東京電力ホールディングス株式会社と中部電力株式会社は3月28日、火力発電の事業を完全統合すると発表しました。
大手電力会社10社の火力発電のシェア、東京電力ホールディングス株式会社は約4,400万キロワット、中部電力株式会社は約2,400万キロワットでこの2社を合わせると国内のシェアは半分以上を占めることになり世界でも最大級の巨大火力発電会社が誕生することになります。
東京電力ホールディングス株式会社はこうした統合を足がかりに人事も含めた新体制による改革を加速させていく狙いです。
東京電力ホールディングス株式会社
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3月28日、火力発電事業の完全統合を発表した東京電力ホールディングス株式会社と中部電力株式会社。
東京電力ホールディングス株式会社の広瀬直己社長は、
日本の電力需要は大きな伸びが期待できない。中部電力と火力の設備まで含めた統合で大きなバリューチェーンをつくっていく。大変大きな意義がある。
中部電力株式会社の勝野哲社長は、
両社の企業価値の向上を実現するため既存火力の統合が必要と判断。
株式会社JERA
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両社は2015年に共同運営会社、株式会社JERAを設立。燃料の輸送事業や海外の発電事業を統合してきました。
今回、既存の国内の火力発電事業をここに集約する感電統合で基本合意。2017年度の前半をめどに合弁契約を締結し2019年度の前半に株式会社JERAに事業統合を目指します。
両社の発電能力のうち火力発電の割合は約7割。統合で生産性を向上させ国内外での競争力の強化を狙います。
改革
「統合は東電にとってどういった意味?」
ここでしっかり成功して他の分野にも成功のモデルを示さないといけない。非常に大きく期待している。
改革を進める東京電力ホールディングス株式会社。カギを握るのが経営体制の刷新です。
夕方、経済産業省で開かれたのは東電改革を議論する有識者会議。中部電力株式会社との火力統合も含めた経営再建計画の骨子が確認されました。
会議のメンバーをよく見ると、
次の経営陣に内定していると言われる川村氏や冨山氏の姿もあります。
東京電力ホールディングス株式会社の次期会長に内定している株式会社日立製作所の川村隆名誉会長。過去最大の赤字に陥った直後の2009年に株式会社日立製作所の会長兼社長に就任し経営の合理化を進めてV字回復を果たした立役者です。
「東京電力ホールディングスの次期会長職を受けた?」
…。
そして社外取締役に内定しているのが株式会社カネボウ化粧品など数々の事業再建を手掛けてきた株式会社経営共創基盤の冨山和彦CEOです。
「社外取締役に内定と報じられている。」
今のところノーコメント。これから指名委員会でしょ。
人事に関してはノーコメントだった2人ですが、
「これからの経営陣に求められることは?」
とにかく改革を加速すること。不連続な改革を加速することなので、過去のしがらみから解き放たれてどんどん前に進むことだと思う。
待ったなしの東電改革。新たな経営体制は6月の株主総会を経て正式に発足することになります。
リスク
東京電力ホールディングス株式会社は原発事故の処理に約22兆円かかるとされています。ですから、その東京電力ホールディングス株式会社と組むというのは組む側からするとリスクになります。
東京電力ホールディングス株式会社と中部電力株式会社の火力完全統合というのは、そのリスクが完全に遮断されるものになるのかどうか、その仕組みができているかどうかが、ほかの電力会社が注目するところです。