株式会社すかいらーく
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価格に敏感な消費者の心をどう掴むのか?
大手ファミリーレストランも動き出していました。
全国に約1,350店舗を展開するガスト。
ハンバーグを中心とした手頃で身近なメニューが人気です。
なるべく安く、おなかいっぱい食べる。
値下げ
実はガスト、2016年6月にメニューの7割を入れ替える過去最大の見直しをしました。
ハンバーグの量を20%増量するなどボリューム感を出したほか、500~600円台の手頃なメニューを増やすなど、実質的な値下げに踏み切ったのです。
なぜ価格を下げたのか、ガストを運営する株式会社すかいらーくレストランツの松本純男社長は
デフレを経験した人たちにとって物の価値はすごく大事で、物の価値を認めてもらわない限り、値段を上げてしまうとお客様は見向いてくれなくなる。
2015年の暮れには「フォアグラ」や「サーロインステーキ」など贅沢メニューのフェアを実施。
通常メニューにも従来より高めの商品を導入しました。
しかし2016年に入り客足が落ち、売上は前年比で6ヶ月連続のマイナスになりました。
メニューと価格を見直したことで7月はプラスに転じました。
株式会社すかいらーく
東京・武蔵野市にある株式会社すかいらーくの本社。
秋に向けて、さらに集客力を上げるためガストの担当者による戦略会議が開かれていました。
まずは現在のメニューについての分析。
気を付けた方がいいのが、単純なボリューム増というのは食べ飽きる。
また利用者から寄せられた「女性向けのメニューが不足している」「ヘルシーなメニューが少ない」といった意見も議題に。
実際、自分は何も頼まずに家族の食事を見守るだけという女性たちの姿が少なくないのです。
新たな強化ポイントが見えてきました。
野菜感・健康感では女性やシニア層が強く反応している。
その分析結果を聞き入っていたのがメニュー企画チームのリーダー、斉藤和憲さん(49歳)。
「500円」「600円」「700円」というメニューを充実させる。それだけだとお客様の幅が広がらないので、あと何か違うものは入れなければ。
女性向けのメニュー
会議後、斉藤和憲さんが向かったのは本社内にあるテストキッチン。
レシピ開発担当のシェフと女性向けのメニューについて話し合います。
手頃な価格で1皿で満足できるメインメニューを作りたいと思っている。例えばハンバーグならロカボ(低糖質)もうたえるので、そういったところを考えつつ。
低糖質ということも考えながら?
その方が女性とか気にする人にはちょうどいい。それで食べておなかがいっぱいになったら。
ヘルシーで、かつ1皿で満足できるメニュー…、なかなかの難題です。
数日後、本社のテストキッチンには新メニューの試作に追われるシェフたちの姿がありました。
そこに斉藤和憲さんたち、メニュー企画チームがやってきました。
テーブルに運ばれてきたのは、シェフが女性向けに考えた3種類のサラダ風ハンバーグです。
パッと見はどれがいいですか?
食べてみたいのはこちら。
私もこれが一番食べてみたい。
第一印象での一番人気はハンバーグにスライスしたフランスパンとナス、チーズをのせた商品です。
しかし試食が始まると、
パンの硬さとチーズとハンバーグの下にサラダがあって、食べていく間にお皿が汚れてしまう。きれいに食べることが難しいかもしれない。
また和風ハンバーグをサラダにのせた商品には、
和風ハンバーグはどちらかというと、ご飯と一緒に食べたいかな。アボカドは美容にもいいし女性が好きな食材なので、たくさんのっている感じが贅沢な感じがしていいかなと。
女性たちの意見を取り入れ、アボカドを使用したハンバーグをベースに開発を進めることになりました。
新たなメニュー
9月下旬、埼玉県川越市の物流倉庫。
女性向けの商品を増やした新たなメニュー表が完成していました。
秋の新メニューでは、かつて女性に人気だった「サラダうどん」を税抜599円で復活。
やはり女性に人気の「チゲ鍋うどん」も同じ値段で復活させました。
さらに100円足せば糖質0の麺に変更できるオプションも追加。
あのサラダ風ハンバーグは単品で満足できるメニューとして登場。899円、セットとして付けるライスなどの料金がかからない想定です。
メニューはいい感じで出来上がっているので、昔とは違う、生まれ変わっているところは知らせたい。
さらに斉藤和憲さん、新メニューの開発を進める一方で、もうひとつ強力な仕掛けを準備していました。
秋のメニュー
9月29日、ガストの秋のメニュー登場の日。
平日の夜ですが店内は上々の入りです。
実はこの日から通常549円のチーズINハンバーグを399円に値引きするフェアを開始。
この人気商品を呼び水にしていち早く新メニューに気付いてもらうのが狙いです。
店のバックヤードで注文の様子を見守るのはメニュー企画チームのリーダー、斉藤和憲さん。
その時、女性向けに開発した新商品「粗挽きハンバーグサラダ」のオーダーが入りました。
注文したのは若い女性たち。
たっぷりのミックスサラダの上に粗挽きのハンバーグとアドカボ半個分を大胆に盛り付けた新作です。
美味しい。がっつり食べたいけどカロリーも気にして、炭水化物をちょっとでも少なくしたい。
さらに週末には復活したヘルシーメニューにも次々とオーダーが入ります。
女性が注文したのは「さっぱりサラダ麺(649円)」。
新メニューを頼んだのは、ほとんどがターゲットにした女性たちです。
メニューを見て肉ばかりで頼むものがないと思って見つけたのがこれだった。
新メニューについてのアンケートでは、
ボリューム、値段的にもとても良い。
など高い評価が寄せられていました。
狙った通りに食べてくれるのはうれしい。今のメニューがゴールではないので、どんどんメニューを進化させるように頑張っていきたい。
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