数々の絵画に彫刻、ずらりと美術品が並んでいるこの場所は実は空港なんです。
10月に行われるオークションのためといいますが、なぜ空港がオークション会場に選ばれたのでしょうか。
そこには意外な理由がありました。
日本空港ビルデング株式会社
[blogcard url="https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/"]
こちら羽田空港です。廊下の壁を見てみるとアート作品が並んでいます。こちらには値段も書いています。全てオークション用に出品されたものです。
会場に入っていきます。会場はかなり広いです。有名な作品から見覚えのあるデザインまでかなり多くの作品が並んでいます。
9月28日から羽田空港で始まった美術品の下見会。
これらの作品は10月1日にこの場所でオークションにかけられます。
実はこのオークションにはある特長が…
日本空港ビルディングの倉富裕さん。
昨年、規制緩和があって保税エリアでのアートオークションができるようになった。
規制緩和以降、日本で初の開催となる。
作品を紹介する名札には"保税"の文字が、これは税金が留保されているという印です。
通常、海外から物を輸入する際には関税などがかかります。
これを留保することで手続きを簡単にして貿易や物流をスムーズにできるのが保税エリアです。
去年から今年にかけて規制が緩和され、一部の保税エリアで美術品の展示や売買ができるようになりました。
羽田空港は宴会場などとして利用しているこのスペースを保税エリアとして認可を受け活用することにしたのです。
今回は海外から届いた33作品がこの恩恵を受け、税を留保されています。
国を超えた移動が多いオークションでは海外からの出品がしやすくなるといいます。
ニューアートホールディングスの白石幸生会長兼社長。
関税などがオークション開催の壁になっている。
高いものが自由に入ってくるから従来の日本のオークションと会場の空気が違う。
アジアでは香港が以前から保税エリアを活用。美術品の売買を活発に行なっています。
羽田空港は新型コロナで航空需要が激減する中、新たな集客の柱に育てる考えです。
利用者にとっても…
起業家・アートコレクターの川崎祐一さん。
本来であれば海外のオークションに出品されてしまうような作品が日本で見られる意味ではコレクターにはプラス。
正しい色合いや傷があるかなど写真で見るだけでは分からない。
実際に海外から出品された作品を日本でじかで見られる機会は大きい。
空港というインフラで立地条件もいいのでエンターテインメントを楽しんでもらい、アフターコロナに向け強い体質になって自ら需要をつくっていけるような空港。
高みを目指していきたい。