[ガイアの夜明け] 走れ!「レトロ」大作戦!(3)

走れ!「レトロ」大作戦!

東京・渋谷。駅前のスクランブル交差点では写真を撮る外国人観光客があちこちに。渡りながら撮影をする人も。

スイス人の男性にいま撮った映像を見せてもらうと、

ここは東京で一番有名な所だよ。

1ヶ所にこんなに多くの人が集まるのは他に見たことがないよ。

このスクランブル交差点、ネットや口コミで広がり世界中から観光客が訪れます。

では、写真を撮った人はと言うとほとんどがJRの改札に向かいます。外国人旅行者の多くがJRの周遊券を使っているためです。

東京急行電鉄株式会社

その渋谷の駅前にある男性が。

東急電鉄の観光事業開発部、後藤修平さん(38歳)です。

そこのハチ公前には外国人のお客様がかなりいっぱいいるけれども、東急線、そして地下鉄線に乗るお客様がちょっと少ないというのが寂しいところ。

JRの入り口のすぐ横には東急線の入り口もあるのですが、こちらの利用客は少ないようです。

東急電鉄はここ渋谷を起点として首都圏に8つの路線を運営する巨大鉄道会社です。

その渋谷に東急電鉄の本社もあります。

株式会社Huber

8月23日、利用客を増やすための会議が行われていました。

外国人が実際に興味を持つか、どうしたらいいのかなと思ったけど。

後藤さんが目を付けたのは渋谷を訪れる外国人。

利用客アップのためにこの日招いたのはハバーという会社の社長、紀陸武史さん。

ハバーは外国人観光客と日本の学生を結ぶ「トモダチガイド」というサイトを運営する会社。

外国人には生の日本の情報が得られると人気です。

昔ながらに出てきた風景が実は現在の街の中に同じように残っていることがすごくある。

この会議で紀陸さんから世田谷の豪徳寺が外国人に人気を集めているという情報がもたらせました。

豪徳寺

東急世田谷線にある豪徳寺は招き猫発祥の地とされ境内には数多くの招き猫が祀られています。

この招き猫がカワイイと外国人観光客に受け、SNSにも沢山の写真がアップされていたのです。

ほかにも世田谷線沿線には隠れた観光資源があるのではないか、後藤さんは紀陸さんと一緒に沿線リサーチに。

そこには意外な発見がありました。

東急世田谷線

東急線の利用客アップの方法を模索する後藤さん。

数ある東急線の中でも目を付けたのは招き猫で有名な豪徳寺がある世田谷線でした。

東急世田谷線は三軒茶屋から下高井戸まで約5キロの区間に10の駅があります。そこを2両編成の電車で結んでいます。

住宅街の中をゆっくりと走り沿線に古き良き昭和のレトロ感を残す路線。

上町駅

各地の観光資源に詳しい紀陸さんとまず降りたのは上町という駅です。

電車が走っていて密集している感じのこういう場所が日本的みたいな。

突然、紀陸さんが立ち止まりました。

この画なんかよくないですか?

