[WBS] なぜ「定時運行率」No.1に!?破綻航空会社の大逆転劇!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日本の航空会社が日々競い合っている重要な指標のひとつが定時運行率です。

これは飛行機の出発予定時刻から15分以内に出発した便数の割合のことで、この数字が高いほど航空会社のイメージアップにつながるといわれています。

そしてこちらは7月31日に発表された最新のランキングです。

1位 スカイマーク 93.06%
2位 エアアジア・ジャパン 90.42%
3位 AIRDO 90.06%
4位 JAL 90.01%
5位 スターフライヤー 89.86%
6位 ANA 88.52%

国内全12社のうち6位にはANA、4位にはJALがランクインする中、1位に輝いたのはスカイマーク。定時運行率は93.06%でした。

ただスカイマークといえば3年前に民事再生法の適用を申請し再スタートを切った会社で当時の定時運行率は全11社中10位でした。

一体なぜ1位を獲得できたのでしょうか?

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スカイマーク株式会社

羽田空港でスカイマークのイメージを聞いてみると・・・

「スカイマークの印象は?」

チープな感じ。あまり使わない。

昔、乗ったときにサービスもちょっと・・・

サービスが充実していないのかな。

乗りたいかというとあまり・・・

1998年9月、JAL、ANAに次ぐ第三極として就航が始まったスカイマーク。

しかし、会社は軌道に乗らず何度も経営母体が入れ替わり、2012年にはコスト削減のため「機内での苦情は一切受け付けません」という紙を機内に備え付けて批判を浴びました。

そして、2015年1月についに経営破綻。

その後、投資ファンドやANAが支援に入り再スタートを切りました。

社長には日本政策投資銀行の常務だった市江雅彦氏に白羽の矢が立ちました。

定時運行率

再建を託された市江社長はスカイマークのイメージの悪さを痛感していました。

かつて利用して「乗りたくない」と思った人はなかなか戻ってきてくれない。

そこで市江社長は安かろう悪かろうというイメージの改善と社員のモチベーション向上のためにある目標を掲げました。

まず定時性を重要視しましょうと。

ユーザーとして考えると30分~1時間遅れるとこの会社の飛行機に乗らない。

定時性を上げればスカイマークは絶対よくなる。

市江社長は具体的な目標として飛行機が定刻から15分以内に出発した割合を示す定時運行率でNo.1を目指すことにしました。

しかし現場を指揮していた当時の東京空港支店長、堀哲雄さんは、

みんなの目が「お前何を言ってるんだ」「突飛なことを言っているな」と、恥ずかしい話だが出発が遅れてしまっても社員が気にしていなかった。

破綻した時の定時運行率は国内11社中、10位という状況でした。

そんなスカイマークが1位を獲得できたのか?

清掃はみんなで行う

機内に入らせてもらうと大急ぎで清掃をする客室乗務員の姿が・・・

手際よく黙々と作業をしていきます。

さらにブランケットを畳んでいたのは、なんと整備士。

大手の航空会社では清掃は外部に委託するなど社外のスタッフが行う場合が多いがスカイマークは社員たちが一丸となって行っています。

この会社は正社員が清掃をやっているというのが大きい。

社員たちは飛行機の出発を遅らせないために1分でも早く清掃を終わらせよう、という共通認識を強く持つようになりました。

それによって実際に清掃時間の短縮につながったといいます。

客室本部担当、脇本俊夫執行役員は、

5~6分程度は時間として短縮できている。

清掃時間を短縮できた結果、出発の遅れも減ったといいます。

手荷物を預けてもらう

カウンターの前では、

カバンのお預けにご協力お願い致します。

機内に持ち込めるサイズの荷物でもできる限り事前に預けてもらえるようにお願いをしていました。

スカイマークの機体はすべて通路がひとつ。

そのため荷物を頭上の棚に収納するときに通路を塞ぎ、ほかのお客様の搭乗を妨げてしまいます。

その結果、出発の遅れにつながっていました。

2018年6月と1年前を比べると羽田空港でスカイマークが預かる手荷物の数はおよそ3,000個増加。

一方、定時で出発できたのは27便増えたといいます。

「遅れの原因」を徹底分析

会議室に集まってきたのはパイロット。

地上の旅客スタッフ。

これは市江社長の主導で始まった会議。

部署を超えて定時出発に向けた課題を議論します。

お客様の手荷物ハンドリング(処理)で遅延している。

お客様のオフロード処理(荷物の積み下ろしなど)による遅延は減っていない?

佐山展生会長は、

定時運行率が高いと安全にもつながる。遅れると焦ってしまう。

もし遅れた便が出た場合、その理由を1分単位で分析しているといいます。

すると社員の意識にも変化が・・・

神戸空港支店の戸田健太郎支店長は、

昔は「安い運賃だから遅れてもしょうがない」と諦めがあった。

今は定時性でとことんナンバーワンになることを突き詰めている。

意識は完全に変わったと思う。

そしてついに国交省が7月31日に発表した定時運行率でスカイマークは初の年間1位を獲得したことが分かりました。

加戸荘之機長は、

「やればできるじゃないこの会社」という気持ちが非常に高まった。

この会社で働いていることを誇らしく思う。

まずは定時運行率1位というひとつの目標を達成したスカイマーク。

破綻した航空会社の再生への戦いは今日も続いています。

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