刺し身など10種類以上が食べ放題の店。その意外な仕掛けを取材しました。
東京・日本橋。昼時、通りに長い行列が出来ていました。
店内を覗いてみると、そこにあったのは山盛りの刺し身。
お客様はその刺し身を盛る、盛る、盛る。
びっくりしました、量が多くて。
美味しいです。
これらは全て食べ放題。その驚きのランチの裏にあったのは?
おさかな本舗たいこ茶屋
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おさかな本舗たいこ茶屋、30年以上この場所で新鮮な魚を振る舞ってきた人気店です。
マグロやカツオなどの刺し身の加え、しらすやたらこ、そしてネギトロなど10種類以上が食べ放題で1人1,200円(6月1日から1,300円)。
刺し身で食べるのもよし、自分好みの海鮮丼を作るのもよし、お得なランチを目当てに80人前後のお客様が並びます。
嵯峨完さん
このランチの仕掛け人が店の大将の嵯峨完さん。
築地に通って50年、裏も表も知り尽くしている。その強みを生かすのは何か考えたら、行き着いたのが食べ放題。
食べ放題となればそれなりのコストがかかりますが嵯峨さんはそれをある方法でカバーしています。
「これからどちらに?」
河岸だよ。築地、仕入れに。
築地に魚を仕入れに行くといいますが、この時すでに9時過ぎ。
実は閉店間際になると売れ残りを出さないために仲卸店は値下げを行います。ものによっては半額近くになるといいます。
カツオはしま模様がしっかりしている方が鮮度がいい。
これはミナミマグロ。周囲に脂があるということは全身に油がのっているということ。
遅い時間の仕入れで「安く」、経験に裏打ちされた目利きで確かな「質」を、食べ放題のランチはこうして生み出されています。
ランチの狙い
実はランチはほとんど儲からないといいます。だが、そこにはある狙いがありました。
この日の夜に来ていたお客様の中には、
ランチで来て、夜も来てみようかなと。
会社の同僚がランチで来て、じゃあ行ってみようかと。
ランチをきっかけに夜の集客につなげるのが狙いでした。
とここで、この店の夜の名物「マグロの解体ショー」。お客様の目の前でほぼ毎日、マグロ一匹を大将が豪快に解体するイベントです。
普段なかなか食べられない高価な部位は競りにかけられ落札したお客様に提供されます。
カマは、
500円から!
6,300円、落札!
イベントは大盛り上がりだが身の全てが売り切れるワケではなく、残ったものは無駄なく翌日のランチに活用されています。
まずお客様に利益を得てもらって、そのことで自分の利益をもらえる。
なによりもお客様を喜ばすために、嵯峨さんの想いが明日も長い行列を生みます。