ここ、いいですね。

世田谷線の撮影ポイントを見つけたようです。

懐かしいな。あの指示板がすごく懐かしい。

レトロですね。

この画がいいよねとか、これが人気になればここを撮りに来るじゃないですか。江ノ電なんかもそうですよね。

世田谷八幡宮

次に降りたのは宮の坂駅。

その駅から徒歩1分の所にあるのが世田谷八幡宮です。

ここは荒武者として名高い源義家ゆかりの社。開運のパワースポットとしても有名です。

かつては力自慢が石で競い合ったという力石も、江戸三大相撲が開かれていた場所、土俵もあります。

この土俵を見て喜ぶ人がとにかく多い。この土俵の上にどんどん乗れて近場で大きさを感じられるってなかなかないので。

ここに来て「おー」って喜んで、みんな相撲取りの格好して。

今も毎年9月の秋季大祭では五穀豊穣を祈願して奉納相撲が開かれています。

豪徳寺

世田谷八幡宮から5分も歩けば見えてくるのが豪徳寺。

ここは徳川家を支えた井伊家の菩提寺でもあります。

桜田門外の変で暗殺された井伊直弼の墓も。

近くには松陰神社もあります。井伊直弼によって処刑された吉田松陰が祀られています。

因縁の2人がすぐ近くで眠っていたのです。

世田谷線沿線には歴史好きの人にもアピールできる場所がいくつもありました。

招き猫大作戦

9月8日、東急では全社を上げて利用客アップ作戦が始まります。

名付けて「招き猫大作戦」というようなテーマ。

人を呼び込むというのが今回のゴールなので、そういう意味では分かりやすい。

「招き猫大作戦」とは一体?

東急線に人を呼び込む作戦を考える後藤さん。

9月15日、向かったのは豪徳寺。すでに何度も足を運んでいました。

以前よりご相談させていただいた招き猫電車のラッピングの案ということで、できればこちらでいかせていただければなと思うんですけど、どうでしょうか?

小年は世田谷線の前身「玉川線」が開通して110年、そこで車両を招き猫でラッピングしようというのです。

副住職の粕川徹哉さんは、

カワイイですね。

さりげなく外国人向けに「WELCOME」という文字も入れてみたり。

外国の方も近年多いですからね。

お寺の招き猫は開運招福ですから福は招いていただいて、みんな幸せになれるといいなと思いました。

ラッピング電車

9月24日、世田谷線の上町車庫。

そのラッピング作業が始まっていました。「招き猫大作戦」です。

外装だけではありません車内でも。なんと吊革まで招き猫に。

床にも工夫も。楽しい演出です。

その頃、後藤さんはというと1人で何やら作業中。

世田谷線を中心にしたパンフレットを別途作ってもらおうという話をしていた。そちらの確認をしているところ。

外国人観光客のために英語のパンフレットを作成中でした。

一方、紀陸さんのハバーもホームページで来日予定の外国人に世田谷線沿線をPR。

イギリス人旅行者

10月8日、東急の三軒茶屋駅にやって来たのはイギリス人親子。

案内するのはトモダチガイドの大学生たち。

乗り降り自由の切符なんだ。これはいいね。

招き猫電車が入ってきました。早速、撮影しています。

これはスゴイわ!

正面は全面に招き猫の顔が描かれています。

この電車どうですか?

とてもいいよ。カワイイ。

あら足跡。カワイイわ。すごく素敵。

世田谷線、オリジナル観光コースへ出発です。

一行が降りたのは宮の坂駅。駅前にある世田谷八幡宮です。

赤ちゃんが生まれた時のセレモニーをやっていますよ。お宮参りといって神様にお祈りをするんです。

最初にコインを投げ入れてお祈り。最後にもう一礼。

そして境内にあるあの土俵を見つけました。

参拝の仕方も教えてもらえたし相撲も取れたね。とても楽しかったよ。

そして次に豪徳寺にやってきました。

お目当ては、

猫がいっぱいだ。なんてたくさんなの。

この猫カワイイ?

かわいいよ。

こんなにたくさんあって変でしょ?

夜に見たらちょっと怖いかもね。でもカワイイよ。

今回の世田谷線ツアー、2人はどう感じたのでしょうか?

とても良かったわ。

自然を楽しむことができたよ。にぎやかな渋谷からこんな近くで静かな東京を知ることができたんだからね。

後日、彼のSNSでは招き猫の写真がアップされていました。

猫電車で豪徳寺に行ってきた。すごくよかった。

後藤さんは、

外国人のお客様に認識してもらうことで、また日本人の方にも訪れてもらえるような場所になっていくんじゃないかと。いかにコースをアピールしていって何かつながりを見せることで渋谷からの回遊というのを促せることができればなと思っている。