[WBS] 安定の銀行が厳しい状況に!?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

5月15日、メガバンク3行の2018年3月期の決算が出揃いました。

数字を見てみると銀行が今どんな状況にあるのか見えてきました。

三菱UFJの純利益は9,896億円、三井住友は7,343億円と前の年に比べてそれぞれが増益でしたが、みずほは5,765億円で4.4%の減益となり明暗が分かれる結果となりました。

ただWBSが注目したのは実質業務純利益です。

これは本業である傘下の銀行の儲けを示すものです。

こちらを見てみると三菱UFJ銀行は前の年に比べて15.5%減、三井住友銀行は27.1%減、そしてみずほ銀行は33.5%減と非常に厳しいことが分かります。

かつては安定した企業というイメージが強かったメガバンクに何が起こっているのかトップを直撃しました。

株式会社みずほフィナンシャルグループ

先月、就任したばかりのみずほフィナンシャルグループ、坂井辰文社長にとっては厳しい船出となりました。

「収益性で他のメガバンク2行に劣るのでは?」

指摘があったように営業力・生産性の向上、基礎的収益の向上が大きな課題。今年度は反転攻勢の年と定めて顧客部門の回復につなげたい。

日銀のマイナス金利政策の長期化で主軸となる銀行業での儲けは減り続ける一方、構造改革を急ぐみずほフィナンシャルグループは2026年度までに1万9,000人を削減すると発表しています。

「1万9,000人の削減に反発は?」

今やろうとしているのはリストラというより来るべき時代に金融機関としてどういうサービスを提供する会社になるか、定型的な作業は機械に任せて一人一人はツールをどのように使いこなすか、構造改革は相応に理解してもらっている。今後は具体的なイメージに昇華したい。

実は大規模な構造改革に踏み切るのはみずほだけではありません。

三菱UFJ、三井住友も動き出していて3行合わせて約3万人分の業務量を減らす計画です。

また三菱UFJ銀行は全国500余りの店舗を2割減らすことも発表しています。

三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長は、

今後6年間で従来型の窓口を備えた店舗は半減する。お客様との接点を減らすのではなくリアルとバーチャルを組み合わせて最適化して接点を増やす。

さらに業務効率化のためグループの枠を超えた取り組みも・・・

三井住友フィナンシャルグループの國部毅社長は、

ATMネットワークの維持には相応なコストがかかっている。共同ATMが考えられないか。

三井住友銀行は三菱UFJ銀行とATMの共通化を検討していることを明らかにしました。

ライバル同士、手を組んでも生き残りの模索が始まっています。

現役銀行員の本音

これまで安定して企業の代名詞だったメガバンク。

現役の銀行員は何を感じているのでしょうか?

入社10年目のメガバンク行員が匿名を条件に取材に応じてくれました。

「みずほフィナンシャルグループが2026年までに1万9,000人、実数として減らすというニュースがありましたけど率直にどう感じました?」

記事が出たときは「どうなるんだ?」と、1万9,000人という数字が刺激すぎてイメージがわかなかった。

「銀行というとかつては安定した職業の代表というところがあったと思います。安定感はなくなっている?」

個人的にはそう感じていない。なくなりそうな部署となくならそうな部署があるのでどこに従事しているかによって温度感は違うと思う。

またリストラとは別にAさんが危機感を感じているのが大きの銀行業務が機械やAIに取って代わられるのではないかという不安です。

例えばみずほ銀行では実証実験店舗にテレビ電話を使った窓口を設置したほか、お客様の書いた伝票の入力作業は自動化されました。

リアルな人のいる窓口は約半分になりました。

銀行に限らず機械に取って代わられる部分が多くなってくると思うので、自分の仕事がなくならないかという危機感はあります。

浪川攻さん

大変革の時を迎えているメガバンク。

その注目の高さを表すかのように経済ジャーナリスト、浪川攻さんが書いた「銀行員はどう生きるか」は発売3週間で5万部を売る異例の売れ行きとなりました。

戦後最大級の変化が起きている。「もう銀行に依存しきれない、自分で考えるしかない」という銀行員が象徴的だなと思った。

銀行を辞めて人材派遣会社に登録して次の人生の布石を打つ人、一生懸命働く人、OBに身の振り方を相談に行く人、さまざまです。

1,000人以上の銀行員に取材してきたという浪川さん、今後銀行員を生かすかどうかはトップの変化にかかっているといいます。

例えば製造とか流通小売業ではトップの英断で物事が動いてきたと思うが銀行業はボトムアップ型組織で来た。下からだんだん持ち上がってきて上が最終的に総合的に判断していたが、今回は本当にトップダウンを迫られている。それがきちんとできないと生き残れない。

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