シリーズでお送りしている「治る最前線!」。
今回は胆石を取り上げます。この病気にかかっている方は推計で約600万人いるといわれいて、しかも年々増加しているそうです。
肉など脂肪分の多い食事をとる機会などが増えていることなどが原因のひとつだと考えられています。
放置すると死に至ることもあるというこの胆石。
その最新の検査と治療法を取材しました。
胆石
都内に住む60代の田中康二さん(仮名)。
約1ヶ月前に激しい腹痛に襲われたといいます。
みぞおちを上から押されているような痛みが続いているので。
病院を受診したところ、胆石が見つかった。田中さんの検査画像。黒く写っているのが胆石です。
胃の近くには消化液が入った胆のうと呼ばれる臓器があり、この胆のうにコレステロールなどが過剰に溜まると結晶化し胆石ができます。
実際の胆石の写真、大きなものでは4センチほどにもなります。
この胆石という病気。年々増加傾向です。
原因は日本人の食生活の変化にあるといいます。
東京医科大学病院消化器内科の糸井隆夫主任教授は、
胆石は生活習慣病の一つ。食生活の欧米化に伴って胆石も多くなってくる。
患者の約8割が自覚症状がありません。
しかし放置すると死に至るという恐ろしい病気。
その検査と治療の最前線を追った。
水町エム・アールクリニック
[blogcard url="http://www.mizumachi.jp/index.html"]
胆石を早期発見できる新しい検査が登場しています。
20代の鈴木早紀さん(仮名)。
急な腹痛に襲われ病院に受診に来ていました。
みぞおちがズキズキ痛くなる。それが20分から1時間くらい続く。
この日、鈴木さんはMRCPと呼ばれる新しい検査を受けるとこになりました。
検査を始めます。
この検査は磁気で胆石を見つけ出します。患者は検査台に横になっているだけです。
これで終了です。
検査はわずか20分で終了。人間ドックのオプションでも受けられるようになりました。その場合は検査費は約2万円。
すぐに医師から結果が伝えられます。
ここの黒く抜けている部分。こちらが今回考えられていた総胆管結石、石になりますので。
鈴木さんの検査画像、黒く写っているところが胆石です。大きさは約2ミリ。
胆管の中の消化液は水分なので磁気を当てると白く写ります。しかし胆石は個体なので黒く写ります。
鈴木さんは後日、内視鏡で胆石を取り除くことになりました。治療は約30分で終わるといいます。
東邦大学放射線科の白神伸之准教授は、
MRCPは磁気を使った検査法。比較的短時間で撮影できる。被ばくもない、胆管・胆道系の全体像が見える。病気自体も見えるので非常に良い検査といえる。
東京医科大学病院
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しかし大きな胆石が見つかった場合は内視鏡で取り除くことが難しいといいます。
80代の原田節子さん(仮名)。胆管の中に大きな胆石が見つかりました。
原田さんの検査画像、黒く写っているのが胆石です。大きさは4センチほどあります。
原田さんは大きな胆石を取り除くことができる最新の治療を受けることになりました。
治療は内視鏡を使って行われます。
始めていきます。
治療が始まりました。直径約1センチの内視鏡を胃を通って腸にまで挿入していきます。
これが胆管。
映っているのは腸から見た胆管の入り口。この先に胆石があります。
次に医師が取り出したのは、
官道鏡、この細いのを胆管の中に入れていく。
胆道鏡と呼ばれるもの。直径はわずか3ミリ。
この胆道鏡を先程の内視鏡に挿入します。そして胆道鏡だけ胆管の中に進ませていきます。
これはすごい石だね、
原田さんを苦しめてきた胆石です。
治療は胆道鏡の先端から水と電流を同時に流す、この時に発生する水蒸気の衝撃で胆石を砕きます。
割るよ。
電流と水を繰り返しながら流しながら胆石を少しずつ砕いていきます。
だいぶ割れてきてますね。
細かく砕かれた胆石は便と一緒に排出されます。
治療は1時間ほどで終わりました。
終了になります。
治療費は保険が適用され3割負担で約25万円です。
糸井主任教授は、
患者さんにとって優しい治療法という意味では、この内視鏡を使った電気水圧衝撃波による欠席破砕術が一番いいのではないかと思う。
自覚症状のないまま進行する胆石。定期的な検査を受け早期発見をすることが重要です。