[WBS] ミラノから世界ブランドへ!「日本流キッチン」を売れ!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

4月にイタリアで開かれた世界最大の家具の見本市「ミラノサローネ」の様子です。

家具のバイヤーやデザイナーなど世界の目利きが集まるこの舞台で日本勢初の快挙を成し遂げたのは、まだ知名度の低いある中堅企業でした。

なぜ彼らはリスクを覚悟で世界に挑んだのでしょうか?

密着取材から見えたのは彼らの周到な成長戦略でした。

Milano Salone

イタリア・ミラノ。

毎年、この時期になると世界中から数万人の家具のバイヤーが押し寄せます。

世界最大の家具の見本市「ミラノサローネ」の開幕です。

豊島晋作記者は、

各社とも展示ブースを出すというより建物を作っていて、会場内は建物が並ぶ街のような雰囲気です。

東京ドーム20個分を超える広大な会場に約2,000社の家具メーカーが出展。

豪華絢爛な家具が所狭しと並びます。

こちらのイスは黄金に輝いています。ガラスでできています。

株式会社サンワカンパニー

そんなミラノサローネの会場に今回、日本勢として過去最大の展示ブースを構えたのがサンワカンパニーです。

現場で指揮を取るのが社長の山根太郎さん(34歳)。

日本企業で初めてこれだけ大きなブースをもらえて、しっかりサンワカンパニーとはどんな会社なのかを世界に知らしめる。

サンワが売り込むのがオリジナル商品のコンパクトキッチン。

無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインで狭いスペースの有効活用を提案します。

一見、デスクのように見えますが板をめくるとキッチンに。

働く女性を意識した商品です。

果たして世界のバイヤーに受け入れられるのか?

緊張するよね。

今回、出展費用に1億円をかけた山根さん。

決して失敗できない事情がありました。

父から電話があり「末期がんだ」と。最後に二つだけ言いたいことがある。一つは会いたい、もう一つは会社を継いでくれないかと。

創業者である父が死の3日前に掛けてきた電話。

当時、商社マンとして海外にいた山根さんは急遽後を次ぐことをしました。

しかし周囲から投げかけられたのは心無い言葉の数々でした。

そんなに頑張らなくてもお母さんが死ねば資産がもう半分入ってくるじゃないか。苦労してないからいいねえと。それを打ち消すだけの結果を出さなければいけない。

サンワカンパニーの弱点

しかし、山根さんが引き継いだサンワカンパニーにはある弱点が・・・

ショールームに展示しているのは自社のプライベートブランドが中心ですが、販売は原則ネットのみ。

ネットでの販売に特化したため知名度の低さが成長の足かせになっていたのです。

そこで飛躍のチャンスと位置づけたのがミラノサローネ。

山根さんはサンワブランドを世界にアピールしたいと考えたのです。

世界のサンワカンパニーになると目標を掲げた以上、東京ビッグサイトではなく世界で一番の展示会場で世界で一番のパフォーマンスをするのが近道。

社長自ら得意のイタリア語を駆使して接客します。

このキッチンは「最小限」がテーマです。

冷蔵庫はあるの?

ありませんが、ここに収納できます。

初めは人もまばらだったブースにバイヤーたちが集まり始めました。

イタリア人デザイナーは、

気に入った、「最小限」のデザインだが日本的なものを感じる。必要なものは全てある。

イギリス人デザイナーは、

これこそが未来のキッチンよ。パリもローマもミラノも世界中でマンションの部屋は小さくなっています。人口が増えて地価が上がっているから。

山根さん、手応えを感じ始めていました。

株式会社マルニ木工

実はミラノサローネにはバイヤーたちが必ず訪れる場所があります。

それが16番ホール。

主催者が選んだ世界最高峰の家具ブランドしか出展を許されていません。

この16番ホールに日本企業として唯一出展を認められたのが広島のマルニ木工です。

マルニ木工の家具はオスロ空港にカフェをはじめ世界各地の空港や美術館などで使われています。

今回、出典したのは板を曲げて作る、一度座ったら立ち上がりたくなくなるイス「ラウンディッシュアームチェア」。

続々とバイヤーたちが興味を示します。

手触りがいいし、丸みも美しくて仕上がりもいい。

もう注文したよ。

さらに、

ヒロシマアームチェアというイスですが、弊社で一番の売上げを作っているイスでアップルが採用した。

アメリカのアップルが座り心地とシンプルなデザインを評価し、カリフォルニアの本社ように数千脚を購入。

マルニ木工を世界ブランドに押し上げるきっかけになりました。

マルニ木工の神田宗俊さんは、

家具市場は日本国内だと縮小の一途。海外に活路を見出すというのは必要に迫られた自然な道。

アワード

その頃、あのサンワカンパニーのブースは予想以上のお客様の入りで大忙しに。

イタリアの生産業者との商談も始まっていました。

注文すればキッチンはすぐに作れる?

もちろん、すぐに作れる。

キッチンの現地生産についての契約もほぼ合意。

そして、

アワードの受賞者はサンワカンパニーです。

サンワカンパニーは出展企業約2,000社の中から3社だけが選ばれるミラノサローネのアワードを受賞。

日本企業としては初の受賞となりました。

山根社長は、

名刺交換をして取引したいと希望しているお客様が世界で2,000社。あまり「日本で」という考えではなく、グローバルで効率よく知名度とビジネスを拡大する考え。日本での知名度は後からでも上げられる。