[ガイアの夜明け] 追跡!「絶望職場」の担い手たち(3)

追跡!「絶望職場」の担い手たち

玉田工業株式会社

熊本県菊池市。ここに工場を構える玉田工業。

創業1950年、全国3ヶ所の工場に260人の従業員がいます。

ガソリンスタンドで使われる石油用地下タンクで国内シェア7割のトップメーカー。

その現場を支えている1人が今年3年めを迎える実習生、ベトナム人のドー・チェン・ティンさん(29歳)です。。

ドー・チェン・ティンさん

ティンさんのようなベトナムからの実習生は現在8万8,000人(2016年12月)。

2016年、中国を抜いてトップになりました。

そんあティンさんの作業をいつも気にしている人がいます。

ティンさん、仮止め。

工場長代理の山下博文さん(48歳)。

穴、この2つがここ。

まったくの素人だったティンさんに工具の使い方や図面の見方などタンク溶接を一から教え、今も厳しく指導しています。

ベトナムに帰っても何でもできるようにしてやりたい。

ティンさんは2017年5月で実習期間が終わりベトナムへの帰国が決まっています。

ティンさんの勤務時間は朝8時から夕方5時まで。自転車で30分かけて通っています。

市内のアパートで同期のベトナム人実習生、グエン・ゴック・ヒエウさん(31歳)と2人暮らしです。

残業はほとんど無いため手取りは10万円前後ですが家賃・水道・光熱費は会社が負担。それぞれに個室もある2LDKです。

実はティンさん、2児の父親。

下の子がまだ生後7ヶ月の時に将来の学費を稼ぐために来日しました。

月5万円を仕送りするため自炊して節約。

慣れない日本の生活に耐えられたのはある人たちのおかげだといいいます。

唯一の楽しみは会社に行くこと。みんな笑顔で接してくれる。本当にすごく感謝している。

タマダベトナム(Tamada Vietnam Co,Ltd)

3月10日、ティンさんは上司から呼び出されました。

ぜひあって欲しい人がいるといいます。

待っていたのは玉田の採用担当、ベトナム人です。

ぜひ考えてほしいんですが。ベトナムに帰ってもあなたに玉田で働いてほしいと思ってます。

将来の夢は玉田で働き続けることです。また日本の同僚たちと会いたいと思っています。

実は玉田は2015年にベトナムに工場を作っていました。

タマダベトナムの玉田善久社長(41歳)は日本で育てた実習生を無駄にしたくないと動き出したのです。

実習生を仕込んで仕事ができるようになったのに3年経って全く違う会社に行ってしまったらもったいない。

ベトナムは世界有数のバイク大国。自動車市場も急成長し玉田にとって有望な国でした。

仕事納め

季節は巡り、5月27日。

ティンさん、この日が日本での仕事納め。

バイバイ。3年間ここで仕事した。

たくさんの思い出が詰まった工場です。

夜には仲間たちが盛大な送別会を開いてくれました。

ありがとう。

帰国

6月5日、ベトナム・ハノイのノイバイ空港。

お父さん分かる?

日本の玉田工業で実習を終えたティンさん。3年ぶりに帰国しました。我が子との再会です。

ハノイから南東に約2時間、タイビン省ティエンフォン村。

久しぶりの我が家でくつろぐティンさんの姿がありました。

妻のランさん(28歳)は、

無事に元気な姿で帰ってきてくれてとても幸せです。

ベトナムの玉田の工場で働くことを考えていたティンさんですが、帰国後に迷い始めていました。

私の望みは一生、玉田で働くこと。でも、それ以上に家族のそばにいたいんです。働くのは子供の暮らしのため。けれど玉田で働くと子供の成長がまた見られなくなってしまいます。

玉田の工場までは車で片道2時間掛かります。毎日通える距離ではなかったのです。

ベトナム工場

6月7日、玉田のベトナム工場にティンさんがやって来ました。

工場を見たら分かるけれど九州工場をモデルにしている。

玉田社長自らティンさんを口説くつもりのようです。

この機械は日本にない。

高性能の設備を投入しています。

すでに働いている実習生出身の先輩社員も紹介しました。

ここで働くつもりかい?

妻と子供のために、どんな生活が一番いいか考えています。

ここくらい給料がいいところは今どこを探してもみつからないよ。他の工場だと2万円から3万円くらいしかもらえないからね。

玉田が提示した月給はベトナムの平均より1万円以上も高い約4万円。

さらに社長からは、

毎年10%給料を上げている。玉田で3年間実習してきた人だけアパートに入れるようにしている。アパート代は会社が出す。

会社の近くにアパートまで。予想以上の待遇でした。

一緒に働きましょう。

ティンさん、単身赴任で働いて週末に家に帰ることに決めたようです。

会社は「人」が一番大事。日本で3年間頑張った実習生が継続して仕事をしてくれる。それが成功モデルとして続いていくことが必要。

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