スーパーマーケットと百貨店、それぞれの強みを生かした戦略についての取材です。
百貨店の地下街、いわゆるデパ地下。お惣菜やスイーツなど有名な専門店が軒を連ねていて、このデパ地下1ヶ所で好きなものを選びながら買えるというのが強みです。
こうした店の業態の強みを生かした新たな取り組みを取材してきました。
新宿髙島屋
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東京・新宿にある老舗百貨店の新宿髙島屋。
ここに今月オープンとなったのは女性用のスーツ専門売場。その名も「SUIT CLOSET(スーツクローゼット)」です。
SUIT CLOSET(スーツクローゼット)
スーツクローゼット担当バイヤーの吉田有紀さん、
一番手前にあるのは普段はオフィスカジュアルだが、会議やプレゼンの時にはスーツを着ないといけない客層を想定している。
スーツクローゼットでは髙島屋に入っている約10種類の婦人服ブランドからスーツだけを選んで集め販売します。
これまでは女性がスーツを購入する場合、各ブランドの店舗を回って探す必要があったため気に入るスーツを1着探すのに店から店へ渡り歩く必要がありました。
今回、スーツというテーマに絞り込み、百貨店独自で商品を選別、編集した専門の売り場を設けることで買い物の手間を大幅に省けるだけでなく、スーツ選びの幅も広がったと言います。
アイテムに特化して百貨店の編集能力や開発能力を生かすことは同業他社との差別化でも大きなポイントになる。
揃えるスーツもカジュアルなものから、機能性にこだわったもの、上品さやトレンドを取り入れたものなど幅広く集められるのも百貨店ならではの強みです。
こちらは今年流行りのダブルのジャケット。パンツを合わせることでセットアップのスーツとして着られる。
こちらが提案しないとこういうものがセットアップのスーツだという認識がお客様はあまりない。
また髙島屋ではブランドやデザイナーとコラボしたオリジナルのスーツやセミオーダーのスーツの作成を開始するなど増え続ける働く女性の需要にアピールする狙いです。
株式会社成城石井
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一方、9月29日にオープンするトリエ京王調布にも強みを生かした新事業に挑む店があります。
食品スーパーの成城石井です。
こちらのスーパー、商品が売られているエリアのすぐそば、ここがレストランになっています。
成城石井では今回初めて店内の一画にレストラン「成城石井スタイル」をつくりました。
成城石井スタイル
店のオススメはパスタ「イタリア産ペコリーノチーズと淡路島玉葱のアマトリチャーナ(962円)」。
試食した北村まあさキャスターは、
トマトの酸味と玉ねぎの甘さがマッチしてまろやかなパスタですね。パスタも生パスタ。歯ごたえもあって美味しいです。玉ねぎも結構入っていて大きい。
美味しさの決め手はたっぷり入った玉ねぎ。
成城石井スタイルの水野翔太総シェフ、
淡路島産の玉ねぎをたっぷり使っている。スーパーの青果売り場で売っている産地を指定した玉ねぎ。
スーパーの仕入れで培った目利き力。なかでもその時期の旬な食材を積極的にメニューに活用しています。
旬な食材のアピールとしてメニューの一部は毎週新しいものに変えていくといいます。
成城石井の仕入れになるので高品質で新鮮な食材をふんだんに使えるのがメリット。
またレストランではこんなサービスも、
レシピカードを作って買ってもらいたい食材には星印をつけている。
メニューのレシピが書かれたカードを配布し、味に興味を持ったお客様にスーパーで食材を買ってもらおうと考えています。
実際、スーパーの生鮮食品売り場にはレストランで使っていることを示すポップも。食材を多角的にアピールすることでお客様の購買意欲を高めるの狙いです。
早藤正史執行役員は、
旬であることがスーパーマーケットでは大事。旬や食材の新鮮さを知ってもらう。本当に美味しいものを提供しなければならない。レストランは究極の試食の場。