[WBS] 無印良品、生鮮参入の裏側!甘いトマトに幻のたまねぎも!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

2018年1月、無印良品を手掛ける良品計画は中国の深センに世界で初めてとなるMUJIホテルをオープンしました。

こうしたアジアでの拡大戦略を背景に2018年2月期の決算では営業利益が過去最高を更新するなど好調が続いています。

無印良品といえば衣類や日用品などの生活雑貨が主力ですが、そこに新たな戦力として投入されたのが野菜などの生鮮食品です。

なぜ今、無印良品が積極的に生鮮に取り組むのでしょうか?

その裏側を取材しました。

株式会社良品計画

大阪・堺市にある無印良品イオンモール堺北花田店。

開店前、朝礼を終えて衣料品の整理をしている隣で行われていたのは・・・

果物や野菜などの生鮮食品の陳列。

近隣の農家から毎日入荷するという野菜の他には・・・

魚も。

「どこから仕入れた魚?」

今日は徳島から。

港直送の新鮮な魚がところ狭しと並びます。

開店後、続々と来店する多くのお客様の目当てはこれら生鮮食品です。

3月末にオープンしたこちらの店舗。

面積は無印良品では世界最大となる4,300平方メートル。

そのうち半分近くが生鮮食品から惣菜。

さらに買ったものをその場で食べられるイートインスペースやカフェまであり、食に特化した売り場となっています。

店内の配置には無印良品ならではの特徴が・・・

無印良品・コミュニティマネージャー、松枝展弘さんは、

生鮮食品と従来から無印良品で売っているキッチン用品や雑貨を関連して売れるように配置している。

食品売り場の直ぐ側にあったのは食器などのキッチン雑貨。

毎日の食材を買いに来るお客様にも日用品のアピールをする狙いです。

今までは月に1~2回の来店が通常の無印良品の平均だったが食を扱うことでお客様が毎日来ている。1~2割くらいは日用品の売上げが伸びている。

現在、無印良品は客数と売上げは伸びていますが国内の客単価の伸びは鈍化傾向にあります。

お客様の来店頻度が上がる生鮮食品を扱うことで日用品のついで買いによる客単価の伸びも期待できます。

地元農家の食材

食品全体の責任者、谷覚さんと青果担当の梶山義之さん。

地元の大手スーパーなどで生鮮食品に関わってきたこの2人が買い付ける地元の農家の野菜が一番の売りです。

一体どんな野菜を仕入れているのか特別に案内してもらうと・・・

まず2人が向かったのはフルーツトマト農家「キノシタファーム」。

ここでは少し変わった栽培方法をしているといいます。

キノシタファームの木下健司社長、

バッグ栽培という方法で年間通じて糖度8度以上のミニトマトを栽培する。

ビニールバッグの中でトマトを育て、水を徹底的に管理するこの方法。

糖度の高い実を作りやすいですが、水分量によってはトマトが全部割れるリスクもあり、採用する農家はまだ少ないといいます。

大阪で僕が一番最初。大阪でも僕だけ。

このこだわりのフルーツトマト、100gで200円以上と決して安くはありませんが最高で1日に500パックを売り上げたといういわば看板商品です。

地元でまだ知られていないこうした地産品を積極的に仕入れることで地元農業の活性化だけでなく他のスーパーとの差別化にもつながるといいます。

地産地消ということが言われているが大阪もの(農作物)はあまり取り上げられなかった。そこで無印良品の食品でやる意味がある。

また無印良品の生鮮売り場を機に復活したという野菜も・・・

「どこに向かっている?」

たまねぎ。「幻のたまねぎ」です。

続いて訪ねた農家で作られていたのはなにわの伝統野菜、泉州黄たまねぎの「今井早生」。

三浦農園の三浦淳さん、

もう途絶えていたというか種がなくなっていた。やっと種を見つけて植えて今年復活できた。

平らな形が特徴の今井早生は瑞々しくて甘いと人気でしたが、大きくなりにくいことや病気になりやすいことから、今ではほとんど流通していないといいます。

知っている人はいま全然いない。それを伝えていくのも僕らの仕事。

廃棄リスク

食という新しい分野でのアプローチでこれまでとは異なる客層の獲得につながる一方、雑貨とは大きく異なるのが生鮮ならではの廃棄のリスク。

それでも食の分野に進出する意味は大きいと松﨑曉社長は言います。

レトルトや菓子にも消費期限があるが、それと比べたらデイリーでロスが発生することは事実。われわれはカフェ&ミール業態を持っているので食材を使うので使用範囲が広がる。それをうまく束ねてロスを減らしていきたい。

2019年には銀座の世界旗艦店に併設する形で3つ目となるホテルのオープンを控える良品計画。

そこでも生鮮を扱う他、食事のできるカフェを併設し、今回得た食のノウハウを活かすといいます。

食を通したこの戦略で国内だけでなく海外店舗でも無印良品のさらなる拡大を目指す狙いです。

20~30%に食の領域を拡大したい。日本に無印良品は400店舗以上あり、世界では800店舗以上ある。1つの店舗で実験していることは将来は世界の店でも出来るレベルまでやっていきたい。