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[WBS] 始動!働き方改革!長時間労働を是正へ

2016年9月28日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

働き方改革

「働き方改革」は第三の矢、「働き方改革」は社会問題であるだけでなく経済問題。

安倍晋三総理が看板政策の一つに掲げる「働き方改革」。

その具体策をまとめる実現会議の初会合が9月27日に開かれました。

実現会議は安倍晋三総理が議長を務め、関係閣僚の他、一般社団法人日本経済団体連合会の榊原定征会長や日本労働組合総連合会の神津里季生会長など有識者15人で構成されています。

会合では長時間労働の是正や同じ仕事に同じ賃金を支払う、同一労働、同一賃金の導入、高齢者や女性の就労促進などが議論されます。

今回、政府が特に力を入れているのが「36協定」の改革。

36協定

企業が労働者の代表などと協定を結び、残業を認める制度。

現状、労使が合意すれば残業時間をいくらでも延ばせる状態です。

労働時間

日本で働く人の労働時間は平均で年間1,729時間。

ドイツやフランスといった他の先進国と比べると300時間ほど長く、その是正が課題となっているのです。

労働基準法

労働時間は1日8時間、週に40時間以内と法律で定められています。

しかし、企業が労働者の代表などと協定を結び、残業を認める制度があります。

これが労働基準法第36条、いわゆる「36協定」です。

残業時間は国が45時間と定めていますが、36協定の特別条項を締結すれば、それ以上に延長できます。

本来は特に忙しい時期などに対応するためのものですが、残業時間の上限が定められていないことが問題となっています。

労士が合意すれば無制限になるという状況です。

今回の会合では36協定を見直して残業時間の延長にも上限を設けることが焦点となっています。

過労死

京都市に住む吹上了さん(68歳)。

9年前に息子の元康さんを過労死で亡くしました。

家内が朝起こしにいったら様子が変だと。私が飛んでいったら、もう冷たくなっていた。

死因は心不全、大手外食チェーンに入社してわずか4ヶ月、24歳でした。

これが会社近くの駐車場の領収書。7時台に入って、夜12時すぎてから出ている。

この領収書が証拠となり、元康さんは毎月100時間を超える残業をしていたとして労災認定されました。

その後、両親が会社を訴えた裁判でも問題とされたのが「36協定」の在り方でした。

元康さんが勤めていた会社が従業員と結んだ「36協定」では、過労死の認定基準の月80時間を超え、1ヶ月100時間までの残業が年6回、可能だと定められていました。

さらに元康さんの残業時間は3ヶ月連続で100時間を超えていました。

こういう規則は守られなかったら仕方ない。罰則を設ける必要がある。20日間の営業停止とか罰則を入れれば過労死はぐっと減ってくるのでは。

長時間労働の是正

長時間労働は是正される方向に進むのでしょうか?

9月27日の会合に出席した一般社団法人日本経済団体連合会の榊原定征会長に聞いてみました。

「Q.人手不足の問題への対応は?」

人を減らして残業時間を短くしても労働生産性、企業業績が落ちない形にする。

今後、使用者側はロボットの活用を進めるなど労働力の維持が課題となりそうです。

労働者側の日本労働組合総連合会の神津里季生会長に聞いてみます。

「Q.残業代で稼いでいる現状の人も?」

まさに、そういう働き方になってしまっていること自体が問題。

労働時間が減っても収入が落ちないように賃上げが必要だという考えです。

労使双方の一致点は見つかるのでしょうか?

政府は今年度中に実行計画をとりまとめ、来年の通常国会にも関連法案を提出する方針です。

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