普通のシルクは色が落ちてシドリより薄くなっています。

染料は同じものを使っているので、こちらだけ色が落ちるということではない。普通のシルクの表面がすれてきている。

肌触りも、

シドリは変わってない。普通のシルクはゴワゴワしている。

30回、洗濯機にかけたものは一目瞭然。普通のシルクは色褪せているのに対してシドリは色も肌触りも変わっていません。

シルクボクサー

この日、TOOTの枡野さんは山嘉精練を訪れました、

出来上がったばかりのシドリで作ったパンツを持ってきました。

2年かかりました。

山内社長は、

質感、本当にいいですよね。

こんな伸びるシルクも世にも珍しい。

山嘉精練の山内さんはTOOTと組むことでシルクを身近なモノにしたいと考えています。

国産にこだわるだけでなく、国産の良さを理解した上でモノづくりを続けていって、国内で作って、国内外に販売する。

「いくらで販売?」

2万円の予定。本当にいいもの、本質的にいいものを作ろうとすると素材に返ってくる。日々、気持ちよく暮らすための投資だと思えば2万円の価値がある。自信を持っている。