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[WBS] 「政府秘策」日本初「刑務所ホテル」実現へ!

2016年7月23日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

奈良少年刑務所

日本を代表する観光地、奈良県。

奈良市の中心街から車で約10分、明治時代の建築物として高く評価されている建物があります。

1908年に建造された奈良少年刑務所。

明治政府が全国に作った「五大監獄」のひとつで唯一、当時の姿を完全な形で留める建物です。

保存を呼びかけている地元の人、「奈良少年刑務所を宝に思う会」の松永洋介事務局長は

国の威信をかけて建てた建物。ロマネスク様式と言われていて、立派だけど威圧感がなく美的感性を刺激される建物。

しかし老朽化が進み、刑務所としては今年度末で閉鎖することになりました。

「奈良少年刑務所を宝に思う会」呼びかけ人の作家、寮美千子さんは

このレンガは奈良監獄の囚人たちがレンガの焼き方を屋根瓦の職人から習って自分たちでレンガを焼いた。手作りレンガなので1つ1つ風合いが違う。

こうした中、法務省がこの少年刑務所を数年内に民間の資金や経営ノウハウを活用するPFI方式でホテルとして活用する方向で調整に入ったことが明らかになりました。

政府関係者は

政府の成長戦略では公共施設のPFI活用が柱の一つなので、その好例になる。

建物を日本初の「刑務所ホテル」などに転用し、利益は改修費用等に充てる考えです。

計画の背景には奈良県は宿泊施設の客室数が全国で最下位という事情もあります。

地元のタクシー運転手は

最近は奈良にもたくさん海外の人が来て宿泊先がいっぱいになる。

タイからの観光客にどこに滞在するか聞いてみると

大阪。大阪は交通の便がいい、買い物もできる。

「奈良少年刑務所を宝に思う会」の松永洋介事務局長は

監房があって大勢の人が寝泊まりしてきた。その機能を生かして監獄ホテルがあると皆喜ぶ。

ホテル マルメゾン・オックスフォード

刑務所を作り替えたホテルはすでに世界各地にあります。

イギリス・オックスフォードにある「ホテル マルメゾン・オックスフォード」そのひとつです。

鉄格子を開けると映画に出てくる刑務所そのもの。

13世紀から1996年まで、実に800年近く刑務所だった建物を改修したホテルです。

2005年のオープン当時は世界初の刑務所ホテルだったといいます。

マルメゾン・オックスフォードのエマ・ドーアゼネラルマネージャーは

囚人が一番多かったときは部屋の右半分に3人収容していた。

3つの独房をつなげた標準的な客室は1泊約2万円から。

かつての囚人用の食堂はオシャレなレストランに生まり変わり、テラス席は囚人たちの運動場だった中庭にあります。

また地下には当時のまま独房が残されていて囚人の気分も味わうことができます。

刑務所が閉鎖された後、10年間廃墟だった。美しいホテルに生まれ変わり住民にも歓迎されている。

客室の稼働室は約90%と高い水準にあります。

年間を通して観光客には人気だといいます。

宿泊客は

特別な体験ができる。

刑務所に泊まれるなんて最高じゃないか。

ただ、このホテルにはある「秘密」があります。

刑務所だったときには死刑の執行も行われていた。夜中に不審な物音を聞いたり、囚人のお化けを見たという人もいる。

刑務所ならではの怪奇現象、宿泊を考えてきた観光客に伝えると

一人では泊まりたくない。

シングルルームは嫌。

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