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[ガイアの夜明け] 進撃!スーパー戦国時代(3)

2017年11月22日

進撃!スーパー戦国時代

スーパーサンシ株式会社

[blogcard url="http://www.supersanshi.com/"]

三重県四日市市、約30万人が暮らす工業都市です。

この街にあるのがスーパーサンシ日永カヨー店。

店内には新鮮な魚や旬の果物などが手頃な価格で並んでいます。

開店直後から大盛況。

サンシが地元で支持される理由、そこにはスーパーの常識を超えた驚きの戦略がありました。

宅配受付センター

午前8時、まだ暗い本社にひとつだけ明かりの点いた部屋があります。

ありがとうございます。宅配受付センターです。

オリーブオイルでいいですか?こちら2点ですね。

ここはサンシの注文受付センター。

宅配業務を行っているのですが、そのサービスを観察すると、

柿はやわらかいのとかたいのを半分ずつですね?

豚肩ロース、しゃぶしゃぶ用ですか、こちらは脂身の少ない所と多い所をお入れするということでしょうか?半分ずつですね。

細かい注文でも受けています。

注文表はすぐさま店舗に送られます。

はい、頼みます。早くしないと間に合わない。

受け取った担当者が猛ダッシュ。急いでブロック肉をカットします。

これ、よろしくお願いします。

出来上がったのは脂身が多い部分と少ない部分を組み合わせた特注パック。

柿はやわらかいものとかたいもの、ひとつづつ確かめます。

注文は電話とネットを合わせて1日約3,000件、多い日には5,000件以上。

それをお客様ごとに箱詰めします。

朝受けた注文は夕方5時までに必ず届けます。

サンシでは宅配専用に約140台のトラックを所有。積み込みが終わると次々に出発していきます。

こんにちは、サンシです。

顧客の多くは高齢者です。商品が詰め込まれた箱の中にはあのやわらかい柿とかたい柿もあります。

主人がやわらかい方が好きで、私がかたい方が好き。

宅配エリアは主に三重県の北部。

1回25軒くらい、それを2往復するから50軒くらい。

あるお宅では玄関先のロッカーの鍵をあけてその中に荷物を入れるとそのまま行ってしまいました。

実はこのロッカーはサンシが無料で設置しているものです。お客様は待っている必要がありません。

さらにお客様が出した資源ごみを回収するサービスまで行っていました。

利用料は月額516円。高齢化とともに会員数は増え続け、いまや1万7,000人に届く勢いです。

利用するお客様は、

運転免許を返納してから買い物難民というか、どこへも行けないのでなくてはならないものになっている。

毎日電話する。スーパーサンシがなければ生きていけない。

高倉護会長

スーパーサンシは三重県内に13店舗を展開。

宅配を中心とした地域密着のサービスで年間売上は286億円。

宅配サービスに乗り出したのは40年も前のことです。

高倉護会長(76歳)のある危機感からでした。

40年前はコンビニエンスストアが成功してきた時。コンビニエンスストアの次に来る商売は何か、ということで高齢化社会が必ず来ると、「買いに来い」という殿様商売ではダメだと。「家までお届けする」という親切商売に変えないと。

そんなサンシが仕掛ける新たな地域密着サービス。スーパーがここまでやるのか!

