[ガイアの夜明け] ニッポン転換のとき〜住宅編「中古」に価値がある!〜“新築信仰”に挑む〜(2)

ニッポン転換のとき〜住宅編「中古」に価値がある!~“新築信仰”に挑む~

東野唯史さん

長野県諏訪市、築170年の木造家屋。

駅前の再開発で解体の日が迫っていました。

その空き家にやって来たのは地元に住む東野唯史さん(33歳)。

床の間に使われていた一枚板のケヤキ。推定樹齢200~300年、今では滅多に手に入らない貴重な一品です。

さらに、

出ました、お宝が。

黒柿と呼ばれる柿の木材、黒い模様が出るものは1万本に1本という逸品です。

空き家から運び出された木材は次々とトラックへ。

一方、諏訪市内にある建物、中にはたくさんの木材が。

実はここが東野さんの職場。

解体される家から回収した木材をここに集めていました。

そして値段を付けて販売します。

ある板は1万8,000円。推定樹齢250年以上、黒松の一枚板です。

しかし、この木材、一体誰が、何に使うのか?

ReBuilding Center JAPAN

解体される家から貴重な木材を回収して販売する東野さん。

その拠点が1年半前にオープンしたリビルディングセンターJAPAN、通称「リビセン」です。

最近では首都圏からお客様やって来ることも。

どういった用途で?

寝室の床と台所の床です。

隣町に住む今野英彦さん(42歳)、古材を使った自宅のリフォームを考えていました。

これは岐阜県飛騨市の古川町。公民館からレスキュー(回収)してきた床材。

その公民館、今野さんが手にしていたのはその床板です。

こうした古材を回収する時、販売価格の5%を家主に払います。そうすることで広く古材を集められるのです。

それをリビセンで売れば捨てられるはずの古材が再利用されることに。

クロマツの床材(1平方メートル当たり8,000円)も元々はゴミになるはずのもの。いまやそれが価値のある商品に生まれ変わりました。

今野英彦さん

今野さんの自宅、築53年、高度成長期の木造2階建てです。

まずは2階からリフォーム、古い畳敷きの六畳間です。ごく普通のふすまと障子で仕切られています。

ここへ買ってきた床材を敷いていきます。

障子とふすまはガラスの引き戸(1枚8,000円)に交換。これもリビセンで手に入れました。

そうして完成したのが和のテイストを残したオシャレな洋室に変身。

リフォーム費用は約31万4,000円。新品を使ったリフォームの約半額です。

古材を使ったことで中古住宅に味と風情という価値が新たに生まれました。

ここに東野さんの戦略が・・・

古材は使ってくれる人がいないと、どんどんストックだけ増えて、使われなかったら捨てられる。「レスキュー」した意味がなくなる。

古材の利用

古材を使ったカフェ、今まで古材の利用はこうした商業施設に留まっていました。

このままでは集めた古材が再びゴミになってしまいます。

そこで東野さん、中古住宅でも古材を利用してもらい循環する量を何とか増やしたいと考えていました。

実は今、捨てられるはずの古材に企業も注目。

東京R不動産では古材を使った中古物件に入居を希望する人が増えているといいます。

東京・世田谷にある賃貸物件、築85年、木造平屋建てです。ここを古材でリフォームしました。

すると、東京R不動産の吉里裕也代表は、

「なかなかない」「こういうのが欲しかった」と新築よりも高く貸せている。古いものに価値を見出しているというお客様が増えてきているのを感じる。

この住宅、リフォーム前の家賃は15万円でした、それがリフォーム後は20万円で貸し出せることに。

古材を使うことで中古物件の価値が上がったのです。

中古住宅の課題

一方、諏訪市。

2017年に建てられたばかりのアパート。

そこに東野さんの姿が、実はこれが今の住まい。

布団の中に寝袋を入れて、ダウンを着て寝るみたいな生活をしていた。

妻の華南子さん、

いい家だったけどね、あれはあれで。

東野さんは2018年1月まで築40年の中古物件に住んでいました。

しかし冬の平均気温は氷点下、古い家では外の冷気が入り込み寒さに耐えられず引っ越ししたのです。

この課題をクリアしなければ回収してきた古材でリフォームをしても中古の家には住んでもらえません。

1月下旬、東野さんが動きました。

「古くて、かっこよくて、快適な家」という選択肢にできないか?

一体、何を始めるのか?

スワテック建設株式会社

古い家から古材を回収し、その再利用に取り組む東野さん。

古材を使った中古住宅のリフォームを広めようとしていました。

しかし、そこには寒くて住めないという問題が・・・

1月24日、東野さんは地元の建設会社を訪ねました。

迎えてくれたのは断熱技術の専門家、一級建築士の伊藤信治さん。

ちょっと前まで下諏訪に住んでいて、すごい寒い家だった。いち早く布団の中に入って、早く布団の中を温めるぞって。

「古くて、かっこよくて、快適な家」という選択肢にできないか?

東野さん、寒くて住めない中古の家に新築の断熱の技術を生かせないかと相談に来たのです。

新築をやった方が楽は楽。今これだけ空き家が増えて、東京から移住の人を呼ぶときに空き家になっているところに人が住むと街の活性化は十分にできる。新しいことをやってみるのは価値がある。

地元の将来のためならばと協力を約束してくれました。

2月15日、東野さんが購入した築50年の平屋。

ここを舞台に中古住宅の寒さを解決する実験を始めます。

東野さん、いきなり天井を外しました。

すると、

無断熱。当然のように無断熱。

屋根裏には外からの冷気を防ぐ断熱材が一切使われていませんでした。

「高断熱」するなら床下もね。

まずは床と天井から対策していきます。

古材を使った家で快適に暮らす。

中古に価値を見出す東野さんの模索が今始まりました。

リノベーションして価値を高めて流通させていくのは、いいビジネス。ものすごい量の古材も「レスキュー」できるから空き家とか中古住宅のリノベーションは価値がある。

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