[WBS]「単身者向け家電」が続々登場!なぜ人気となっているのか?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日本では今、未婚率の上昇や高齢化によって一人暮らしの世帯、いわゆる単身世帯が増えています。

約30年前、1986年の単身世帯の割合は約18%でしたが、2015年には約27%を占めました。これは1,351万世帯に上ります。

こうした背景によって単身者向けの家電がいま人気になっているといいます。

そこには単に小さくて安いだけではない独自の戦略がありました。

家電を選ぶ基準

一人暮らしの人に家電を選ぶ基準を聞いてみました。

20代女性(独身)は、

最低限の機能だけついていればいい。あまり付加価値のあるものはややこしくて使いこなせない。

20代男性(独身)は、

ちょっとおしゃれと言うかデザイン性のいいものを選んだ。ただ値段は重視。

株式会社ビックカメラ

実際に家電量販店ではどんなものが人気なのでしょうか?

ビックカメラ有楽町店の家電コーナー、古谷野歩主任は、

単身者に大変人気の炊飯器。

日立 おひつ御膳 2号炊き」は単身者でも使いやすくしたという日立の炊飯器。

「おひつ」のように持ち運べるのが特徴。

リビングや食卓に持ち運び、その場でおかわりができるのが特徴です。その代わり高い圧力で炊く機能を省き価格は4万円ほどに抑えました。

株式会社エスキュービズム

今、単身者向けの家電で急成長をしている会社があります。

2006年設立のエスキュービズム。

元々はPOSレジシステムなどを手掛ける会社でした。

3年前に家電事業に参入、ヒット商品のひとつがワンドアの小型冷蔵庫。あえて野菜室などのスペースを省きました。

その狙いについて社長の薮崎敬祐さんは、

単身世帯だと自炊をあまりしない。外食中心だと冷蔵庫の用途は飲み物が中心。非常にヒットしている。

価格は1万円ほどで4万5,000台売れたといいます。

デザインが豊富な卓上扇風機は約1,000円。

様々な電源に対応し使い勝手を優先しました。

しかし、なぜ単身者向けの家電に目を付けたのでしょうか?

大手を中心に開発されているのはリビング向けの家電。少しニーズとずれてきている部分が増えていると感じていた。一人暮らしの部屋に合う商品というコンセプトで開発している。

しかし単身者向けだからといって小さくて安いだけじゃない、ほかの魅力が必要だと考えていました。

1つ、何かウリとなる機能をつけたり、デザインや機能にこだわった商品で勝負したい。

新商品発表会

7月13日、エスキュービズムが新商品発表会を開きました。

新製品のロボット掃除機です。

目玉はロボット掃除機。

価格は約1万5,000円と他社製品の2分の1以下です。

ロボット掃除機市場を開拓したルンバと比べるとその小ささは歴然、高さは3.2センチで3分の1ほどです。

これでゴミを吸引できるのでしょうか?

スイッチを押すとスタートして、家具の下も入っていってキレイにします。

「落下防止も?」

センサーもついています。

実際にワンルームで比べてみると単身者世帯の部屋はコンパクトで家具も小さめです。

他社製品だと引っかかるような場所も小型ロボット掃除機になら通り抜けることができます。さらにテレビ台のような足の短い家具の下にも入れます。

しかし何故、ここまで小さくできたのでしょうか?

薄くするときの一番のポイントはゴミの容量なんです。容量を小さくしている。ワンルームであれば、そんなにゴミが出ると想定していない。

ダストボックスの大きさは他社製品の3分の1程度です。

機能面でも充電ステーションに自動で戻る機能を省き、カメラも搭載していません。

他社製品に比べて吸引力では劣りますが、3時間の充電で1時間半の掃除が可能です。

そしてこちらも今月発売の新商品。

温度管理ができるワインセラーとワンドア冷蔵庫を一体化したという商品です。

30~40代の単身世帯でお酒も飲むニーズがあるのではないか、ワインセラーと冷蔵庫を一体型にして飲み物中心に暮らす単身世帯用の家電。

今回は氷を作る機能を省略。約3万円と手頃な価格を実現しました。

株式会社メディアウェイブソリューションズ

こだわりの単身者向け家電には意外な需要も、エスキュービズムの営業担当が向かった先は全国670のホテルに家電や家具などを卸している専門商社です。

エスキュービズムは去年からこの会社を通じてワンドア冷蔵庫などをホテルに納入しています。

この日は新商品のロボット掃除機やワインセラー一体型冷蔵庫を売り込みました。

すると、

ワインクーラー部屋置きのタイプです。

冷蔵庫が下についているんだ。面白い、いいですね、これ。

相手の目に止まったのはワインセラー一体型冷蔵庫です。リゾートホテルなどで需要が見込めるといいます。

ワインを持ち込むお客様もいるので。

今後、ホテルに売り込んでいくことになりました。

「ホテルも家電需要は変化?」

メディアウェイブソリューションズ東京支店の細井良暁支店長は、

実際に変わってきている。デザイン性のある物や安いものではなく、高めでお客様に満足してもらえるような。

単身者向けに作った小型家電はシングルルームがあるホテルにも需要があったのです。

新製品会議

7月29日、エスキュービズムの本社では次の新製品会議が開かれていました。

テーブル上にあるのは開発中の試作機。発売前なので内部は見せられませんが煙を吸う機能付きのホットプレートです。

この辺のアール(曲線)は良くなったね、金型の。

この辺の操作感とか軽いので、まだ修正が必要。

直したいね、ダイヤルは。

薮崎社長は、

知り合いが来たときに2人で焼肉をする用途などを想定している。

家族ではなく1人や友達と2人で焼肉を食べる需要を増えると睨んでこの商品の開発を始めました。

コンパクトな1人暮らしの部屋だからこそ、煙を吸う機能をあえて付けました。

個人の細かいニーズをくみ取って家電が販売できるようになっている。これまで顕在化していなかった需要が顕在化してきているので、これからもこのマーケットは広がっていくと考えている。

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