経営幹部会議

三重県の地域密着スーパー「サンシ」。

細かい要望も聞く宅配など独自のサービスで勝ち残ってきました。

店舗の補修を担当するメンテ事業部の木下秀幸部長(63歳)。

スーパーサンシが始めた新たなサービスの責任者に任命されていました。

10月23日、この日は月に1度の経営幹部会議。木下さんの姿もあります。

高倉会長はこの会議にいつも愛犬さくらをつれて参加。そしてサンシが進むべき道を説きます。

高齢者の皆さんはサンシを育てていただいたお父さんやお母さんと一緒。本当に親切に思いやりを持って高齢者の皆さんに対応せなあかんな。親孝行みたいなもの。

そんな地域住民への想いから生まれたサービスが、

スズメバチの駆除とか…。

木下さんが担当する「なんでもサポート」です。

なんでもサポート

今まで取り組んできた仕事については…。

宅配の会員から寄せられた日常の困り事、それを解決しようと生まれました。

例えばお墓参りの代行作業や包丁研ぎ、さらには耐震家具の固定など依頼の8割が高齢者からのものです。

倉庫には様々な要望に応えるために備えた道具があります。小型のパワーショベルまでありました。

リフォーム工事

10月27日、木下さんに新たな依頼が入りました。

どうもお久しぶりです。

お世話になります。

長年、宅配サービスの会員である松岡順子さん(84歳)です。

89歳になる夫の利行さんは足腰が弱くなり杖をつかないと歩けない状態です。

そこで利行さんが生活をしやすくなるようにリフォームをしてほしい場所があるといいます。

向かったのは駐車場でした。

主人が下りられるように長さは任せるのでお願いします。

スロープですね。

依頼内容は高い段差を昇り降りできなくなった利行さんのために駐車場に下りるスロープを作って欲しいというもの。

さらに玄関から駐車場までにある通路の飛び石を撤去し、利行さんがつまづかないように整備してほしいというのです。

これまでに経験したことのない大規模な工事です。

お爺ちゃん軍団

木下さん、メンバーを集めて緊急会議を開きました。

そこに集まったのはお爺ちゃん軍団。実は只者ではありません。

左官の仕事です。

造船の仕事をしていた。

1人1人がスペシャリスト。職人の精鋭部隊だったのです。

作業開始

三重県にあるスーパーサンシの木下さん。

新しく始めた「なんでもサポート」というサービスで高齢者宅の駐車場にスロープを取り付けることになりました。

これまで経験したことのない難しい工事でした。

11月2日、サンシが誇る職人の精鋭部隊が作業に取り掛かります。

まずは玄関から続く飛び石の撤去。

厚さは16~17センチくらい。

作業は人力で行います。

ここで頼りになるメンバーが登場します。

1人で大丈夫?

大きな石を1人で持ち上げます。

この人は元トラック運転手。

石の重さは27~28キロ、30キロくらい。

重たいものを運ぶのはお手の物。

次々と飛び石を運び出し、1時間足らずで16個あった全てを撤去しました。

依頼者の松岡さん、工事の様子が気になるようです。

これだけコンクリートを打ちますね。

それだけあればいいと思います。

作業2日目

作業2日目、駐車場のスロープに取り掛かります。

スロープは4メートルまで、距離としてはここ。

スロープを敷地ギリギリまで伸ばすことで傾斜を緩やかにして少しでも歩きやすくしようというのです。

すると木下さん、

あそこの上に出ている出っ張りが…。

屋根を支える金具が気になるようです。ちょうどスロープを上りきったところにあるため頭がぶつかるというのです。

問題が出てきた。

しかし、ここにもスペシャリストがいます。元造船技師です。

邪魔になる金具を取り外すと、用意していた鉄の柱を取り出し切断。さらにその先端部分を加工していきます。

柱を組み合わせるとピタリと合いました。

あとはもう1枚、鉄板を重ねて溶接。これで完成です。

補強部分を小さくすることで頭をぶつける心配がなくなりました。

作業3日目

作業3日目、やってきたのはミキサー車。

コンクリートを流し込んでスロープを作っていきます。

そしてここにもスペシャリストが。彼は元左官職人。

丁寧にコンクリートをならしていきます。

果たして仕上がりは?

工事完了

11月10日、三重県にあるスーパーサンシでお客様の様々な要望に応える「なんでもサポート」の木下さん。

今回は足腰が弱い高齢者からの依頼。段差が高く、昇り降りが危険だった駐車場にスロープを付け、つまづきやすい玄関先の飛び石を撤去してほしいというものでした。

6日間の作業で無事完成しました。

スロープの道幅は広めに、将来車椅子を使うことになっても通れるようにしました。

なだらかな傾斜で歩きやすくなっています。転倒防止に手すりも付けました。

工事費用は16万円。相場の半額ほどです。

見ていただけますか?

依頼主の松岡さん、早速スロープを下りてみます。

今度は上りです。

いいですよ、これで楽だと思う。長いことお世話になりました。

松岡さん、喜びを伝えたい人がいます。

ただいま。

様子を見ていた奥さんです。

本当にお世話になりました。一生感謝します。

お客様の様々な要望に応えながら進化するサービス。

地域密着にとことんこだわり、スーパー戦国時代を生き抜きます。

高倉会長は、

会員は高齢者が多いから、まず親切にということ。もっと役に立ってサンシがあって良かったと思ってもらいたい。

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